【完結・BL】騎士団長様は「とある悩み」を解消したい!【賢者×騎士団長】

彩華

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98】友人と二人で過ごす日のこと②

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98】友人と二人で過ごす日のこと②

 天気は快晴。気温も薄着でも過ごしやすく、心地よい。休日を過ごすには、もってこいの日だといえよう。街中も変わらず人々は笑顔で、私に声をかけてくれる。良い国だとナイト殿にも言われ、嬉しいと思う。だがそんな時だ。「アラン様」と名前を呼ばれたかと思えば、身体を引っ張るように手を引かれていた。

「良ければ、私はアラン殿と二人きりになりたいのですが」

ちゅっ、と一瞬だけ触れるだけの口づけを私の手の甲へ落としてナイト殿が言った。その動作が、どこかレオ殿に似ていて考えないようにしていたのに思い出してしまう。

(今はナイト殿と過ごしているのに)

「アラン殿?」

首を傾げたナイト殿の一つに括った長髪が、サラリと揺れた。

「す……、すみません。ナイト殿があまりに恰好良いので、見惚れてしまいました……」

半分本当で、半分嘘。見惚れながら、思い出してしまった別の顔を思い出してしまったことは口に出さず。笑ってみたが、私は上手く誤魔化せているだろうか。ナイト殿が何も言わず、取った手から力を緩める。名残惜しそうに最後に指先を撫でるように触れて、私の手からレオ殿の手が離れた。

「そうですね、静かな場所に行きましょうか。森は……少し遠いので、良ければ私の部屋に来ませんか?」

森の奥には、レオ殿の家がある。万が一出会ってしまったらと思い、ナイト殿を案内する選択肢から外してしまった。他に二人きりになれる場所といえば、私の部屋しかない。人を招いたことは無いが、まぁ仕方ない。

「せっかく天気が良いのに、室内に招待するのは心苦しいですが、どうしても人目についてしまうので嫌でなければですが」

「喜んで。アラン殿のお部屋を訪れるのは、初めてなので招待してくれて嬉しいです」

「良かったです。では、私の家は城の中にあるので、来てください。城につくまでは、散歩気分で行きましょうか」

さぁ、と一歩前に出ればナイト殿が私の隣に並ぶ。それから「アラン殿」と声を掛けられ、ナイト殿を見れば「手を繋いでも?」とナイト殿の指先が絡んだ。また私の頭の中に、レオ殿の顔が浮かぶ。別に悪いことをしているわけでもないのに、何となく罪悪感を感じつつ。

「良いですよ。少し、ドキドキしますね」

「そうですね」

ナイト殿は、こんな風にスキンシップする人だったろうか? と思いつつも、私は手を振る解くことはなかった。

(レオ殿と、手の大きさも体温も違うなぁ)

考えないようにと思いつつ、また無意識に私はナイト殿とレオ殿を比べ。考えるのを止めようと思っていたレオ殿のことばかり思い出してしまった。

(私はまた、レオ殿に会うことが出来るのだろうか)

チクリと胸が痛んだが、今は考えるのを止めた。

***********
お気に入り有難うございます(^^)嬉しいです
ちょっと手を出させるか、何もなしで終わるか。うーーーーーーん
多分短い予定なのですぐ終わるかと思います。多分
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