【完結・BL】誰かを忘れられない、お父さんと僕【年下×年上】

彩華

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【BL・こぼれ話】大学の友達の年上彼女が気になる②

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■【こぼれ話】大学の友達の年上彼女が気になる②

 モブ扱いの俺とは異なり。顏が良く、女子にモテる友達に直球で「あること」を聞いてみれば、返ってきた答えは俺以上に直球だった。

「なぁ、その彼女とエッチとかした?」

昼飯の最中だと思ったが、それよりも好奇心が勝り。一応、気は使ってこそっ……と聞いた。そうすれば、学食の俺と異なり。愛妻弁当ならぬ、愛彼女弁当を持参したコイツがおかずを飲み込み、お茶を飲み込み。少し一服した後、俺の気遣いは何だったんだ? と思う程、いけしゃあしゃあと言った。

「うん」

あー……。やっぱり顔が良い主人公キャラは違うなぁ……と小さな嫉妬。そりゃあ、こんなにモテるんだし、彼女とエッチなことくらい、もう経験済だよな。
だが、こんな機会はまたとない。もっと知りたい! と、俺は食い気味に言葉を続けた。

「マジかよ!? 大人じゃん! お前、童貞じゃないのかぁ……」

「もしかして、童貞なの?」

「悪いかよ」

ああ、そうだよ! 俺は童貞だよ。畜生。

「俺のことは良いんだよ、そのうち卒業するから! それより、お前のこと教えろよ」

「えー……」

「惚気聞いてやるから……!」

後生だと、両手を前に合わせて頼めば「仕方ないなぁ……」と了承してくれたらしい。午後の授業が無い日で良かったと思いながら、俺は話を聞くため座りなおした。

「あのさ、する時ってどんな感じでするもんなん?」

未来の彼女との参考にと聞けば、またコイツはいけしゃあしゃあと言った。

「うーん……この前初めてしたけど。僕、襲っちゃったんだよね」

「は?」

「何て言うのかな? こう、僕のこと眼中にないって感じで言われちゃって頭にきちゃって。そのまま襲っちゃったんだ」

情報が多すぎる。コイツ、一見草食系男子みたいなのに、おそ……。襲ったのか!?

「こわ……」

思わず心の声が漏れた。

「まぁ、結果オーライだから良かったんだよ。それにさ、凄いんだよ。僕が知らなかっただけで、縦割れだったんだから!」

「たっ……!?」

ナニが? いや、何がだよな。うん。そういう話をしてるんだし。え、何コイツ。本当に渋った割には、色々話すじゃん? この前初めてって言ってたし、童貞卒業したてで浮かれてるな? 

「ずっとエッチだなって思ってたんだけど、想像以上にエッチでビックリしたんだ~」

「おっぱいは?」

「大きいよ。あと、お尻も大きい」

そんなん、すげぇエッチなお姉さんしか思い浮かばないんだけど。

「お、おぅ……そっか。悪い、俺が聞いておいてなんだが、刺激が強過ぎる」

ストップ! と開始早々にギブアップ。学食も腹の中に入ったばかりで、物理的も満腹だ。

「ええー。聞いてきたばっかりなのに」

「残念だなぁ」というコイツに、最後に一つだけ聞いてみた。

「なぁ、最後に1つだけ良いか? 彼女、どんな感じの子? やっぱりエッチなお姉さん?」

可愛いとか、綺麗だとか。エッチだとか。そういうのを想定していたのに、これまた斜め上の回答が来て、俺は考えるのを止めた。

「ん~そうだなぁ。熊みたいな人?」

「は??」

コイツの彼女、エッチなお姉さんじゃなくて熊みたいなの???

■【こぼれ話】大学の友達の年上彼女が気になる②・完
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