124 / 175
124】久しぶりに謁見してみたら③
しおりを挟む
124】久しぶりに謁見してみたら③
「レオと恋バナがしたかったのに……!」と拗ねた様子で話す王様。レオ殿の評価をしつつ、私と恋バナをしようとしているのか、レオ殿から聞いた話を私に語っていた。だが、私が話して良いことでもない。
「そうか……しかし気になるのぅ。レオの奴、見てくれも良く、仕事も出来るじゃろ? 浮いた話は無くとも、お主と同じで懸想している者が多いというのに……レオを断るとは」
王様は、レオ殿が好きな相手が気になるらしい。
(ううっ゛……。恐らく……いや、自分で言うのも何ですが、その相手は私です。王様……!)
ぐぅぅぅ……! と思いながら、何とも言えず。思わず力を込めて目を瞑ってしまう。
(それから、レオ殿の告白は断ってないです……!)
「しかもじゃ。あの様子だと、レオの奴。相当入れ込んでおる。諦める様子がないから、長期戦じゃろうなぁ……ん? アランよ、どうした? 顔が赤いぞ?」
「あ、いえ……! なんでもありません……」
(長期戦……)
王様の話を聞きながら、レオ殿が私に対してどういう風に思っているのか。どことなく聞いてしまい、聞いていて恥ずかしくなってしまった。
(確かに王様が言う通り、諦める様子は無さそうだったなぁ)
それどころか、自信満々で。
『俺、絶対アラン様に好きになってもらうんで』
そう言ったレオ殿。
(私がレオ殿のことを好きになる……?)
──────ドキン。
また胸の奥でドキンと鳴ったが、何故だろう? レオ殿のことを思うと、こうして知らない音がする。
「王様。言いにくいですが、レオ殿本人以外に、このような話はあまり宜しくないかと……レオ殿が聞いたら、怒りますよ」
「そうじゃな。確かに、レオの耳に入れば怒られてしまうわい。すまぬ。人の恋を本人がいないのに言うのは悪かったの」
「そうですね」
「それじゃあ……」
レオ殿がいないのに、人の色恋を言うのは良くない。それに、私としても身が持たない。こう……心苦しいというのか。
王様もレオ殿については話を終えて別の話に変わろうとしたが、やはり恋バナというものをしたかったらしい。
「アランよ。お主は誰かに恋しておらぬのか?」
「え!? わ、私ですか!?」
「そうじゃ。この場にいるのは、ワシとお主だけじゃし。どうじゃ?」
「私はまだ、そのっ……好きという感情がよく分からないので……。有難い申し出も、お断りしてますので」
「はぁ……。アランよ、お主は難しく考え過ぎじゃ。そんな好きなんて気持ち、分からないもないんじゃぞ。定義なんてどこにもないからの。アランよ、文武両道を真面目にするのは良いが、肩の力を抜いてみるのも良いことじゃぞ。それこそ、レオに聞いてみると良い」
「そうですか……」
「そんなものじゃ」
「有難うございます。勉強になりました」
「ふぉふぉ。のぅ、今の会話、恋バナっぽくなかったかのぅ?」
「そうですね」
ふふっ、と思わず二人して笑ってしまった。
■久しぶりに謁見してみたら■
王様と「恋バナ」なるものをすることになった。
*****
お気に入り有難うございます!嬉しいです(^^)
「くっコロ~」と同じ数になりました!自己ベスト更新出来るようにしたいです(笑)
前の話にラッパ?の反応有難うございます!
毎回いっていますが、毎回次の話が白紙でorz
「レオと恋バナがしたかったのに……!」と拗ねた様子で話す王様。レオ殿の評価をしつつ、私と恋バナをしようとしているのか、レオ殿から聞いた話を私に語っていた。だが、私が話して良いことでもない。
「そうか……しかし気になるのぅ。レオの奴、見てくれも良く、仕事も出来るじゃろ? 浮いた話は無くとも、お主と同じで懸想している者が多いというのに……レオを断るとは」
王様は、レオ殿が好きな相手が気になるらしい。
(ううっ゛……。恐らく……いや、自分で言うのも何ですが、その相手は私です。王様……!)
