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76】珍しくレオ殿の様子がおかしい⑤
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76】珍しくレオ殿の様子がおかしい⑤
「レオ殿! 起きて下さい!」
まるで母親が子供を起こすようにして、酔いつぶれてしまったレオ殿を起こした。初めて見る姿に、レオ殿も大変なんだなぁと思いながらも、テーブルで眠ってしまっては風邪をひいてしまう。なんとか起こし、洗面台へ。歯を磨くにも、素直に磨いてくれず。どうにかこうにか、磨き終えたかと思えば「褒めてくれ」と言われる始末。
「どうです? ちゃんと歯を磨きましたよ。褒めて下さい」
「……」
まだ酔いは残っているらしい。レオ殿の頭を撫でてみれば、レオ殿が嬉しそうな顔をした。
(子供みたいだ)
あまり見ない一面に、不覚にも可愛いと思いつつ。流されてはいけないと、「レオ殿」と名前を呼んだ。
「レオ殿、寝室はどこですか?」
「アラン様、俺の寝室に興味があるんですか?」
「違いますよ! レオ殿を眠らせるだけです!」
「えー……」
グリグリと頭を私の肩に押し付けて、もっと撫でろというような素振りを見せたが甘やかしてはいけない。今頭を撫でてしまえば、きっと寝室に行くまで時間がかかってしまう。
「レオ殿。早く寝て下さい」
「……そこの角を右に曲がってすぐです」
ズルズルとレオ殿を支えつつ、また部屋を移動する。脱力しつつある身体を支えるのは、やはり力がいるので鍛えることを怠らないようにしようと思いつつ言われた部屋へ。どうにかこうにか扉を開けると、ベッドと小さな机に椅子。それから気に入っている本だろうか。いつもいる部屋よりも少ないが、分厚い本が何冊か机の上に置いてあった。
「着きましたよ、レオ殿。さぁ、ベッドです。ゆっくり寝て……うわっ……!」
靴を脱がせ、子供を寝かしつけるようにレオ殿をベッドに寝かせようとすると、引きずり込まれるように腕を引かれた。咄嗟に受け身は取ったが、ベッドから抜け出すことが出来ない。
「ちょっ、レオ殿! レオ殿! 離して下さい!」
「駄目です。アラン様、このまま俺のベッドで一緒に寝ましょうよ。ね? ていうか、離しませんし」
大きなベッドではあるだろうが、流石に成人男性二人は窮屈だ。ジタバタとしていると靴が脱げ。
「靴抜げました? なら丁度良いじゃないですか」
「良くないです!」
レオ殿! と名前を呼ぼうとすれば、また「ちゅっ」と短くレオ殿が頬に口づけて。
「おやすみなさい、アラン様」
また嬉しそうな顔をするものだから、私は何も言えず。
(そういえば、誰かと一緒に寝るのは何年ぶりだろうか)
野営などとは違う。穏やかに眠る夜は、子供の頃以来だろうか。
記憶を遡ろうにも、また瞼を閉じていたレオ殿につられるように、私も気づけは静かに瞳を閉じていくのだった。
(温かい……眠ってしまう……)
そのまま。
気が付いて目が覚めれた時は、次の日の朝だった。
**********
とりあえず、この話は終わりです(^^)
「レオ殿! 起きて下さい!」
まるで母親が子供を起こすようにして、酔いつぶれてしまったレオ殿を起こした。初めて見る姿に、レオ殿も大変なんだなぁと思いながらも、テーブルで眠ってしまっては風邪をひいてしまう。なんとか起こし、洗面台へ。歯を磨くにも、素直に磨いてくれず。どうにかこうにか、磨き終えたかと思えば「褒めてくれ」と言われる始末。
「どうです? ちゃんと歯を磨きましたよ。褒めて下さい」
「……」
まだ酔いは残っているらしい。レオ殿の頭を撫でてみれば、レオ殿が嬉しそうな顔をした。
(子供みたいだ)
あまり見ない一面に、不覚にも可愛いと思いつつ。流されてはいけないと、「レオ殿」と名前を呼んだ。
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「違いますよ! レオ殿を眠らせるだけです!」
「えー……」
グリグリと頭を私の肩に押し付けて、もっと撫でろというような素振りを見せたが甘やかしてはいけない。今頭を撫でてしまえば、きっと寝室に行くまで時間がかかってしまう。
「レオ殿。早く寝て下さい」
「……そこの角を右に曲がってすぐです」
ズルズルとレオ殿を支えつつ、また部屋を移動する。脱力しつつある身体を支えるのは、やはり力がいるので鍛えることを怠らないようにしようと思いつつ言われた部屋へ。どうにかこうにか扉を開けると、ベッドと小さな机に椅子。それから気に入っている本だろうか。いつもいる部屋よりも少ないが、分厚い本が何冊か机の上に置いてあった。
「着きましたよ、レオ殿。さぁ、ベッドです。ゆっくり寝て……うわっ……!」
靴を脱がせ、子供を寝かしつけるようにレオ殿をベッドに寝かせようとすると、引きずり込まれるように腕を引かれた。咄嗟に受け身は取ったが、ベッドから抜け出すことが出来ない。
「ちょっ、レオ殿! レオ殿! 離して下さい!」
「駄目です。アラン様、このまま俺のベッドで一緒に寝ましょうよ。ね? ていうか、離しませんし」
大きなベッドではあるだろうが、流石に成人男性二人は窮屈だ。ジタバタとしていると靴が脱げ。
「靴抜げました? なら丁度良いじゃないですか」
「良くないです!」
レオ殿! と名前を呼ぼうとすれば、また「ちゅっ」と短くレオ殿が頬に口づけて。
「おやすみなさい、アラン様」
また嬉しそうな顔をするものだから、私は何も言えず。
(そういえば、誰かと一緒に寝るのは何年ぶりだろうか)
野営などとは違う。穏やかに眠る夜は、子供の頃以来だろうか。
記憶を遡ろうにも、また瞼を閉じていたレオ殿につられるように、私も気づけは静かに瞳を閉じていくのだった。
(温かい……眠ってしまう……)
そのまま。
気が付いて目が覚めれた時は、次の日の朝だった。
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とりあえず、この話は終わりです(^^)
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