【完結・BL】誰かを忘れられない、お父さんと僕【年下×年上】

彩華

文字の大きさ
上 下
13 / 15

【BL・こぼれ話】それは初めての①

しおりを挟む
■それは初めての■

 それは、何気ない日のこと。ただ、大学の授業は午前だけで、お昼には家に帰って来ていた。ダイスケさんと、何かしようかな? と思ったが、ダイスケさんは街の方に用事で出かけている。仕方ないので、とりあえず部屋に行こうと思えば自身の下半身が質量を増していることに気づいた。

(ちょっと期待してたからなぁ……)

ダイスケさんと、お昼から……なんて思っていたり、最近一人で抜いていなかったり。そういたのが重なったのだろう。僅かな刺激に反応していた下半身に、やれやれと溜息を吐きながら。とりあえず抜いておくかと業務的に下着を下ろし。部屋で一人、乾いたペニスを握った時だった。

(そういえば、初めてしたのもこんな感じだったな?)

昔と比べると立派になったペニスに、「ね?」と聞いてみたところで、返事なんてかえって来ないけれど────。

 それは、小学生も高学年といわれた頃。
第二次性徴。その言葉を学んだのは、少しずつ身長も伸び始め。身体にも薄い筋肉が付き始めた頃。保健体育の授業で、恥ずかしくない事だからと先生が言って教室が段々静かになっていくのを覚えている。
大人になっていくことで伴ってくる、心だけじゃない。身体の変化。フムフムと茶化すことなく、真剣に授業を聞いた後。僕が頭に思い浮かべた人は、大好きな「ダイスケさん」のエッチな姿だった。

(ダイスケさんの胸は? 背中は? 太腿は? ……同じ、下半身は……?)

もう何度も見て来た身体なのに、親愛よりも欲情した下心の妄想をした時。僕はやっぱりダイスケさんが好きなんだと、笑ってしまった。
あの日は、アレが最後の授業で掃除、帰りの会をして家に帰った。途中、同級生の男の子たちが、「俺、夢精したことあるんだ……」「オナニーしたことある?」「毛が生えて来た……!」と話しているのを聞きながら、「なぁ」と僕に聞こうとしてきたので「ごめん! 今日帰ったら畑の手伝いがあるんだ」とランドセルを背負って走って家に帰った。

息を切らして帰ってくれば、机の上には夕方には帰るという置き手紙。
少しだけ、今ダイスケさんに会わなくて良かったと思いながら、自分の部屋へ行き。ランドセルを下ろし、ベッドの上に腰かけて。走って帰って来たドキドキと、緊張のドキドキと。妄想したダイスケさんの裸へのドキドキ。煩いくらいに僕の心臓は速くなっていて、深呼吸をすれば、少しは落ち着いた。だが、興味が薄れるわけもない。

ゴクッ……! と生唾を飲む音が聞こえた後、ズボンと下着を脱いで素肌でベッドの上に腰を下ろし。小さなペニスに手を伸ばして掴んでいた。

「んっ……♡」

シュコッ……♡

*******
多忙のため、次回更新まで時間かかるかと思います。
本当にできたとこまでアプしたので、次回未定です…そっと消していた時は、そういうことで……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。 主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。 しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。 平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。 タイトルを変えました。 前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。 急に変えてしまい、すみません。  

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

麗しの眠り姫は義兄の腕で惰眠を貪る

黒木  鳴
BL
妖精のように愛らしく、深窓の姫君のように美しいセレナードのあだ名は「眠り姫」。学園祭で主役を演じたことが由来だが……皮肉にもそのあだ名はぴったりだった。公爵家の出と学年一位の学力、そしてなによりその美貌に周囲はいいように勘違いしているが、セレナードの中身はアホの子……もとい睡眠欲求高めの不思議ちゃん系(自由人なお子さま)。惰眠とおかしを貪りたいセレナードと、そんなセレナードが可愛くて仕方がない義兄のギルバート、なんやかんやで振り回される従兄のエリオットたちのお話し。完結しました!

僕はお別れしたつもりでした

まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!! 親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。 ⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。 大晦日あたりに出そうと思ったお話です。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

完結·助けた犬は騎士団長でした

BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。 ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。 しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。 強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ…… ※完結まで毎日投稿します

処理中です...