24 / 66
24】最近動画をアップしていないので
しおりを挟む
24】最近動画をアップしていないので
「なぁ、北斗。そういえば次アップするの決まった?」
「うーん。決まってない。北斗は何かある?」
「俺も特には……」
北斗に誘われるまま、配信者なんて肩書も持つようになったが。
ふと気づいたことといえば、そういえば最近動画アップしてないな? ということ。
(っても、作業はほぼ北斗だけど)
俺がやっていたことといえば、拗らせたような片思いのまま。不毛だと思いながらも、北斗とその……セ! で始まることをしていたくらい。ちゃんと学校へは行っているから良いが、冷静に考えると、決して健全とはいえる生活じゃない。だからといって、今さら止めるか? と聞かれれば、北斗と離れるのは嫌なので、またズルズルと今のままの関係でいたい。
「更新しないと、チャンネル外されちゃうこともあるからなぁ……。まぁ、動画のストックはあるから、それ上げてもいいけど……。うーん。圭、今日時間ある?」
「うん? ある。大丈夫。どうしたんだ?」
「せっかくだし、今日生配信しよ? 2時間後とかどう?」
「別にいいけど……」
(何か生ってやらしーよな)
北斗が真面目に話しているのに、俺はといえば生という言葉に反応してしまった。
「有難う。じゃあ、早速告知っと……」
トントンと携帯をタップして、配信用のアカウントに北斗が告知をすれば、すぐに反応があった。
「うわっ、はやっ! まだ秒しか経ってないのに」
コメントなどは「楽しみにしている」「待ってました!」だとか、応援してくれるようなコメントが多く、内心ほっとする。
「てことで、圭。ちゃんと恋人らしく振舞ってね。打合せはあとで」
「お……おぅ。分かった。その前に、ちょっと服着替えてくる」
「そのままでも可愛いのに」
「本当かよ」
こういう時。ハッキリと「恋人らしく」と強調されると、改めて偽装なんだと感じて、複雑な気持ちになった。
(俺の馬鹿。こういうのを分かってて、オーケーしたんだろうが)
自分にそう言い聞かせて、とりあえず適当に来ている部屋着だけ着替えておくかと、一旦部屋に戻った。ボフン、とベッドに沈んで深呼吸。
生配信だ。失敗は無い方が良いが、ボロだけは出さないようにしなければ。
「そういえば、前どんな感じにしてたってけ?」
以前の自分の動画を見れば、随分とこう……受け受けしい感じで「マジか」と思わず自分にツッコミを入れてしまった。動画の中の俺は、うっとりとしながら北斗の隣で自慢げな様子。
『今日も北斗は恰好良いでしょ? 俺の自慢の彼氏なんだ♡』
(うわぁあああ……俺凄い顔してんな)
なんてことを言っていて、俺の願望がダダ漏れだった。表情だって、本当に好きなんだなと自分でも分かる。
「しっかし……俺がこんな顔してても、北斗も気にしないんだもんな」
(やっぱり俺だけが北斗のことを好きなんだな)
*******
更新しました
お気に入り有難うございます(^^)
宣伝】久しぶりにPixiv更新しました!健全です。良ければ読んで頂けると嬉しいです
「なぁ、北斗。そういえば次アップするの決まった?」
「うーん。決まってない。北斗は何かある?」
「俺も特には……」
北斗に誘われるまま、配信者なんて肩書も持つようになったが。
ふと気づいたことといえば、そういえば最近動画アップしてないな? ということ。
(っても、作業はほぼ北斗だけど)
俺がやっていたことといえば、拗らせたような片思いのまま。不毛だと思いながらも、北斗とその……セ! で始まることをしていたくらい。ちゃんと学校へは行っているから良いが、冷静に考えると、決して健全とはいえる生活じゃない。だからといって、今さら止めるか? と聞かれれば、北斗と離れるのは嫌なので、またズルズルと今のままの関係でいたい。
「更新しないと、チャンネル外されちゃうこともあるからなぁ……。まぁ、動画のストックはあるから、それ上げてもいいけど……。うーん。圭、今日時間ある?」
「うん? ある。大丈夫。どうしたんだ?」
「せっかくだし、今日生配信しよ? 2時間後とかどう?」
「別にいいけど……」
(何か生ってやらしーよな)
北斗が真面目に話しているのに、俺はといえば生という言葉に反応してしまった。
「有難う。じゃあ、早速告知っと……」
トントンと携帯をタップして、配信用のアカウントに北斗が告知をすれば、すぐに反応があった。
「うわっ、はやっ! まだ秒しか経ってないのに」
コメントなどは「楽しみにしている」「待ってました!」だとか、応援してくれるようなコメントが多く、内心ほっとする。
「てことで、圭。ちゃんと恋人らしく振舞ってね。打合せはあとで」
「お……おぅ。分かった。その前に、ちょっと服着替えてくる」
「そのままでも可愛いのに」
「本当かよ」
こういう時。ハッキリと「恋人らしく」と強調されると、改めて偽装なんだと感じて、複雑な気持ちになった。
(俺の馬鹿。こういうのを分かってて、オーケーしたんだろうが)
自分にそう言い聞かせて、とりあえず適当に来ている部屋着だけ着替えておくかと、一旦部屋に戻った。ボフン、とベッドに沈んで深呼吸。
生配信だ。失敗は無い方が良いが、ボロだけは出さないようにしなければ。
「そういえば、前どんな感じにしてたってけ?」
以前の自分の動画を見れば、随分とこう……受け受けしい感じで「マジか」と思わず自分にツッコミを入れてしまった。動画の中の俺は、うっとりとしながら北斗の隣で自慢げな様子。
『今日も北斗は恰好良いでしょ? 俺の自慢の彼氏なんだ♡』
(うわぁあああ……俺凄い顔してんな)
なんてことを言っていて、俺の願望がダダ漏れだった。表情だって、本当に好きなんだなと自分でも分かる。
「しっかし……俺がこんな顔してても、北斗も気にしないんだもんな」
(やっぱり俺だけが北斗のことを好きなんだな)
*******
更新しました
お気に入り有難うございます(^^)
宣伝】久しぶりにPixiv更新しました!健全です。良ければ読んで頂けると嬉しいです
56
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;

どうしてもお金が必要で高額バイトに飛びついたらとんでもないことになった話
ぽいぽい
BL
配信者×お金のない大学生。授業料を支払うために飛びついた高額バイトは配信のアシスタント。なんでそんなに高いのか違和感を感じつつも、稼げる配信者なんだろうと足を運んだ先で待っていたのは。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(要らない悪役令嬢1巻重版)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる