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■家に帰って来たものの④
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■家に帰って来たものの④
ソラが観念した様子で、ポツポツと話始めた。やっぱり俺とソラは巨人と人間だ。俺からしたら、ただ大きさだけが違うだけなのに、それでもソラにとっては悩みの種になってしまったらしい。それでも、悩んだ理由が俺の事を思って俺と距離を置こうとしてくれたのは嬉しい。自分でも何だか拗らせてる気もするが、俺のためにということで、ちょっとときめいてしまった。(本当に俺ってチョロイな??)
ソラの優しさを感じるが、やはり俺たちの考えには擦れ違いが生じている。この擦れ違いを、お互いのために早く解消しなくてはいけない。
(何と言ったら良いのだろう? 何と言ったら伝わるんだろう?)
「でも俺は……。俺は、ソラが好きだから……一緒にいたいんだ……」
何度目かの「好き」の言葉。何度も伝えている言葉は、今度こそ真意が伝わってくれるだろうか? 頼む……! と願いながら心の中で祈る。それから俺の言葉に、首を縦に振りながら答えるソラ。
「うん、知ってるよ。高見は優しいから、僕のことも家族みたいに好きでいてくれるからね。でも、無理しなくて良いんだよ」
「……がう」
「家族みたい」────そう言われた時、思わず口が動いてしまった。
「え?」
(また伝わらなかった……)
「ち、がう……違う。いや、違わない。俺はソラのことを好きだけど。その好きとは別の好きがあって……!」
ああ、最悪だ。
リタさんからアドバイスを貰ったのに。今度こそ言うなら、完璧に伝わるようにちょっと良い雰囲気になった時にとか。期待したり、色んなことを考えていたりしたわけだが、実際のところそんな余裕なんか無かった。
「今」どうにかしないと、ソラと次がないような気がした──────。
「ソラ、俺な? ソラに食べて欲しいくらいソラのことが好きなんだよ」
「なっ……! それって……」
ソラの顔色が変わる。リタさんのおかげだろうか。悲しそうな表情が一変し、顔が赤くなって、戸惑う様子のソラ。信じられないとでも言いたげな様子に、どうして信じられないと思ったのか聞きたくなる。俺は、最初から一目惚れしてたっていうのに。
「信じてくれソラ。俺、ソラに一目惚れしてるんだぜ?」
「なっ……なななっ……!」
「初めて会った湖のところで、もうソラのことが大好きだったんだ」
「待って!」
ストップ! と俺の前に出て来たソラの手の平。もう片方の手の平は、ソラの顔を覆っている。その顔は見なくても分かる。耳まで真っ赤だ。
「待って……。ちょっと頭が追いつかなくて……」
「いくらでも待ってやるぜ。時間は沢山あるからな」
「高見ってば、本当に僕のことが好きだったの……?」
「おまっ……! もしかして、ずっと薄々感づいてたけど、信じてなかったのか!?」
「あ、えっと……そのっ……うん……ごめん……」
「俺の告゛白゛!!!!!!」
やっぱり俺たちに雰囲気なんて無いのだろうか。重たい空気がコメディへと一転する。
(まぁ、良かったんだよな。これで)
フッ……と笑えば、ソラが俺の前でオロオロとしていた。
*******
もうすぐ終わりますーー!(多分)
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読んで頂けると嬉しいです
ソラが観念した様子で、ポツポツと話始めた。やっぱり俺とソラは巨人と人間だ。俺からしたら、ただ大きさだけが違うだけなのに、それでもソラにとっては悩みの種になってしまったらしい。それでも、悩んだ理由が俺の事を思って俺と距離を置こうとしてくれたのは嬉しい。自分でも何だか拗らせてる気もするが、俺のためにということで、ちょっとときめいてしまった。(本当に俺ってチョロイな??)
ソラの優しさを感じるが、やはり俺たちの考えには擦れ違いが生じている。この擦れ違いを、お互いのために早く解消しなくてはいけない。
(何と言ったら良いのだろう? 何と言ったら伝わるんだろう?)
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何度目かの「好き」の言葉。何度も伝えている言葉は、今度こそ真意が伝わってくれるだろうか? 頼む……! と願いながら心の中で祈る。それから俺の言葉に、首を縦に振りながら答えるソラ。
「うん、知ってるよ。高見は優しいから、僕のことも家族みたいに好きでいてくれるからね。でも、無理しなくて良いんだよ」
「……がう」
「家族みたい」────そう言われた時、思わず口が動いてしまった。
「え?」
(また伝わらなかった……)
「ち、がう……違う。いや、違わない。俺はソラのことを好きだけど。その好きとは別の好きがあって……!」
ああ、最悪だ。
リタさんからアドバイスを貰ったのに。今度こそ言うなら、完璧に伝わるようにちょっと良い雰囲気になった時にとか。期待したり、色んなことを考えていたりしたわけだが、実際のところそんな余裕なんか無かった。
「今」どうにかしないと、ソラと次がないような気がした──────。
「ソラ、俺な? ソラに食べて欲しいくらいソラのことが好きなんだよ」
「なっ……! それって……」
ソラの顔色が変わる。リタさんのおかげだろうか。悲しそうな表情が一変し、顔が赤くなって、戸惑う様子のソラ。信じられないとでも言いたげな様子に、どうして信じられないと思ったのか聞きたくなる。俺は、最初から一目惚れしてたっていうのに。
「信じてくれソラ。俺、ソラに一目惚れしてるんだぜ?」
「なっ……なななっ……!」
「初めて会った湖のところで、もうソラのことが大好きだったんだ」
「待って!」
ストップ! と俺の前に出て来たソラの手の平。もう片方の手の平は、ソラの顔を覆っている。その顔は見なくても分かる。耳まで真っ赤だ。
「待って……。ちょっと頭が追いつかなくて……」
「いくらでも待ってやるぜ。時間は沢山あるからな」
「高見ってば、本当に僕のことが好きだったの……?」
「おまっ……! もしかして、ずっと薄々感づいてたけど、信じてなかったのか!?」
「あ、えっと……そのっ……うん……ごめん……」
「俺の告゛白゛!!!!!!」
やっぱり俺たちに雰囲気なんて無いのだろうか。重たい空気がコメディへと一転する。
(まぁ、良かったんだよな。これで)
フッ……と笑えば、ソラが俺の前でオロオロとしていた。
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