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23】久しぶりのモンスター退治
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23】久しぶりのモンスター退治
「皆、見回りをしてくれて有難う。そして、お疲れ様。大雨だったが、大きな被害もなく良かった」
「アラン様こそ、お疲れ様です!」
「そうです!」
天気が良い日が多い国だが、珍しく大雨が降った。
レオ殿と文官殿たちが、水路を少し広げていたからだろうか。幸い、国内に大きな被害はなく。私たち騎士団員たちが、街中の巡回を終えた頃。訓練場で、皆を労っていると文官殿がやって来た。その後ろに、なぜだかレオ殿も一緒にいる。
(レオ殿?)
どうして? と思いつつ。平常心、平常心と自分に言い聞かせる。
私一人でなく、皆がいる。そう思うとレオ殿と二人きりの時のように心臓は速くならないし、普段と変わらない態度で対応できた。
対して、団員たちはといえば珍しい賢者の登場に、一体なんだ? とざわついている。
「文官殿、お疲れ様です。それから、賢者のレオ殿まで。一体どうされましたか?」
「それが……」
不安そうな表情を浮かべる文官殿よりも早く、レオ殿が言った。
「アラン様。この先日の大雨の影響で、水スライムが発生しましてね。なに、攻撃性は低いスライムにはなりますが、量が多くて。それに合体して大型になっても困ると、先ほど話し合いの結果纏まりまして」
「なんと。確かに……大雨が降ったあとは水スライムが増えますからね。大型になってしまえば、急に攻撃的になります。スライムには悪いですが、ある程度退治して駆除しなくては……」
「そうなんです。アラン様、スライムを退治して下さい」
「流石、アラン様。話が早い」
城の中にいる時は、ローブをまとっていることもあり、賢者としての威厳があるなぁと思いながらレオ殿の話を聞いていた。
その内容は、とても真面目な話。文官殿も困った様子。久しぶりのモンスター退治。訓練の成果がためせるぞと思いながら、私は即座に判断を下した。
「かしこまりました。今日はもう日が暮れます。明朝、騎士団の数名と共にスライム退治に出発します。皆も良いか? 後程、私が何人か選抜して声をかける。声を掛けられなかった者は、普段と変わらず。訓練を怠らないように」
「「「「「はい!!!!!」」」」」
「有難うございます。今スライムがいる場所は……」
と、武漢殿が地図を広げ説明してくれた。その隣で、レオ殿が黙ったまま待っている。まるで順番を待っているように大人しく、文官殿に用事が? と思いながら話が終わった。そうすれば、「アラン様」とレオ殿が声を掛けたのは私だった。
「アラン様。お願いがあります」
「レオ殿が? 何ですか?」
意外だと思っていると、私の前に差し出されたのは、小さな瓶。
「本当は俺も行きたいんですが、騎士団での仕事を邪魔しちゃ悪い。そこで、良かったらスライムを、この瓶の中に入れて来て欲しいんですが」
「スライムを?」
「ええ。ほんの少しでも良いんです。退治する時に、飛び散った小さな滴でも」
「はぁ……」
「どうして? って顔ですね。ただの趣味です。賢者なのでね。ちょっとばかし、スライムを使って知りたいことや、試したいことがあるので」
無理にとは言いませんが、と言われたがレオ殿には世話になっていることもある。それにスライムをほんの少しでも良いのなら、まぁ良いだろう。
「分かりました。期待にそえられるか分かりませんが、余裕があれば取って来ますね」
「有難うございます」
そうして私はレオ殿から小瓶を受け取り。明日のスライム退治に向けて、早速隊を編成したのだった。
(だがレオ殿も、スライムが欲しいだなんて。やっぱり賢者ともなれば、目の付け所が違うのだろうか?)
*********
いつもぬるい話だったので、箸休め程度に健全を
「皆、見回りをしてくれて有難う。そして、お疲れ様。大雨だったが、大きな被害もなく良かった」
「アラン様こそ、お疲れ様です!」
「そうです!」
天気が良い日が多い国だが、珍しく大雨が降った。
レオ殿と文官殿たちが、水路を少し広げていたからだろうか。幸い、国内に大きな被害はなく。私たち騎士団員たちが、街中の巡回を終えた頃。訓練場で、皆を労っていると文官殿がやって来た。その後ろに、なぜだかレオ殿も一緒にいる。
(レオ殿?)
どうして? と思いつつ。平常心、平常心と自分に言い聞かせる。
私一人でなく、皆がいる。そう思うとレオ殿と二人きりの時のように心臓は速くならないし、普段と変わらない態度で対応できた。
対して、団員たちはといえば珍しい賢者の登場に、一体なんだ? とざわついている。
「文官殿、お疲れ様です。それから、賢者のレオ殿まで。一体どうされましたか?」
「それが……」
不安そうな表情を浮かべる文官殿よりも早く、レオ殿が言った。
「アラン様。この先日の大雨の影響で、水スライムが発生しましてね。なに、攻撃性は低いスライムにはなりますが、量が多くて。それに合体して大型になっても困ると、先ほど話し合いの結果纏まりまして」
「なんと。確かに……大雨が降ったあとは水スライムが増えますからね。大型になってしまえば、急に攻撃的になります。スライムには悪いですが、ある程度退治して駆除しなくては……」
「そうなんです。アラン様、スライムを退治して下さい」
「流石、アラン様。話が早い」
城の中にいる時は、ローブをまとっていることもあり、賢者としての威厳があるなぁと思いながらレオ殿の話を聞いていた。
その内容は、とても真面目な話。文官殿も困った様子。久しぶりのモンスター退治。訓練の成果がためせるぞと思いながら、私は即座に判断を下した。
「かしこまりました。今日はもう日が暮れます。明朝、騎士団の数名と共にスライム退治に出発します。皆も良いか? 後程、私が何人か選抜して声をかける。声を掛けられなかった者は、普段と変わらず。訓練を怠らないように」
「「「「「はい!!!!!」」」」」
「有難うございます。今スライムがいる場所は……」
と、武漢殿が地図を広げ説明してくれた。その隣で、レオ殿が黙ったまま待っている。まるで順番を待っているように大人しく、文官殿に用事が? と思いながら話が終わった。そうすれば、「アラン様」とレオ殿が声を掛けたのは私だった。
「アラン様。お願いがあります」
「レオ殿が? 何ですか?」
意外だと思っていると、私の前に差し出されたのは、小さな瓶。
「本当は俺も行きたいんですが、騎士団での仕事を邪魔しちゃ悪い。そこで、良かったらスライムを、この瓶の中に入れて来て欲しいんですが」
「スライムを?」
「ええ。ほんの少しでも良いんです。退治する時に、飛び散った小さな滴でも」
「はぁ……」
「どうして? って顔ですね。ただの趣味です。賢者なのでね。ちょっとばかし、スライムを使って知りたいことや、試したいことがあるので」
無理にとは言いませんが、と言われたがレオ殿には世話になっていることもある。それにスライムをほんの少しでも良いのなら、まぁ良いだろう。
「分かりました。期待にそえられるか分かりませんが、余裕があれば取って来ますね」
「有難うございます」
そうして私はレオ殿から小瓶を受け取り。明日のスライム退治に向けて、早速隊を編成したのだった。
(だがレオ殿も、スライムが欲しいだなんて。やっぱり賢者ともなれば、目の付け所が違うのだろうか?)
*********
いつもぬるい話だったので、箸休め程度に健全を
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