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102】思い出してしまった

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102】思い出してしまった

 あれから────。
レオ殿が、私に怒って去ってからまともに顔を合わせていない。たまに文官殿たちのところで後ろ姿を見つけたが、声をかけられなかった。

(今までであれば、レオ殿の方から私に声を掛けてくれていたのに)

そうしないということは、私と関わりたくないのだろうと思う。それならば、声をかけないのがレオ殿のためだ。これ以上、嫌われたくはない。そうしているうちに、時間だけは過ぎていく。

「そういえばアラン様。最近は、賢者様とご一緒ではないんですね」

ふと文官殿がそんなことを言った。私は嫌われてしまったので、なんて言えるはずもない。

「ああ……そうですね。レオ殿も、お忙しい方ですから」

そう誤魔化すのが精一杯。これ以上レオ殿の話をされては困ると、私は話の話題を変えてみたりしていた。レオ殿のことを考えることを止めようと、一層仕事に打ち込む日々。部屋に戻る頃には夜になっていて、一日が終わる。

「……」

静かな部屋。疲れた身体を、ベッドに沈めるだけの日々。

「…………以前の生活に戻っただけじゃないか」

自分に言い聞かせるように呟いた。レオ殿と親しくなる前に戻っただけの生活だ。そういえば、自慰はしていない。疲れていても、気にし出してしまえば溜まるものは溜まるわけで。

(生理現象とはいえ、自分の身体のあさましさが嫌になるな)

ベッドに腰かけなおして、自身の下半身へと腕を伸ばす。長く溜息をつきながら、シュルリと布が擦れる音がする。すぐにボロンと自身のペニスが現れて、仕方ないと握ったペニスを扱いみた。

ギュッ……シュコッ。シュッ、シュコッ。

「……っ」

渇いた皮膚のペニスを扱くのは、僅かに痛みがあった。業務的な処理だと扱き続けるが、以前のような先走りもなければ、気持ち良いと感じることもない。悩みだと思っていた時に完全に戻ってしまっている。

シュッ……シュッ……シュッ……。

「駄目だ……」

扱く手は、やる気を無くしたように段々と止まっていった。確かに止まったのに、だ。


「レオ殿じゃないと……」

レオ殿。その名前一つで、私の身体がレオ殿に教えられた快楽を思い出したようにピクリと身体が反応を示し出す。一度手を離したペニスもピクリと震え、私は罪悪感を覚えつつもう一度自慰を行うことにした。

「……っ、レオ殿」

『アラン様』

「レオ殿……レオ殿……!」

シュッ……シュッ……♡ シュッ……!!♡♡

頭の中に思い出して想像するのは、レオ殿に自慰を手伝って貰うこと。私の都合が良い妄想で、自慰を行う私。

『アラン様は、可愛いですね。こういう時、何て言うんでしたっけ?』

「ぁ♡……あ……っ♡」

『アラン様』

「き……もち……良い、で……す……♡」

頭の中、身体が思い出してしまった。

**********
【宣伝】Pixiv更新しました
え~ん、全然予定と違う感じに進んでいてどうしよう状態(´;ω;`)
この後シリーズを最終回にしようかと、力技で進めるかもしれません><
せめて別シリーズ開始したくらいに終わらせたいけど、どうなるのか…その前に、これも詰んだのでどうなるのか
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感想 4

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