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26】久しぶりのモンスター退治④
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26】久しぶりのモンスター退治④
広い部屋、大きなテーブルの上に、隅々まで並ぶご馳走。
部屋にいるのは、文官殿と私たち騎士団員達。重々しい空気はなく、これから宴だと空気は明るく。皆今か今かと、私の言葉を待っていた。
「皆、この料理の数々は文官殿たちからの計らいで準備して頂いた! 代表して、私からお礼申し上げます。また、皆にも。今回、予想以上の数のスライムを駆除。退治できたのは、皆の力があってこそだ。常日頃、真面目に訓練をしている成果だと思う。私も誇らしく嬉しい。おっと……長い話は良くないな。では、皆の検討と今回の任務の成功を祝して、乾杯!」
「「「「「乾杯!」」」」」
ゴン、と木製のコップを互いに打ち鳴らしながら、祝賀会が始まった。私は挨拶を済ませ、そっと壁側へ。文官殿たちと静かに話していると、「アラン様」と声を掛けられた。
「アラン様」
「はい」
その声に、一瞬心臓がドキンと鳴る。顔を見ずとも、相手が誰か分かっていたが、一応確認。間違いない。城内いるせいか、今日も賢者らしくローブを着たレオ殿が立っていた。
「スライムの件、お疲れ様でした」
「有難うございます」
「アラン様は、ほぼ一人で片づけたと聞きましたが」
「まさか、そんな」
「謙遜されずに。ここに来るまでに、団員の方々がアラン様の自慢話をしていましたよ」
「そ……うですか」
普段のレオ殿と違い、賢者らしく振る舞いながら。フッ……とレオ殿が笑った顔が、恰好良く見えて同性だというのにドキリとした。
(あ……)
「アラン様? どうしました?」
私が気を紛らわすように顔を反らしたものだから、レオ殿が問う様に一歩私に近づいて来る。近いと思いながら、また耳元へ。広い部屋の中。賑やかな空気と、楽しそうな声が響く中で、内緒話をするようにレオ殿が言った。
「もしかして、俺に見惚れました?」
「なっ゛……!?」
何で!? と言いかけたが、私一人が慌てては図星というもの。駄目だ、私。冷静になれ。
(いけない。最近の私は、同じことばかり思っているな)
レオ殿の前だと、どうも自分を保つことが出来ないと言うか。今まではこんなこと無かったのに、レオ殿のせいだ。一歩下がってレオ殿と距離を取れば、レオ殿が「ん?」と先ほど笑った時と同じ表情を見せるものだから、また心臓がドキリとした。
「まあ……はい。見惚れていました」
素直にそう言えば、レオ殿が笑いながら。折角距離を取ったというのに、一歩詰めて来てまた耳元で囁いた。
「嬉しい」
「!」
急いで私はレオ殿から距離を取り、「そういえば」と話題を変え。首にかけたままにしていた小さな小瓶を取り出して渡した。
「レオ殿。頼まれていたものです。スライムは倒してしまえば液体になってしまうので、ちゃんとスライムだった部分かは自信がありませんが」
「レオ殿が倒したという、巨大スライムの一部ですか?」
「はい。一応、核に近いと思われる粘着性があった部分です」
「有難うございます」
「スライムが必要だったんですか? モンスターですよ?」
「まぁ、必要というか。好奇心ですね。上手くいけば、アラン様にいつかお見せできるかも」
(好奇心? やはり賢者だから、何か研究に使うんだろうか)
私から受け取った小瓶を、これまた嬉しそうに眺めるレオ殿に私も良かったと内心胸を撫で下ろしたのだった。
*******
お気に入り有難うございます(^^)嬉しいです
広い部屋、大きなテーブルの上に、隅々まで並ぶご馳走。
部屋にいるのは、文官殿と私たち騎士団員達。重々しい空気はなく、これから宴だと空気は明るく。皆今か今かと、私の言葉を待っていた。
「皆、この料理の数々は文官殿たちからの計らいで準備して頂いた! 代表して、私からお礼申し上げます。また、皆にも。今回、予想以上の数のスライムを駆除。退治できたのは、皆の力があってこそだ。常日頃、真面目に訓練をしている成果だと思う。私も誇らしく嬉しい。おっと……長い話は良くないな。では、皆の検討と今回の任務の成功を祝して、乾杯!」
「「「「「乾杯!」」」」」
ゴン、と木製のコップを互いに打ち鳴らしながら、祝賀会が始まった。私は挨拶を済ませ、そっと壁側へ。文官殿たちと静かに話していると、「アラン様」と声を掛けられた。
「アラン様」
「はい」
その声に、一瞬心臓がドキンと鳴る。顔を見ずとも、相手が誰か分かっていたが、一応確認。間違いない。城内いるせいか、今日も賢者らしくローブを着たレオ殿が立っていた。
「スライムの件、お疲れ様でした」
「有難うございます」
「アラン様は、ほぼ一人で片づけたと聞きましたが」
「まさか、そんな」
「謙遜されずに。ここに来るまでに、団員の方々がアラン様の自慢話をしていましたよ」
「そ……うですか」
普段のレオ殿と違い、賢者らしく振る舞いながら。フッ……とレオ殿が笑った顔が、恰好良く見えて同性だというのにドキリとした。
(あ……)
「アラン様? どうしました?」
私が気を紛らわすように顔を反らしたものだから、レオ殿が問う様に一歩私に近づいて来る。近いと思いながら、また耳元へ。広い部屋の中。賑やかな空気と、楽しそうな声が響く中で、内緒話をするようにレオ殿が言った。
「もしかして、俺に見惚れました?」
「なっ゛……!?」
何で!? と言いかけたが、私一人が慌てては図星というもの。駄目だ、私。冷静になれ。
(いけない。最近の私は、同じことばかり思っているな)
レオ殿の前だと、どうも自分を保つことが出来ないと言うか。今まではこんなこと無かったのに、レオ殿のせいだ。一歩下がってレオ殿と距離を取れば、レオ殿が「ん?」と先ほど笑った時と同じ表情を見せるものだから、また心臓がドキリとした。
「まあ……はい。見惚れていました」
素直にそう言えば、レオ殿が笑いながら。折角距離を取ったというのに、一歩詰めて来てまた耳元で囁いた。
「嬉しい」
「!」
急いで私はレオ殿から距離を取り、「そういえば」と話題を変え。首にかけたままにしていた小さな小瓶を取り出して渡した。
「レオ殿。頼まれていたものです。スライムは倒してしまえば液体になってしまうので、ちゃんとスライムだった部分かは自信がありませんが」
「レオ殿が倒したという、巨大スライムの一部ですか?」
「はい。一応、核に近いと思われる粘着性があった部分です」
「有難うございます」
「スライムが必要だったんですか? モンスターですよ?」
「まぁ、必要というか。好奇心ですね。上手くいけば、アラン様にいつかお見せできるかも」
(好奇心? やはり賢者だから、何か研究に使うんだろうか)
私から受け取った小瓶を、これまた嬉しそうに眺めるレオ殿に私も良かったと内心胸を撫で下ろしたのだった。
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