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34】他者の意見を聞いてみようと思って②
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34】他者の意見を聞いてみようと思って②
プラリと一人で出かけたカフェで、人を待ち。
中学時代からの友達で、俺達カップルチャンネルが実は偽装であることを知っている蛍がやって来た。俺の回りは、どういうわけか、イケメンが多いな? と思いながら蛍のコーヒーと、俺の追加のパフェを食べて少しした後。今日、蛍を呼んだ本題へ。先日の生配信を見たか? とダメ元で聞けば、蛍は二つ返事で言った。
「見たぞ」
知り合いに見られていると思うと恥ずかしいが、好都合。
「蛍、よく見てくれるよな。有り難うな。で、なんだけど。あの時、俺達ちゃんと付き合ってるカップルっぽく見えたか?」
そんなことを聞いてみることにしたわけだ。
友達から。しかも、付き合いが長く、質問の内容が同性同士のカップルチャンネル。しかも偽装カップルで、ちゃんとカップルに見えたか? なんて俺だったら、正直答えに困る。だが蛍は、何にでも真面目に答えてくれるのを俺は知っている。
「あのキスしたとことかか?」
「ぎゃあ! 記憶から無くしてくれ」
「良いだろ。圭、本当に北斗のこと好きなんだからさ」
「そ・・・・・・そうだけど・・・・・・」
蛍は、俺達が偽装カップルだけに止まらず。俺が北斗のことを恋愛的な意味で好きということも、知っていた。今みたいに、蛍が俺の様子に気づいて声をかけ。
『圭、どうした?』
『蛍……』
『圭、話聞くぞ?』
その一言に、自身の恋心に悩んでいた俺はホッとして、実は……と打ち明けたのが始まりだった。
賑やかだった教室が、部活に行ったりと気づけば俺たちたけになっていて。
『蛍はさ、恋バナとか大丈夫か?』
『好きな人いるのか?』
『……』
『北斗か?』
『うん……』
(蛍はそういうの、気にしなかったから話せたんだけど)
名前を当てられてから、一人で抱えていた悩みをスラスラと話したっけ。
「圭?」
おっといけない。久しぶりに会った蛍に、昔のことを思い出してしまった。
「それは置いといて! 俺たちは、本物じゃ無いわけだし。ちゃんとそれっぽく見えるようにしなきゃだから・・・・・・」
何で北斗が俺とカップルチャンネルなんてのをしようと思ったのか、未だに分からない。
「まあ、付き合ってるようには見えたんじゃないか? 圭が変わらず北斗のことを好きなんだなって顔はしてたぞ」
「え!?」
蛍の言葉に、俺ってばそんなに顔に出ていたのか……と思ってしまった。
(やっぱり他者の意見って大切だなぁ)
******
更新しました!
携帯からだと打つのにめちゃくちゃ時間がかかりますね……!
プラリと一人で出かけたカフェで、人を待ち。
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「見たぞ」
知り合いに見られていると思うと恥ずかしいが、好都合。
「蛍、よく見てくれるよな。有り難うな。で、なんだけど。あの時、俺達ちゃんと付き合ってるカップルっぽく見えたか?」
そんなことを聞いてみることにしたわけだ。
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「あのキスしたとことかか?」
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「良いだろ。圭、本当に北斗のこと好きなんだからさ」
「そ・・・・・・そうだけど・・・・・・」
蛍は、俺達が偽装カップルだけに止まらず。俺が北斗のことを恋愛的な意味で好きということも、知っていた。今みたいに、蛍が俺の様子に気づいて声をかけ。
『圭、どうした?』
『蛍……』
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その一言に、自身の恋心に悩んでいた俺はホッとして、実は……と打ち明けたのが始まりだった。
賑やかだった教室が、部活に行ったりと気づけば俺たちたけになっていて。
『蛍はさ、恋バナとか大丈夫か?』
『好きな人いるのか?』
『……』
『北斗か?』
『うん……』
(蛍はそういうの、気にしなかったから話せたんだけど)
名前を当てられてから、一人で抱えていた悩みをスラスラと話したっけ。
「圭?」
おっといけない。久しぶりに会った蛍に、昔のことを思い出してしまった。
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何で北斗が俺とカップルチャンネルなんてのをしようと思ったのか、未だに分からない。
「まあ、付き合ってるようには見えたんじゃないか? 圭が変わらず北斗のことを好きなんだなって顔はしてたぞ」
「え!?」
蛍の言葉に、俺ってばそんなに顔に出ていたのか……と思ってしまった。
(やっぱり他者の意見って大切だなぁ)
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