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28】最近動画をアップしていないので⑤
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28】最近動画をアップしていないので⑤
困った。突然困った。
生配信の出だしは良かったのに、俺への質問。「北斗のことが顔以外にどこがすきか?」という質問の答えに困ってしまった。
北斗の顔が良いのはもう分かっているし、かなり昔から好きだった。だが他のところは? と思えば、具体的な部分が見当たらない。いや、ありはするんだろうが好きな相手はのことは、大体の大部分が皆好きだろう?
おまけに北斗もカメラではなく、俺の方をガン見していて四面楚歌だ。これは言うまで終わらない。
(不味い。言わなきゃ。他に北斗の好きなとこ……好きなとこ……)
北斗の視線に、ドキドキと俺の心臓が煩い中。コメントの勢いは衰えることは無かった。そんな中、ふと思い浮かんだ言葉を口にした。
「ぉ……俺のこと、好きなとこ……とか」
(好きだったら良いのに)
それは、俺の願望なんだけれどと思ったが、コメントは更に一気に流れて大盛況なようで良かったことにする。
『惚気きた~~!!><』
『もっと惚気ていいよ!』
『きゃああああ』
『圭くん、マジ照れしてる?』
『顔が赤い……!』
「……」
「あの~北斗さん。そろそろカメラの方を向いて貰って良いですか?」
ドキドキドキ。
あ~、俺の心臓も沈まってくれ。顔が熱くて、思わず片手で顔を扇ぐ。
「北斗?」
流石に俺の方ばかりを見過ぎだと、チラリと俺の心臓が大丈夫な範囲で北斗の方を見た。それからカメラからは見えない範囲で、トンと腕で突いてみる。カメラ! と訴えてみたが、北斗はどこ吹く風。ふーん……と何か納得したようにしながら、口を開いた。
「そっか。圭は、圭のことが好きな俺が好きなんだ」
ちょっと曲げてないか? と思ったが、まぁ間違っていないから良しとした。ニコリと上機嫌な様子は、演技なのか。それとも俺の都合の良い妄想か。
ようやく北斗がクルリとカメラの方を向いて、機嫌良さそうに笑った。
「皆、圭の俺の好きなところ聞いた? 俺。これからもずっと圭のこと好きでいないとな」
ああ、本当に。俺にとって都合が良すぎる。もしかしたら、北斗にとって親友とは違った意味での特別になれるかも……なんて一瞬考えてしまった。
「あ~~! 終わり! この話は終わりです!」
話題を変えようと、俺は「北斗」と名前を呼んだ。そうすれば、また「うん?」と無駄に良い顔で俺を見る。
「次は北斗が何か話してくれよ。皆も北斗の話、聞きたいだろうし」
「そうだなぁ……」
カメラと画面を見ながら、北斗がコメントを読んでいく。コメントの中にも、「北斗顔が良い」とあり、だろう! という気持ちと、取られなくないと小さな嫉妬が俺の中に渦巻いていた。
********
更新しました! お気に入り有難うございます(^^)
困った。突然困った。
生配信の出だしは良かったのに、俺への質問。「北斗のことが顔以外にどこがすきか?」という質問の答えに困ってしまった。
北斗の顔が良いのはもう分かっているし、かなり昔から好きだった。だが他のところは? と思えば、具体的な部分が見当たらない。いや、ありはするんだろうが好きな相手はのことは、大体の大部分が皆好きだろう?
おまけに北斗もカメラではなく、俺の方をガン見していて四面楚歌だ。これは言うまで終わらない。
(不味い。言わなきゃ。他に北斗の好きなとこ……好きなとこ……)
北斗の視線に、ドキドキと俺の心臓が煩い中。コメントの勢いは衰えることは無かった。そんな中、ふと思い浮かんだ言葉を口にした。
「ぉ……俺のこと、好きなとこ……とか」
(好きだったら良いのに)
それは、俺の願望なんだけれどと思ったが、コメントは更に一気に流れて大盛況なようで良かったことにする。
『惚気きた~~!!><』
『もっと惚気ていいよ!』
『きゃああああ』
『圭くん、マジ照れしてる?』
『顔が赤い……!』
「……」
「あの~北斗さん。そろそろカメラの方を向いて貰って良いですか?」
ドキドキドキ。
あ~、俺の心臓も沈まってくれ。顔が熱くて、思わず片手で顔を扇ぐ。
「北斗?」
流石に俺の方ばかりを見過ぎだと、チラリと俺の心臓が大丈夫な範囲で北斗の方を見た。それからカメラからは見えない範囲で、トンと腕で突いてみる。カメラ! と訴えてみたが、北斗はどこ吹く風。ふーん……と何か納得したようにしながら、口を開いた。
「そっか。圭は、圭のことが好きな俺が好きなんだ」
ちょっと曲げてないか? と思ったが、まぁ間違っていないから良しとした。ニコリと上機嫌な様子は、演技なのか。それとも俺の都合の良い妄想か。
ようやく北斗がクルリとカメラの方を向いて、機嫌良さそうに笑った。
「皆、圭の俺の好きなところ聞いた? 俺。これからもずっと圭のこと好きでいないとな」
ああ、本当に。俺にとって都合が良すぎる。もしかしたら、北斗にとって親友とは違った意味での特別になれるかも……なんて一瞬考えてしまった。
「あ~~! 終わり! この話は終わりです!」
話題を変えようと、俺は「北斗」と名前を呼んだ。そうすれば、また「うん?」と無駄に良い顔で俺を見る。
「次は北斗が何か話してくれよ。皆も北斗の話、聞きたいだろうし」
「そうだなぁ……」
カメラと画面を見ながら、北斗がコメントを読んでいく。コメントの中にも、「北斗顔が良い」とあり、だろう! という気持ちと、取られなくないと小さな嫉妬が俺の中に渦巻いていた。
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