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128】困ったことが出来てしまったので
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128】困ったことが出来てしまったので
困った。上手く自慰が出来ない。そう自覚して、暫く経った。
以前よりも自慰をする回数は増えたが、レオ殿に許可なく私に触れてはいけないとルールを決めてから、そういった事は二人でしていない。それでも、城で会えば誰もいないことを確認し、意味ありげに身体の接触はあった。(主にレオ殿が私に触れてきた)
『レオ殿……』
私が名前を呟くだけで、「ああ」と気づいた素振りを見せるレオ殿。
『これ以上は駄目ですね。すみません、では俺はこれで』
挨拶ですと口づけたりするくせに、以前のように行為を続けることはしない。 ギリギリの接触のまま一線を越えることは無く、ただレオ殿が楽しそうに私の身体に触れるだけ。
いや、良いことなのだろうが、難しい。私から言っておいてなんだが、この状態は正直生殺しに近かった。
おかげで昨日だって自慰をしたのに、上手く発散できずにいる。少しずつ発散しきれない熱が、身体の中に溜まっていく。それだけは分かった。
(まずい。このままでは、また体調に支障をきたしてしまうぞ)
ふーっ……と溜息が出そうになる。
体調管理は大切なこと。また熱の籠った顔で城中を歩くのは、私としても本意ではない。もう背に腹は代えられないと、私は腹を括った。
「レオ殿」
「おはようございます、アラン様。どうしましたか?」
朝、文官殿たちのところにいたレオ殿を捕まえる。
爽やかな朝に、爽やかな笑顔。普段は思わないが、僅かに人の気も知らないでと思ってしまった。
「アラン様?」
「レオ殿、今日は何か予定はありますか?」
私の言葉に、うーんと考える素振りを見せるレオ殿。
「俺は、午前の王様との世間話だけですね。アラン様は、どうですか?」
「私はお昼まで騎士団員たちの稽古をつけるだけです」
「そうですか。俺の予定は大丈夫ですが、どうしましたか?」
「ああ、その……」
「そういうことがしたいです」とは言ったらよいかと言葉を探す。
「相談している件で……相談したいことが……」
「ああ……!」
ニコリとまた笑って、周囲の文官殿たちに聞こえないように顔を近づけて囁いた。
「オナニーを見て欲しいと?」
耳元で聞こえる声色と言い方に、行為を思い出してしまう。ブワッ……! と身体が熱くなるのが分かったが、まだ仕事中だ。
「レオ殿……!」
近くにあるレオ殿を顔を見上げれば、ゆっくりとレオ殿の身体が離れていった。
「冗談ですよ。分かりました。でしたら、仕事が終わったら俺の家はどうですか?」
「分かりました」
「いつも貰ってばかりで悪いので、手土産とかも要りませんからね」
「う……っ」
「いいですね? 身体一つで来てくださいよ。じゃないと家には入れませんから」
「分かりました」
じゃあ、これで……と互いに仕事へと向かおうとすれば、また思い出したようにレオ殿が最後に私の手首を掴み。離れたというのに、また耳元で囁いた。
「今日は俺、許可貰えます?」
「~~っ、知りません!」
貰えますよ、と何となく言いたくなくて。つい強がって、レオ殿と反対の方へと歩いて行った。
*********
何とか更新できましたーー!!
困った。上手く自慰が出来ない。そう自覚して、暫く経った。
以前よりも自慰をする回数は増えたが、レオ殿に許可なく私に触れてはいけないとルールを決めてから、そういった事は二人でしていない。それでも、城で会えば誰もいないことを確認し、意味ありげに身体の接触はあった。(主にレオ殿が私に触れてきた)
『レオ殿……』
私が名前を呟くだけで、「ああ」と気づいた素振りを見せるレオ殿。
『これ以上は駄目ですね。すみません、では俺はこれで』
挨拶ですと口づけたりするくせに、以前のように行為を続けることはしない。 ギリギリの接触のまま一線を越えることは無く、ただレオ殿が楽しそうに私の身体に触れるだけ。
いや、良いことなのだろうが、難しい。私から言っておいてなんだが、この状態は正直生殺しに近かった。
おかげで昨日だって自慰をしたのに、上手く発散できずにいる。少しずつ発散しきれない熱が、身体の中に溜まっていく。それだけは分かった。
(まずい。このままでは、また体調に支障をきたしてしまうぞ)
ふーっ……と溜息が出そうになる。
体調管理は大切なこと。また熱の籠った顔で城中を歩くのは、私としても本意ではない。もう背に腹は代えられないと、私は腹を括った。
「レオ殿」
「おはようございます、アラン様。どうしましたか?」
朝、文官殿たちのところにいたレオ殿を捕まえる。
爽やかな朝に、爽やかな笑顔。普段は思わないが、僅かに人の気も知らないでと思ってしまった。
「アラン様?」
「レオ殿、今日は何か予定はありますか?」
私の言葉に、うーんと考える素振りを見せるレオ殿。
「俺は、午前の王様との世間話だけですね。アラン様は、どうですか?」
「私はお昼まで騎士団員たちの稽古をつけるだけです」
「そうですか。俺の予定は大丈夫ですが、どうしましたか?」
「ああ、その……」
「そういうことがしたいです」とは言ったらよいかと言葉を探す。
「相談している件で……相談したいことが……」
「ああ……!」
ニコリとまた笑って、周囲の文官殿たちに聞こえないように顔を近づけて囁いた。
「オナニーを見て欲しいと?」
耳元で聞こえる声色と言い方に、行為を思い出してしまう。ブワッ……! と身体が熱くなるのが分かったが、まだ仕事中だ。
「レオ殿……!」
近くにあるレオ殿を顔を見上げれば、ゆっくりとレオ殿の身体が離れていった。
「冗談ですよ。分かりました。でしたら、仕事が終わったら俺の家はどうですか?」
「分かりました」
「いつも貰ってばかりで悪いので、手土産とかも要りませんからね」
「う……っ」
「いいですね? 身体一つで来てくださいよ。じゃないと家には入れませんから」
「分かりました」
じゃあ、これで……と互いに仕事へと向かおうとすれば、また思い出したようにレオ殿が最後に私の手首を掴み。離れたというのに、また耳元で囁いた。
「今日は俺、許可貰えます?」
「~~っ、知りません!」
貰えますよ、と何となく言いたくなくて。つい強がって、レオ殿と反対の方へと歩いて行った。
*********
何とか更新できましたーー!!
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