ぐぅぅぅ……! と思いながら、何とも言えず。思わず力を込めて目を瞑ってしまう。
(それから、レオ殿の告白は断ってないです……!)
「しかもじゃ。あの様子だと、レオの奴。相当入れ込んでおる。諦める様子がないから、長期戦じゃろうなぁ……ん? アランよ、どうした? 顔が赤いぞ?」
「あ、いえ……! なんでもありません……」
(長期戦……)
王様の話を聞きながら、レオ殿が私に対してどういう風に思っているのか。どことなく聞いてしまい、聞いていて恥ずかしくなってしまった。
(確かに王様が言う通り、諦める様子は無さそうだったなぁ)
それどころか、自信満々で。
『俺、絶対アラン様に好きになってもらうんで』
そう言ったレオ殿。
(私がレオ殿のことを好きになる……?)
──────ドキン。
また胸の奥でドキンと鳴ったが、何故だろう? レオ殿のことを思うと、こうして知らない音がする。
「王様。言いにくいですが、レオ殿本人以外に、このような話はあまり宜しくないかと……レオ殿が聞いたら、怒りますよ」
「そうじゃな。確かに、レオの耳に入れば怒られてしまうわい。すまぬ。人の恋を本人がいないのに言うのは悪かったの」
「そうですね」
「それじゃあ……」
レオ殿がいないのに、人の色恋を言うのは良くない。それに、私としても身が持たない。こう……心苦しいというのか。
王様もレオ殿については話を終えて別の話に変わろうとしたが、やはり恋バナというものをしたかったらしい。
「アランよ。お主は誰かに恋しておらぬのか?」
「え!? わ、私ですか!?」
「そうじゃ。この場にいるのは、ワシとお主だけじゃし。どうじゃ?」
「私はまだ、そのっ……好きという感情がよく分からないので……。有難い申し出も、お断りしてますので」
「はぁ……。アランよ、お主は難しく考え過ぎじゃ。そんな好きなんて気持ち、分からないもないんじゃぞ。定義なんてどこにもないからの。アランよ、文武両道を真面目にするのは良いが、肩の力を抜いてみるのも良いことじゃぞ。それこそ、レオに聞いてみると良い」
「そうですか……」
「そんなものじゃ」
「有難うございます。勉強になりました」
「ふぉふぉ。のぅ、今の会話、恋バナっぽくなかったかのぅ?」
「そうですね」
ふふっ、と思わず二人して笑ってしまった。
■久しぶりに謁見してみたら■
王様と「恋バナ」なるものをすることになった。
*****
お気に入り有難うございます!嬉しいです(^^)
「くっコロ~」と同じ数になりました!自己ベスト更新出来るようにしたいです(笑)
前の話にラッパ?の反応有難うございます!
毎回いっていますが、毎回次の話が白紙でorz
2
お気に入りに追加
299
あなたにおすすめの小説
平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます
ふくやまぴーす
BL
旧題:平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます〜利害一致の契約結婚じゃなかったの?〜
名前も見た目もザ・平凡な19歳佐藤翔はある日突然初対面の美形双子御曹司に「自分たちを助けると思って結婚して欲しい」と頼まれる。
愛のない形だけの結婚だと高を括ってOKしたら思ってたのと違う展開に…
「二人は別に俺のこと好きじゃないですよねっ?なんでいきなりこんなこと……!」
美形双子御曹司×健気、お人好し、ちょっぴり貧乏な愛され主人公のラブコメBLです。
🐶2024.2.15 アンダルシュノベルズ様より書籍発売🐶
応援していただいたみなさまのおかげです。
本当にありがとうございました!

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
おかわり
ストロングベリー
BL
恐ろしいほどの美貌と絶品の料理で人気のカフェバーのオーナー【ヒューゴ】は、晴れて恋人になった【透】においしい料理と愛情を注ぐ日々。
男性経験のない透とは、時間をかけてゆっくり愛し合うつもりでいたが……透は意外にも積極的で、性来Dominantなヒューゴを夜ごとに刺激してくる。
「おいしいじかん」の続編、両思いになった2人の愛し合う姿をぜひ♡

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?
下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。
そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。
アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。
公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。
アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。
これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。
小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。
Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜
天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。
彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。
しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。
幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。
運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる