39 / 53
■ベッドを買いに来たものの⑤
しおりを挟む自好さんと見放ちゃんと無子で遊ぶことが少し珍しくなってきたある日、自好さんと見放ちゃんはシーシャをしに行くと言って終電ギリギリの駅前で帰ろうとしていた無子に伝えた。
無子はシーシャにいいイメージを持っていなかったので行くか悩んでいると、自好さんが、
「行きたくないなら来なければいい。」
と言った。
多分、無子がちょくちょく出す自分の時間を台無しにされた時の不機嫌な態度を見たくなかったからだろう。
だから無子は酔って少し足がおぼつかない2人を背に電車に乗り、家に帰った。
けど、一人暮らしで同い年の見放ちゃんの安否が不安でメッセージや自好さんのことが好きな男性とそのことで少し電話していると、すぐに自好さんからそのことについて電話が来た。
向こうからしたら余計なお世話で、過保護過ぎると言って自好さんと見放ちゃんに無子はキレられた。
その中で自好さんはそういう話をするなら私たちのことを知らない友達にしろと言ったので、無子は高校卒業しても繋がりがあった面倒ちゃんに話した。
けど、それから面倒ちゃんは連絡をくれなくなった。
きっと別世界の人になったとか思ってしまったのか、単に無子とのメッセージが面倒になってしまったのか。
それは面倒ちゃん本人しか知らないけれど、無子の友達がふわっと1人いなくなったのは事実。
無子はやっぱり“友達”という関係性を構築するのがど下手くそですぐに壊れる。
だからその次の日、自好さんと見放ちゃんに会うと昔されたいじめレベルの素っ気なさで会話をされて無子はもう2人との関係がだるくなった。
無子はそれで2人の関係も終わり、学校では1人でいいやと腹をくくっていると自好さんに名前を呼ばれたのでその場に行く。
「何?」
「『何?』じゃなくね?」
無子はその語尾の強い自好さんが嫌になる。
「なんで私たちに構うの?親じゃあるまいし。」
「そうだよ。そういうのうざったい。」
…はあ。
もういいって。
無子はそう思い、もういいと言って2人との会話を辞めてその場からいなくなろうとすると、自好さんが、
「ぶつかれよ。なんでぶつかってこないの?」
と、怒ってきた。
無子はその意味が分からずに困惑する。
だって、私が面倒くさいから2人はイラついてるんだよね?
だったら一緒にいないっていうのが賢明な考えじゃない?
「ぶつかる意味がなくない?」
無子は意味を見出せない喧嘩を早く終わらせたくて本音を伝える。
すると、見放ちゃんが、
「私にああいうメッセージ送らないで。無子は私のこと下に見てるんだろうけど、私も一応大人だから。」
と言った。
きっとここで2人との関係性を終わらせていれば、面倒くさい関係性を続けなくてよかったのかもしれない。
けど、初めての彼氏にも出会うことはなかった。
だから2人には夜遊びと女っぷりを教えてくれたことを感謝してるよ。
そんな脆い友情関係を繋ぎとめた無子は秋にちょっとした運命的な出会いをした。
環流 虹向/子宮が疼く愛が欲しい
無子はシーシャにいいイメージを持っていなかったので行くか悩んでいると、自好さんが、
「行きたくないなら来なければいい。」
と言った。
多分、無子がちょくちょく出す自分の時間を台無しにされた時の不機嫌な態度を見たくなかったからだろう。
だから無子は酔って少し足がおぼつかない2人を背に電車に乗り、家に帰った。
けど、一人暮らしで同い年の見放ちゃんの安否が不安でメッセージや自好さんのことが好きな男性とそのことで少し電話していると、すぐに自好さんからそのことについて電話が来た。
向こうからしたら余計なお世話で、過保護過ぎると言って自好さんと見放ちゃんに無子はキレられた。
その中で自好さんはそういう話をするなら私たちのことを知らない友達にしろと言ったので、無子は高校卒業しても繋がりがあった面倒ちゃんに話した。
けど、それから面倒ちゃんは連絡をくれなくなった。
きっと別世界の人になったとか思ってしまったのか、単に無子とのメッセージが面倒になってしまったのか。
それは面倒ちゃん本人しか知らないけれど、無子の友達がふわっと1人いなくなったのは事実。
無子はやっぱり“友達”という関係性を構築するのがど下手くそですぐに壊れる。
だからその次の日、自好さんと見放ちゃんに会うと昔されたいじめレベルの素っ気なさで会話をされて無子はもう2人との関係がだるくなった。
無子はそれで2人の関係も終わり、学校では1人でいいやと腹をくくっていると自好さんに名前を呼ばれたのでその場に行く。
「何?」
「『何?』じゃなくね?」
無子はその語尾の強い自好さんが嫌になる。
「なんで私たちに構うの?親じゃあるまいし。」
「そうだよ。そういうのうざったい。」
…はあ。
もういいって。
無子はそう思い、もういいと言って2人との会話を辞めてその場からいなくなろうとすると、自好さんが、
「ぶつかれよ。なんでぶつかってこないの?」
と、怒ってきた。
無子はその意味が分からずに困惑する。
だって、私が面倒くさいから2人はイラついてるんだよね?
だったら一緒にいないっていうのが賢明な考えじゃない?
「ぶつかる意味がなくない?」
無子は意味を見出せない喧嘩を早く終わらせたくて本音を伝える。
すると、見放ちゃんが、
「私にああいうメッセージ送らないで。無子は私のこと下に見てるんだろうけど、私も一応大人だから。」
と言った。
きっとここで2人との関係性を終わらせていれば、面倒くさい関係性を続けなくてよかったのかもしれない。
けど、初めての彼氏にも出会うことはなかった。
だから2人には夜遊びと女っぷりを教えてくれたことを感謝してるよ。
そんな脆い友情関係を繋ぎとめた無子は秋にちょっとした運命的な出会いをした。
環流 虹向/子宮が疼く愛が欲しい
17
お気に入りに追加
192
あなたにおすすめの小説
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞

見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)



家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる