3 / 17
3】恋人になって初めての③
しおりを挟む
3】恋人になって初めての③
レオ殿のベッドの上に押し倒され。天井を仰ぎ見るような。こんなに人に見下ろされたのは、いつぶりだろうかと不意に懐かしく思っているとレオ殿が私の些細な様子にきも気づく。それこそ、意識がレオ殿から逸れたことに口を尖らせたのだろう。素直に騎士団に入団した頃を思い出したと口にすれば、ガクリと肩を落とし。それからすぐに顔を上げ、私を見つめる。
「……俺のベッドの上で、他の男のことを思い出すのは駄目ですよ」
その声色は、先ほどとは別のもので。
甘いような、それでいて普段よりも色っぽさを含む声だった。近づいてくる顔に、今度はギリギリまで視線を合わせる。それでも近づいてくる顔に気恥ずかしくなって、最後は目を閉じてしまった。目を瞑っても、視線を感じる。
(またレオ殿は、私の顔を見ているのだろうか)
ぺろっ……ちゅっ、ちゅっ……♡
「んぁ……っ♡」
ペロリと唇を舌先で舐めて、触れる口づけだけ。そのままレオ殿口づけは、ゆっくりと首筋へと落ちていく。同時に、レオ殿の手が、私の上着のボタンを解いた。
一つ一つ、ゆっくりと。まるで贈り物の気分だ。梱包された贈り物は、こんな気持ちで開封されるのだろうかと思った。肌寒くない温度の中、ボタンはあっという間に一番下へ。
「……」
「今度は破かないで下さいよ?」
パチリと目を開ければ、私の上着は開けていた。どうやら、これからどうしようと思っている様子のレオ殿に、また下着を破られては困る。問うように言えば、うーんと考えながら、首を縦に振らないレオ殿。これは不味い。
「待って下さい。自分で脱ぎます」
レオ殿の前に手を伸ばし、倒れていた身体を起こした。薄い上着を脱いで、それから次に下着を脱ぐ。行儀悪く丸まった衣服をどうしようかと迷っていると、レオ殿が取ってベッドの下に投げた。
「あ!」
「あとで拾いますから」
「……レオ殿も脱いで下さい」
「積極的で、何よりです」
そう言って私の前で、レオ殿も衣服を脱いだ。同じくらいの薄着だ。バサリと背中から一気にシャツを引っ張って、私以上に乱暴に下着も脱いだ。やはり鍛えられたような身体。互いに筋肉はついているが、賢者だというのにレオ殿の身体は騎士団の新兵よりもしっかりとしている。私も鍛えている方だが、体質的に筋肉に厚みがない。私よりも厚みのある身体つきに、広い肩幅。それから、私のように傷跡なんかは無い。綺麗な身体だ。ついまじまじと見ていると、今度は私の視線に気づいたレオ殿がクスリと笑った。
「熱い視線ですね」
「すみません……! つい」
「良いんですよ? アラン様。俺のこと、沢山見て」
そう言いながら、ベッドの上にある毛布も床に落としたレオ殿。ベッドの周りは、まるで小さな子供が汚したように、色々なものが散っていた。
「床は気にしないで下さい。他にも脱ぎ散らかしますから」
「ね?」と小首を傾げたレオ殿に、私は何も言えなかった。
******
更新しました
お気に入り・イイネ有難うございます
レオ殿のベッドの上に押し倒され。天井を仰ぎ見るような。こんなに人に見下ろされたのは、いつぶりだろうかと不意に懐かしく思っているとレオ殿が私の些細な様子にきも気づく。それこそ、意識がレオ殿から逸れたことに口を尖らせたのだろう。素直に騎士団に入団した頃を思い出したと口にすれば、ガクリと肩を落とし。それからすぐに顔を上げ、私を見つめる。
「……俺のベッドの上で、他の男のことを思い出すのは駄目ですよ」
その声色は、先ほどとは別のもので。
甘いような、それでいて普段よりも色っぽさを含む声だった。近づいてくる顔に、今度はギリギリまで視線を合わせる。それでも近づいてくる顔に気恥ずかしくなって、最後は目を閉じてしまった。目を瞑っても、視線を感じる。
(またレオ殿は、私の顔を見ているのだろうか)
ぺろっ……ちゅっ、ちゅっ……♡
「んぁ……っ♡」
ペロリと唇を舌先で舐めて、触れる口づけだけ。そのままレオ殿口づけは、ゆっくりと首筋へと落ちていく。同時に、レオ殿の手が、私の上着のボタンを解いた。
一つ一つ、ゆっくりと。まるで贈り物の気分だ。梱包された贈り物は、こんな気持ちで開封されるのだろうかと思った。肌寒くない温度の中、ボタンはあっという間に一番下へ。
「……」
「今度は破かないで下さいよ?」
パチリと目を開ければ、私の上着は開けていた。どうやら、これからどうしようと思っている様子のレオ殿に、また下着を破られては困る。問うように言えば、うーんと考えながら、首を縦に振らないレオ殿。これは不味い。
「待って下さい。自分で脱ぎます」
レオ殿の前に手を伸ばし、倒れていた身体を起こした。薄い上着を脱いで、それから次に下着を脱ぐ。行儀悪く丸まった衣服をどうしようかと迷っていると、レオ殿が取ってベッドの下に投げた。
「あ!」
「あとで拾いますから」
「……レオ殿も脱いで下さい」
「積極的で、何よりです」
そう言って私の前で、レオ殿も衣服を脱いだ。同じくらいの薄着だ。バサリと背中から一気にシャツを引っ張って、私以上に乱暴に下着も脱いだ。やはり鍛えられたような身体。互いに筋肉はついているが、賢者だというのにレオ殿の身体は騎士団の新兵よりもしっかりとしている。私も鍛えている方だが、体質的に筋肉に厚みがない。私よりも厚みのある身体つきに、広い肩幅。それから、私のように傷跡なんかは無い。綺麗な身体だ。ついまじまじと見ていると、今度は私の視線に気づいたレオ殿がクスリと笑った。
「熱い視線ですね」
「すみません……! つい」
「良いんですよ? アラン様。俺のこと、沢山見て」
そう言いながら、ベッドの上にある毛布も床に落としたレオ殿。ベッドの周りは、まるで小さな子供が汚したように、色々なものが散っていた。
「床は気にしないで下さい。他にも脱ぎ散らかしますから」
「ね?」と小首を傾げたレオ殿に、私は何も言えなかった。
******
更新しました
お気に入り・イイネ有難うございます
49
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い


飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる