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39】また相談してしまった
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39】また相談してしまった
「圭、おはよ~」
「圭君、おはよう」
「おはよう」
朝の講義には余裕で間に合い、人がまばらな教室で時間まで待っていた。チラホラとやって来る友達に挨拶をしながら、俺の席の隣は空いている。俺は真面目に講義を受ける、良い子なのだ。教科書とノートを取り出して、先生が来るまでゆっくりしようとしたらフト思い出したことが一つ。
「そういえば、この講義は蛍も取ってたよな?」
昨日のことも相談したいし、蛍にメッセージでも送ってみるかと思ったが、その必要はなかったらしい。ガタン、と椅子が倒されたあと椅子が軋む音がした。
「圭、おはよう」
「蛍~!」
「どうしたんだよ。今日は熱烈な歓迎だな」
「いやぁ、またちょっと相談というか」
「恋愛事か?」
「そうだけど」
俺が言うと、蛍が声を小さくして言った。
「北斗と何かあったか?」
「うん」
実は……と言いかけた時、先生がやって来て。
「終わったら時間あるか?」
「あるよ。じゃあ、後で話そうな?」
「うん」
前方で先生が「では……」と説明を始めたから、俺と蛍は真面目に講義を受けることにした。
*****
****
「で? 北斗と何があったんだ?」
「俺も分からなくてさぁ……」
講義が終わり、次まで時間がある。人に聞かれては困ると、外のベンチみたいなところで持ってきたペットボトルを飲みながら話すことにした。
「昨日、蛍に会ってそのまま帰ったんだよ。そたら北斗が迎えてくれたんだけどさ、何でだか分からないけど拗ねちゃって。一応謝ったんだけど、今日北斗は自分が悪いっていうし」
「それで? 北斗とやらしいことしたのか?」
「なんっ゛!」
(やらしいこと!?)
何言ってるんだと言う前に、ゴホッと飲んでいたものを咽てしまった。
「してない!」
「なんだ。てっきり拗ねた北斗と、したのかと思った」
「……北斗が急にしたいとは言ったけど」
「けど?」
「俺が断った」
「何だ。圭もちゃんと断ること出来るんだな」
蛍が驚いた顔をして俺を見て言った。失礼な。俺だって、拒否ぐらいする。
「二人とも付き合ってないけど、やらしいことはするんだろ?」
「そ……うだけど……」
「悪い。これ以上聞いたら駄目だよな」
「助かる」
そうだ。俺は好きな人と、そういうことが出来て嬉しいと思うが、きっと北斗は違う。仕方なく業務的にしているんじゃないかと思う。
(だったら、カップルチャンネルにしなかった方が良かったんじゃ)
そうしたら、きっと北斗は女の人と付き合えたはずだし。
「こら圭、また変なこと考えてるだろ」
「だって……はぁ。北斗は、どうして俺とカップルチャンネルなんてしたいって言ったんだろうなぁ?」
「俺としては、何となく分からなくもないけど」
「え!? なら教えてくれよ」
「やだね。教えてやらない」
「蛍のケチ~!」
「俺にも事情ってもんがあるんだよ。なぁ……そういえばさ。頬にはキスしてたけど、口にも北斗はキスしてくんの?」
「え、キス?」
*******
更新しました!お気に入りほか有難うございます(^^)
短い予定なので、すぐ終わると思います…! あとなかなか進んでませんね><
「圭、おはよ~」
「圭君、おはよう」
「おはよう」
朝の講義には余裕で間に合い、人がまばらな教室で時間まで待っていた。チラホラとやって来る友達に挨拶をしながら、俺の席の隣は空いている。俺は真面目に講義を受ける、良い子なのだ。教科書とノートを取り出して、先生が来るまでゆっくりしようとしたらフト思い出したことが一つ。
「そういえば、この講義は蛍も取ってたよな?」
昨日のことも相談したいし、蛍にメッセージでも送ってみるかと思ったが、その必要はなかったらしい。ガタン、と椅子が倒されたあと椅子が軋む音がした。
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「恋愛事か?」
「そうだけど」
俺が言うと、蛍が声を小さくして言った。
「北斗と何かあったか?」
「うん」
実は……と言いかけた時、先生がやって来て。
「終わったら時間あるか?」
「あるよ。じゃあ、後で話そうな?」
「うん」
前方で先生が「では……」と説明を始めたから、俺と蛍は真面目に講義を受けることにした。
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「で? 北斗と何があったんだ?」
「俺も分からなくてさぁ……」
講義が終わり、次まで時間がある。人に聞かれては困ると、外のベンチみたいなところで持ってきたペットボトルを飲みながら話すことにした。
「昨日、蛍に会ってそのまま帰ったんだよ。そたら北斗が迎えてくれたんだけどさ、何でだか分からないけど拗ねちゃって。一応謝ったんだけど、今日北斗は自分が悪いっていうし」
「それで? 北斗とやらしいことしたのか?」
「なんっ゛!」
(やらしいこと!?)
何言ってるんだと言う前に、ゴホッと飲んでいたものを咽てしまった。
「してない!」
「なんだ。てっきり拗ねた北斗と、したのかと思った」
「……北斗が急にしたいとは言ったけど」
「けど?」
「俺が断った」
「何だ。圭もちゃんと断ること出来るんだな」
蛍が驚いた顔をして俺を見て言った。失礼な。俺だって、拒否ぐらいする。
「二人とも付き合ってないけど、やらしいことはするんだろ?」
「そ……うだけど……」
「悪い。これ以上聞いたら駄目だよな」
「助かる」
そうだ。俺は好きな人と、そういうことが出来て嬉しいと思うが、きっと北斗は違う。仕方なく業務的にしているんじゃないかと思う。
(だったら、カップルチャンネルにしなかった方が良かったんじゃ)
そうしたら、きっと北斗は女の人と付き合えたはずだし。
「こら圭、また変なこと考えてるだろ」
「だって……はぁ。北斗は、どうして俺とカップルチャンネルなんてしたいって言ったんだろうなぁ?」
「俺としては、何となく分からなくもないけど」
「え!? なら教えてくれよ」
「やだね。教えてやらない」
「蛍のケチ~!」
「俺にも事情ってもんがあるんだよ。なぁ……そういえばさ。頬にはキスしてたけど、口にも北斗はキスしてくんの?」
「え、キス?」
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