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11】疲れて早く寝てしまったら②
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11】疲れて早く寝てしまったら②
疲れて気絶するように眠っていると、どのくらい時間が経っただろう?
妙な感触と息苦しさに、だんだんと意識が浮上してきた。
「……んっ……、ぅ……」
ちゅっ……ちゅっ……ちゅぷっ……♡
「ぅ゛……ぁ゛……?」
(なんだ……?)
ちゅぷっ♡ レロォッ……♡
(あれ、この感じ。朝のと似ている……?)
重たく何かがのしかかる息苦しさではない。単純に呼吸がしづらい。どうしてだか分からないが、違和感を感じる口内の感触には身に覚えがあった。それこそ、今日の朝にも似たようない感触と息苦しさを感じたんだ。
(何だったっけ……?)
まだ頭は夢心地で、うっすらと開き始める瞳に、最初に入ったのは黄色味がかった色。それから今日一日で覚えてしまった声が耳に入った。
「起こしちゃいましたか? アラン様」
「ん……?」
「まだ眠っていますか? まぁ、それはそれで俺としては都合が良いですけど」
「ねぇ……?」
と耳穴を震わせるように、今度は近くで声が聞こえた。おまけにズシッ……と重みを感じる。起きなければ都合が良いというわりに、起こそうとしていると思った。
「ん……ぁ……? ナイト……?」
聞き覚えのある声の名前を呼べば、「はい♡」と楽しそうな声で返事がした。それから私の上に覆いかぶさっていたであろう身体を離し、私が上半身を起こす。ゴシゴシと瞼を擦りながら気配のする方を見れば、見失うことのない光る瞳と暗闇の中辺りを照らす灯が見えた。
「……ナイト?」
「はい、そうですよ。俺です」
パチパチと瞬きをして、頭も少しずつではあるが覚醒してくる。ここは私の部屋で、私は寝ていて。外はまだ夜で、日の出までは遠そうだ。うん? ナイトが私の部屋にいる? どうして? おまけに多分、またキスをしていたような……────。
「あ、貴方!? 一体また何をしているんですか!?」
「う~ん? 分かりませんか? 夜這いです♡」
「はぁっ!?」
────ドサッ。
せっかく起こした身体が、再びベッドへ。簡単にナイトに覆い被さられていた。
「ナイト! 何をしているんですか!」
「すみません、アラン様。俺、ちょっと空腹で。お腹が減って眠れなくて……」
「夕食は食べたじゃないですか!」
「だから、人間と淫魔じゃ食事質が違うんですよ。一緒に食べましたが、空腹で起きたくらいなんです。だから、アラン様。食事させて下さいよ」
「なっ……んっ……!?」
そういうと、ナイトが私に再び唇にキスをした。閉じていた口内に、ヌロリと舌先が入って来る。一度侵入を許してしまえば、あとはなし崩しだ。ヌロリとした舌が、口内を右往左往と歯列をなぞったあと、私の舌に巻き付いた。
「ん、ぁ゛……あ……っ゛……?♡」
ちゅっ♡ ちゅぷっ♡ ピチャッ……♡
不思議なことに、ナイトにキスされてしまえば身体の力が抜けていく。抵抗など出来ず、巻き付く舌がピチャピチャと水音を立てるのを聞くことしか出来なかった。
********
疲れて気絶するように眠っていると、どのくらい時間が経っただろう?
妙な感触と息苦しさに、だんだんと意識が浮上してきた。
「……んっ……、ぅ……」
ちゅっ……ちゅっ……ちゅぷっ……♡
「ぅ゛……ぁ゛……?」
(なんだ……?)
ちゅぷっ♡ レロォッ……♡
(あれ、この感じ。朝のと似ている……?)
重たく何かがのしかかる息苦しさではない。単純に呼吸がしづらい。どうしてだか分からないが、違和感を感じる口内の感触には身に覚えがあった。それこそ、今日の朝にも似たようない感触と息苦しさを感じたんだ。
(何だったっけ……?)
まだ頭は夢心地で、うっすらと開き始める瞳に、最初に入ったのは黄色味がかった色。それから今日一日で覚えてしまった声が耳に入った。
「起こしちゃいましたか? アラン様」
「ん……?」
「まだ眠っていますか? まぁ、それはそれで俺としては都合が良いですけど」
「ねぇ……?」
と耳穴を震わせるように、今度は近くで声が聞こえた。おまけにズシッ……と重みを感じる。起きなければ都合が良いというわりに、起こそうとしていると思った。
「ん……ぁ……? ナイト……?」
聞き覚えのある声の名前を呼べば、「はい♡」と楽しそうな声で返事がした。それから私の上に覆いかぶさっていたであろう身体を離し、私が上半身を起こす。ゴシゴシと瞼を擦りながら気配のする方を見れば、見失うことのない光る瞳と暗闇の中辺りを照らす灯が見えた。
「……ナイト?」
「はい、そうですよ。俺です」
パチパチと瞬きをして、頭も少しずつではあるが覚醒してくる。ここは私の部屋で、私は寝ていて。外はまだ夜で、日の出までは遠そうだ。うん? ナイトが私の部屋にいる? どうして? おまけに多分、またキスをしていたような……────。
「あ、貴方!? 一体また何をしているんですか!?」
「う~ん? 分かりませんか? 夜這いです♡」
「はぁっ!?」
────ドサッ。
せっかく起こした身体が、再びベッドへ。簡単にナイトに覆い被さられていた。
「ナイト! 何をしているんですか!」
「すみません、アラン様。俺、ちょっと空腹で。お腹が減って眠れなくて……」
「夕食は食べたじゃないですか!」
「だから、人間と淫魔じゃ食事質が違うんですよ。一緒に食べましたが、空腹で起きたくらいなんです。だから、アラン様。食事させて下さいよ」
「なっ……んっ……!?」
そういうと、ナイトが私に再び唇にキスをした。閉じていた口内に、ヌロリと舌先が入って来る。一度侵入を許してしまえば、あとはなし崩しだ。ヌロリとした舌が、口内を右往左往と歯列をなぞったあと、私の舌に巻き付いた。
「ん、ぁ゛……あ……っ゛……?♡」
ちゅっ♡ ちゅぷっ♡ ピチャッ……♡
不思議なことに、ナイトにキスされてしまえば身体の力が抜けていく。抵抗など出来ず、巻き付く舌がピチャピチャと水音を立てるのを聞くことしか出来なかった。
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