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48】近況報告のつもりが、別の話になっていた
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48】近況報告のつもりが、別の話になっていた
暫くレオ殿に会う機会が無く。
気にしていた胸部の腫れも引き、以前のような身体に戻った。ホッと胸を撫で下ろし、安心しながら日々を過ごしていた頃、王様に呼ばれた。
一体何だろう? と気になりつつ、王の間へと向かう。警備の扉は重々ながら、部屋に入れば王様一人。以前伺った際はレオ殿がいたので、ついどこかに隠れていないか探してしまった。
(今日は、来ていらっしゃらないようだな)
残念なような、安堵したような。不思議な感じを抱えつつ、私は王様へ謁見した。
「王様、お呼びでしょうか?」
「おぉ、アランよ。常日頃、変わらず我が国のため、民のため。責務を果たしてくれ有難う」
「いえ、恐れ多きお言葉。私はただ、騎士団長として当然のことをしているまでですので」
「変わらず義理堅く、礼儀正しい奴じゃ。ところでアランよ、顔を見せよ」
「はっ!」
深々と上げていた顔を上げれば、王様と目が合った。穏やかそうに微笑む王様は、嬉しそうにしている。
「お主の顔が、以前よりもほころんで見えるのぅ」
「ほころんで……?」
「ああ。最初悩みの噂が流れた時は、どうしたものかと思ったがアヤツ。レオに任せて良かったようじゃの。じゃがレオの奴め、お主に失礼なことばかりしておらぬか? 一応、城内では見かけは賢者らしいのじゃが、あの様子じゃろう……?」
「確かに……最初は驚きましたが、私には新鮮なタイプで新たな発見があります。それに、流石賢者様です。私が知らないことを、沢山教えて下さいます」
「そうじゃの。そこは賢者らしく、知識は豊富だとワシも認めておる」
嘘は言っていない。本当に私は嘘を言っていない。
「じゃが……お主の悩みは解決していないと聞く。難儀よのぅ」
「せっかくお気遣い頂いたのに、申し訳ありません」
「いや、良いのじゃ。レオの奴も、ワシの嬉しそうに話しておったからの。お主の悩みを解決は絶対に自分がすると言って聞かぬは」
ははっ、と笑った王様。
「それから……そうじゃの。ワシがレオを案内しておいてなんじゃが、アランよ。気をつけるんじゃぞ?」
「気を付ける? とは……?」
レオ殿は、一部を除けば紳士的だと思う。一部、というのは私が指南・指導をして貰っている自慰に関してはその……っ意地悪だと思うが、危険ということはないだろう。だが、王様自身が「気をつけろ」と一体?
「レオ殿は、別段危険な様子はございませんが? もしや……何かの疑いが?」
もしそうであれば、レオ殿を信じたいのは山々だが私は騎士団長だ。躊躇することなく、剣を振るうまで。一気に空気がピリッとして、私自身も気が引き締まる思いになる。
「アランよ。そのような顔をするな。お主にそのような険しい顔をさせるような話ではない。安心せい。レオも立場は違えど、素直ではないがこの国を愛している男だとワシは知っておる」
「そうですか。私の剣で、レオ殿を傷つけることがないようで、安心致しました」
「ワシが心配しているのは、ああ見えてレオは子供っぽくてな。そういったところを気をつるんじゃという意味だったのだ」
「そうなんですね。ふふっ、確かに。王様がおっしゃる通り、レオ殿は子供っぽいところがありますね」
「そうじゃろう?」
「あ! 王様。私が話したことは、レオ殿には秘密でお願いしますね?」
「……善処しよう」
善処、というのは恐らくレオ殿が何かを聞きつけて王様へ聞いてくることがあるんだろうなぁと推測出来てしまった。この場にいなくても、その存在の大きさに改めにレオ殿の存在感を確認したのだった。
*********
お気軽に感想など頂けると嬉しいです><
暫くレオ殿に会う機会が無く。
気にしていた胸部の腫れも引き、以前のような身体に戻った。ホッと胸を撫で下ろし、安心しながら日々を過ごしていた頃、王様に呼ばれた。
一体何だろう? と気になりつつ、王の間へと向かう。警備の扉は重々ながら、部屋に入れば王様一人。以前伺った際はレオ殿がいたので、ついどこかに隠れていないか探してしまった。
(今日は、来ていらっしゃらないようだな)
残念なような、安堵したような。不思議な感じを抱えつつ、私は王様へ謁見した。
「王様、お呼びでしょうか?」
「おぉ、アランよ。常日頃、変わらず我が国のため、民のため。責務を果たしてくれ有難う」
「いえ、恐れ多きお言葉。私はただ、騎士団長として当然のことをしているまでですので」
「変わらず義理堅く、礼儀正しい奴じゃ。ところでアランよ、顔を見せよ」
「はっ!」
深々と上げていた顔を上げれば、王様と目が合った。穏やかそうに微笑む王様は、嬉しそうにしている。
「お主の顔が、以前よりもほころんで見えるのぅ」
「ほころんで……?」
「ああ。最初悩みの噂が流れた時は、どうしたものかと思ったがアヤツ。レオに任せて良かったようじゃの。じゃがレオの奴め、お主に失礼なことばかりしておらぬか? 一応、城内では見かけは賢者らしいのじゃが、あの様子じゃろう……?」
「確かに……最初は驚きましたが、私には新鮮なタイプで新たな発見があります。それに、流石賢者様です。私が知らないことを、沢山教えて下さいます」
「そうじゃの。そこは賢者らしく、知識は豊富だとワシも認めておる」
嘘は言っていない。本当に私は嘘を言っていない。
「じゃが……お主の悩みは解決していないと聞く。難儀よのぅ」
「せっかくお気遣い頂いたのに、申し訳ありません」
「いや、良いのじゃ。レオの奴も、ワシの嬉しそうに話しておったからの。お主の悩みを解決は絶対に自分がすると言って聞かぬは」
ははっ、と笑った王様。
「それから……そうじゃの。ワシがレオを案内しておいてなんじゃが、アランよ。気をつけるんじゃぞ?」
「気を付ける? とは……?」
レオ殿は、一部を除けば紳士的だと思う。一部、というのは私が指南・指導をして貰っている自慰に関してはその……っ意地悪だと思うが、危険ということはないだろう。だが、王様自身が「気をつけろ」と一体?
「レオ殿は、別段危険な様子はございませんが? もしや……何かの疑いが?」
もしそうであれば、レオ殿を信じたいのは山々だが私は騎士団長だ。躊躇することなく、剣を振るうまで。一気に空気がピリッとして、私自身も気が引き締まる思いになる。
「アランよ。そのような顔をするな。お主にそのような険しい顔をさせるような話ではない。安心せい。レオも立場は違えど、素直ではないがこの国を愛している男だとワシは知っておる」
「そうですか。私の剣で、レオ殿を傷つけることがないようで、安心致しました」
「ワシが心配しているのは、ああ見えてレオは子供っぽくてな。そういったところを気をつるんじゃという意味だったのだ」
「そうなんですね。ふふっ、確かに。王様がおっしゃる通り、レオ殿は子供っぽいところがありますね」
「そうじゃろう?」
「あ! 王様。私が話したことは、レオ殿には秘密でお願いしますね?」
「……善処しよう」
善処、というのは恐らくレオ殿が何かを聞きつけて王様へ聞いてくることがあるんだろうなぁと推測出来てしまった。この場にいなくても、その存在の大きさに改めにレオ殿の存在感を確認したのだった。
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