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172】「とある悩み」の今後について
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172】「とある悩み」の今後について
その日は、いつもと変わらない朝だった。
変わることがあるとすれば、私が寝不足なくらい。レオ殿とのことを考えて眠れず、最後は気を失うように眠ったんだと思う。まぁ、以前のように熱が籠って……なんてことはない。身体が火照ることはないし、本当にただの寝不足なだけだ。(体調管理という面では、良くないのだけれど)
こんな顔を見られてしまえば、またレオ殿に何か言われてしまうかもしれない。今日はレオ殿が文官殿たちのところにいませんように……と身支度を済ませ、いつものように朝一日の流れを確認するべく。私は文官殿たちのいる場所へと向かったわけだが……。
「おはようございます、アラン様。待っていましたよ」
「……おはようございます、レオ殿……」
いませんようにと思った時ほど、会うことが多い。朝一番、ニコリと微笑んだレオ殿が、入り口のところで私を待っていた。まるで中へ入ることを通せんぼするみたいに、ドンッと構えて。
「おや、アラン様。眼の下に隈がありますよ? 顔色は……まぁ、変な感じはしませんね。何か書物でも読んでましたか?」
レオ殿とのことを考えていたせいで寝不足です、なんて言えるはずも無く。
「ええ。久しぶりに夜時間が出来たので、読めていなかった本を読んだらつい夢中になってしまって。体調管理が大事だというのに、お恥ずかしい限りで……」
「まぁ、そういうことなら、良かったです」
「良かった? あの、ところで私か今日の確認があるので、中に……」
そう言えば、ブンブンとレオ殿が首を横に振った。
「入らなくて大丈夫です。アラン様は、今日から1週間休みです」
「え!?」
「ついでにいうと、俺も同じく休みです」
「え!?」
寝不足の頭が、まともに回転するには時間がかかる。しかも、だ。私もレオ殿も役職的に大事なものでは? と思うのだが……。
「休みなのは良いですが、一週間!? いくらなんでも、急すぎます。だ……大体、私はまだ休むなんて……! 続いてる仕事もあったのに……!」
「その辺は安心して下さい」
レオ殿が通せんぼする奥で、文官殿たちが顔を出して言った。
「賢者様が、残りを全部処理されました」
「溜まっていたことや、先の予定だったものも、賢者様の手はずで余裕があるくらい終わってします」
「モンスターなどの被害も特に入っていませんので、お二人ともお休み頂いて大丈夫です」
出来るなら、私のことを助けて欲しいと思ったが、それは無理らしい。再び私とレオ殿だけの会話に戻る。
「え、あのっ……」
「というわけです。いや~、俺。結構頑張ったんですよ? 一気に頭を使ったので、疲れました」
「レオ殿……?」
「さ! アラン様。今日から仲良く休みですね!」
そして私の手を取って、ニコニコと歩き出す。
「レオ殿!」
「アラン様、これから俺の家に泊まりに来て下さい」
話が速すぎる。賢者、もとい先のことを考える人たちは、こうも思考が速いものなのか? 急な申し出に、断ることも出来るはずだが、その表情が私から見ても嬉しそうなものだから。
(こんなに嬉しそうなのは、私と一緒にいられると思っているから……?)
自惚れていると思うが、そう思わずにはいられないほど、レオ殿は嬉しそうで。
「……分かりました。なら、着替えだけ取って来ても?」
「勿論です! じゃあ、俺。城の門で待っていますね」
「分かりました」
来たばかりの道を戻り。私は簡単に荷造りをして、レオ殿が待つ場所へと向かったのだった。
*******
お気に入り・エール・イイネ・コメント有難うございます!(⌒∇⌒)嬉しいです
一応、最終話になると思います。宜しくお願い致します
多分ギリ健全よりです
その日は、いつもと変わらない朝だった。
変わることがあるとすれば、私が寝不足なくらい。レオ殿とのことを考えて眠れず、最後は気を失うように眠ったんだと思う。まぁ、以前のように熱が籠って……なんてことはない。身体が火照ることはないし、本当にただの寝不足なだけだ。(体調管理という面では、良くないのだけれど)
こんな顔を見られてしまえば、またレオ殿に何か言われてしまうかもしれない。今日はレオ殿が文官殿たちのところにいませんように……と身支度を済ませ、いつものように朝一日の流れを確認するべく。私は文官殿たちのいる場所へと向かったわけだが……。
「おはようございます、アラン様。待っていましたよ」
「……おはようございます、レオ殿……」
いませんようにと思った時ほど、会うことが多い。朝一番、ニコリと微笑んだレオ殿が、入り口のところで私を待っていた。まるで中へ入ることを通せんぼするみたいに、ドンッと構えて。
「おや、アラン様。眼の下に隈がありますよ? 顔色は……まぁ、変な感じはしませんね。何か書物でも読んでましたか?」
レオ殿とのことを考えていたせいで寝不足です、なんて言えるはずも無く。
「ええ。久しぶりに夜時間が出来たので、読めていなかった本を読んだらつい夢中になってしまって。体調管理が大事だというのに、お恥ずかしい限りで……」
「まぁ、そういうことなら、良かったです」
「良かった? あの、ところで私か今日の確認があるので、中に……」
そう言えば、ブンブンとレオ殿が首を横に振った。
「入らなくて大丈夫です。アラン様は、今日から1週間休みです」
「え!?」
「ついでにいうと、俺も同じく休みです」
「え!?」
寝不足の頭が、まともに回転するには時間がかかる。しかも、だ。私もレオ殿も役職的に大事なものでは? と思うのだが……。
「休みなのは良いですが、一週間!? いくらなんでも、急すぎます。だ……大体、私はまだ休むなんて……! 続いてる仕事もあったのに……!」
「その辺は安心して下さい」
レオ殿が通せんぼする奥で、文官殿たちが顔を出して言った。
「賢者様が、残りを全部処理されました」
「溜まっていたことや、先の予定だったものも、賢者様の手はずで余裕があるくらい終わってします」
「モンスターなどの被害も特に入っていませんので、お二人ともお休み頂いて大丈夫です」
出来るなら、私のことを助けて欲しいと思ったが、それは無理らしい。再び私とレオ殿だけの会話に戻る。
「え、あのっ……」
「というわけです。いや~、俺。結構頑張ったんですよ? 一気に頭を使ったので、疲れました」
「レオ殿……?」
「さ! アラン様。今日から仲良く休みですね!」
そして私の手を取って、ニコニコと歩き出す。
「レオ殿!」
「アラン様、これから俺の家に泊まりに来て下さい」
話が速すぎる。賢者、もとい先のことを考える人たちは、こうも思考が速いものなのか? 急な申し出に、断ることも出来るはずだが、その表情が私から見ても嬉しそうなものだから。
(こんなに嬉しそうなのは、私と一緒にいられると思っているから……?)
自惚れていると思うが、そう思わずにはいられないほど、レオ殿は嬉しそうで。
「……分かりました。なら、着替えだけ取って来ても?」
「勿論です! じゃあ、俺。城の門で待っていますね」
「分かりました」
来たばかりの道を戻り。私は簡単に荷造りをして、レオ殿が待つ場所へと向かったのだった。
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お気に入り・エール・イイネ・コメント有難うございます!(⌒∇⌒)嬉しいです
一応、最終話になると思います。宜しくお願い致します
多分ギリ健全よりです
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