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13】着替えずに来てしまった②

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13】着替えずに来てしまった②

 流されるまま、北斗の部屋に来てしまった。おまけに、今はベッドの上にいる。倒れ込んだ身体に、覆い被さる北斗。

「圭」

頬にキスをしていた北斗がキスを止め、俺の名前を呼んだ。

「んー?」

俺の方は、生返事を装う。

(だってさ、こんな時に名前を呼ぶなんてさ。しかもちょっと熱の籠った声質なんて、何となく理由が分かってしまうわけで)

「脱がしていい?」

フーッ……と息を吐きながら俺を見つめる北斗の顔が、また普段と異なっていてドキンと胸が鳴った。

(ほら。こんなことを、聞いくるんだ)

そんなこと、一々聞かなくてもいい。何なら、人の腰に押し当てたり引き寄せたりするみたいに、勝手に脱がせてくれ。こういう時だけ、急に俺の意見を聞くな。(恥ずかしいだろうが)

「……」

「圭?」

ちゅっ、と北斗がまた顔を近づけて俺の頬にキスをした。

(大型犬みたいだ)

とか。やっぱりこういう時にも、北斗のことが好きな俺は、同じことを気にしてしまうわけで。

(あー……本当。やっぱり唇にはキスしてくれないのな)

しょうがない。俺たちは普通の幼馴染で、気兼ねないからと、ルームシェアをしてるだけで。更には、誘われるまま一緒に配信をしているだけで。

「圭?」

(やっぱり延長線のままなんだよな)

ちゅっ。

(切なくて、寂しい)

口を開けば、うっかり何か口走ってしまいそうだったのと、顔を見られたくなくて。珍しく俺の方から北斗の頬にキスをした。

(俺はお前の頬にキスするのだって、こんなに緊張するのに)

俺の行動は、北斗にとっても予想外だったらしい。

「え、圭? 圭が俺にキスしてくれたの?」

「うっせ」

さっきまで、いかにも雄ですみたいな眼差しだった北斗の表情が変わった。

「嬉しい」

ちゅっ、と今度降ってきたキスは額。あやすように優しく触れたかと思えば、強い力で腰を掴まれた。

「ごめんね、脱がすね?」

「最初からそうし…‥タンマ! 待て、北斗!」

(俺、下着替えてないんだった!!)

自身の置かれた状況を思い出し、北斗に制止の声をかけたが時すでに遅し。
一気にズラされ、軽くなった下半身が明るい灯りの下に北斗の前に晒された。それは俺の下着の色もハッキリと北斗に知らせ。

「……やっぱり圭、おねしょしてた?」

「だから違うっつーの!!」

(最悪だ)


中途半端に色が変わり。おまけに今の状況に反応を見せた身体が、北斗に見られてしまった。
隠すように内股になった俺の身体に、北斗が身体を滑り込ませる。

フーッ……♡ フーッ……♡ グイッ……♡

「圭、見せて?」

こういう時。切なさはあれど、やっぱり嘘でも北斗が俺のことを見てるのが嬉しいんだ。

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更新しました。お気に入り・イイネ有難うございます(^^)
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