【完結・BL】誰かを忘れられない、お父さんと僕【年下×年上】

彩華

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【BL・こぼれ話】体操着と悪魔の囁き①

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■【こぼれ話】体操着と悪魔の囁き①■

 「ふ……ぅ、う゛……♡」

最低なことをしている。頭では、理解出来ている。だが、この行為を止めることが出来なかった。

シュコッ、シュコッ……へこっ♡ フーッ♡ フーッ……♡

「んっ、ぅ゛♡」

スゥゥゥゥゥ……ハァァァァ……♡

畳が引かれた家の一室。古民家染みた家だ。無駄に畳が多い家で、まだ日が高い昼時。寝るためではなく、足が痛くならないようにと自身が寝る布団を敷いて、誰もいなくなった家で一人行っていることといえば……。

『お父さん』

「ぅ、うぅ゛……♡」

深呼吸するかのように、鼻孔を大きく広げ鼻呼吸。呼吸するための酸素と一緒に、独特の匂いを吸い込んだ。それから自身のペニスを握り、ヘコヘコと腰を振る。

「……ほ……ぉ゛……♡」

俺が一人していること────体操着の匂いを嗅いで、自慰。


(ああ、本当。最低だ)


*******

 それは、ほんの出来心だった。今思えば、悪魔の囁き。

「あ、お父さん。ごめん。体操着出し損ねてた」

「どうせまた洗濯するから、気にするな。玄関に置いておけ。それより、遅刻しないようにしろよ」

「はーい! じゃあ、行ってきまーす」

「行ってらっしゃい」

独身ながら、人生は色々だ。俺は今、血は繋がっていないが、息子といえる少年と一緒に暮らしている。息子も、もう高校卒業も間近の高校三年生。時が過ぎるのは、あっという間だと驚く。どうりで俺も、立派なおじさんになるわけだ。

「行ってきます」の言葉の後、カラカラと閉まった玄関に置かれていた袋が一つ。体操服が入っているなと持ち上げて、風呂場へ。洗濯機に入れるか……と袋を開けた時。フワリと鼻孔に匂いが香った。
決して臭いとかではない。使った体操服と、わずかな汗の匂い。知らない間に子供から「男」になっていた匂い。

「…………」

ゴクリ。

生唾を飲み込む音が、ゆっくりと。それでいて喉を動かす感覚まで大きく感じた。

「……はっ……」

(凄い匂いだ……♡)

キュン♡ と思わず疼いたのは、自身の尻穴。ヒクヒクと収縮し、ピクリと下着の中で反応を見せたペニス。これをオカズに自慰をしたら? そんな悪魔の囁き。本当に、魔が差したんだ。

(誰に向けての言い訳か、もう分からないけれど)

そのまま俺は、洗濯機に体操服を入れることなく。体操服の上着を持ったまま、寝室へと向かった。田舎の家だ。近所と言っても、近所とは距離がある。のんびりとした田舎で、多少の音は気にならない。そう自分に言い聞かせ、敷き終わった布団の上に横たわる俺。

「ふ……、ぅ……」

そのまま、四つん這いになり。ズボッ、と股座に腕を突っ込んだ。数時間前まで寝ていた布団は、広げれてみれば僅かに温かさが残っていた。

「んっ……!」

乾いたペニスを扱くも、今の寝巻代わりのハーフパンツを履いたままでは扱き難い。面倒だと下着とハーフパンツを一緒にズラし、上から見れば尻が丸出しの体勢。
酷い格好だ。尻とペニスが丸出し。おまけに、近くにあるのは体操服。

「ふ、ぅ゛、ぅ……♡」

シュコッ、シュコッ……♡ 

久しぶりの自慰。アイツが学校に行ってしまえば、家に一人だが気を遣ってしまいなかなか自慰が出来なかった。だが溜めすぎるのは良くない。したとしても、匂いが残らないように、トイレや風呂で短時間で済ませる。そんな感じの日々。

(アイツは、こういったことはしてないんだろうか……?)

ふいに頭によぎったのは、今まさにオカズにしようとしている相手。「お父さん」と俺を嬉しそうに呼ぶ、俺の血の繋がらない息子。
成長し、身長が伸びても俺と異なり薄い身体。クリクリと大きな瞳は、本当の父親に似て目尻が垂れている。

『お父さん』

「んっ……♡ぅ゛♡う……♡」

そんな可愛い、わが子同然に育てて来た子に犯される妄想をする俺。

シュッ♡ シュッ♡ シュコッ♡ たらぁ~っ……♡

数回ペニスを扱けば、丸みのある亀頭の小さな穴から、青臭い白濁が漏れ出た。くぷっ、と滴が浮いた後。重力に従って下に垂れる。粘着質で青臭い白濁が、たらりと細い糸となって布団に落ちていく。その間に、足を踏ん張って四つん這いのまま。俺はだんだんとペニスを扱く速度を上げた。

シュッ! シュッ! シュッ! ぴちゃっ♡ ぴちゃちゃっ♡

「ぉ゛っ♡んぅぅ゛……♡」

『お父さん、おちんちん扱くの好きなの?』

「ぁ……あ゛♡……好き♡好き、だぁ……♡」

シュコッ! シュコッ! へこぉっ……♡

「お゛っ♡ ぉお゛っ♡ちんこ♡ちんこ扱くの久しぶり♡気持ちぃ゛♡一人ちんこ扱くの気持ち゛良いぃ゛……♡」

頭を上げたまま、だんだんと野太い声に変わる。自身の声と言葉で羞恥を更に煽り、興奮を高める。へこへこと打ち付けるわけでもない腰を振れば、ぺちぺちと小さく睾丸がぶつかる音がした。

へこっ♡ へこっ♡ ペチッ♡ ペチチッ♡

「ぅ゛う゛~っ♡ぁ、あ゛♡ちんこ♡ちんこぉ゛……♡」

こんな感じ。
ラストスパートまでもう少し。俺はまたペニスを扱いた。

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