上 下
136 / 175

136】困ったことが出来てしまったので⑨

しおりを挟む
136】困ったことが出来てしまったので⑨

 甘イキした身体の余韻が、なかなか抜けない。火照るような熱が、身体を包むが嫌な火照りじゃない。快楽が残っているからだろうか。だが、快楽が残っているだけに燻ぶるように下半身の熱が引かないのも事実。
私一人では、まだ上手く自慰が出来ない。身体は熱を発散したいと訴えている。だが、レオ殿の手を借りるのはレオ殿のためにならない。どうしよう、どうしたら良い? そんなことをグルグルと考えていれば、私の考えなどお見通しだと顔を近づけ耳元で囁いた。

「何考えているんですか? 勝手に俺のためだとか考えてたら違いますよ? 俺としては、アラン様に触れさせて貰いたいんですけど」

ちゅっ、とまた頬に触れるだけの口づけをして言葉を続けた。

「俺に、アラン様に触れて良い許可を下さいよ」

「や、だって……それは……♡」

「このままで良いんですか?」

私も騎士団長らしくない姿ではあるが、レオ殿も賢者らしからぬ物言いだと思った。

「アラン様が許可をくれないなら、俺はこのままアラン様を見ながら俺もオナニーしますけど?」

「なんっ……ぁ……♡」

「分かります? これ」

そう言って、レオ殿が身体も近づけたかと思えば伸びるだけの私の腕を取って、自身の身体に触れさせた。触れた個所は、肩なんかじゃない。手の平が触れた個所は、とてもデリケートな場所。自身が丸だしにしているペニスのある下半身で、布越しからも分かるほどレオ殿の下半身も反応しているのが分かった。

「ぇ、あ……っ!?♡」

他者のペニスに触れたことは、一度もない。まして、こんなに反応しているものになんて。私と違ってレオ殿は、顔色一つ変えない。それどころか、耳元で続けて囁いた。

「俺、この前アラン様をオカズにしてオナニーしましたよ」

小さな耳穴が、吹きかけられる言葉と吐息に震える。

(私を……レオ殿がオカズに……?♡)

確かに好きだと言われたが、本当に私を「そんな目」で見ていただなんて。疑いはしていなかったが、自身が性的対象に見えるとまでは考えていなかった。その間も手の平は、グイグイとレオ殿の下半身に触れる。押し当てられるにレオ殿の腰が振れて、連動するように私の腰もヘコッ♡と揺れた。

「レオ殿が……?」

「ええ。俺もオナニーくらいしますよ。アラン様に触れたいと思いながら厭らしくてスケベなアラン様の姿を想像してオナニーしました。俺は、ちゃんと射精できるんで、思いっきりザーメンを射精してね」

「……ぉ゛っ♡あ……♡」

(そんな……♡)

グリグリとレオ殿の亀頭と思われる感触を直に感じて、なぜだか私の方が感じ入る声を漏らしてしまう。

「あーあ。でもしょうがないですね。アラン様は俺にオナニー見せに来ただけだし。俺はまだ許可貰えてないワケだし……」

駄目だとか、どうしようだとか。気持ち良くなりたいだとか。
頭の隅にあった理性も、とうとう影を潜め。快楽に飲まれた頭は、私の身体を支配して欲望のままに動かした。まずは、レオ殿の下半身に触れている手の平に力が入る。手の平を広げ、指を動かし。レオ殿のペニスを撫でたあと、最初こそ小さく。だが、腹の下に力を込めて、だんだんと大きな声で言った。


「……て♡」

「ん?」

「レオ殿、私に触って下さい……♡」

「触って良い許可くれるんですか? ああ、そうだ。俺がどんな風にアラン様に触っても怒らないで下さいね?」

確認を取るレオ殿の「どんな風に」という言葉は気になったが、それよりも一人でレオ殿が自慰。オナニーするくらいなら私に触れて欲しいと思った。

「はい……♡怒らないので、そのっ……イ……イカせて下さい……♡」


*****
更新できました!エール下さる方、有難うございます(^^)
来週から繁忙のため、更新頻度落ちると思います><
出来るだけ頑張りたいと思いますが、時間が……! ネタが……!(アツー─!)
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

処理中です...