【完結・BL】異世界転生してみたら、出会った巨人がめちゃくちゃタイプだった件【巨人×人間】

彩華

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■ベッドを買いに来たものの

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■ベッドを買いに来たものの

 「リタさん、こんにちは」

「あら、ソラと高見。いらっしゃい」

「リタ、お願いがあるんだけど」

「随分と早速な頼みじゃない」

天気は快晴の中、俺のベッドを買う目的で市場にやって来たのは巨人の市場だ。今では俺もこの市場じゃ珍しくなくなったのか、「人間がいるぞ!?」ということはなくなった。むしろ「高見いらっしゃい」だとか、「最近調子はどうだ?」とか。親しく声を掛けて貰えるようになっている。
今日は寄り道せずに、まっすぐにリタさんのお店へ。ドアを引けば、丁度先客のお客さんが帰るところだった。

「ソラが市場に出て来るようになるとはねぇ……」

「ははっ……」

「良いことだよ。高見のおかげかねぇ」

「そうですね」

年上らしい巨人の女性が、しみじみとした言い方で商品を受け取りながら出て行った。初対面した時の、あんなに髪が長かったソラが懐かしい。あのソラが!? という様子だったから、あの家で一人。毎日人間と仲良くなれれば……と見ていたんだろう。(人間側に映っている印象は、あまり良いものじゃなかったけど)

「高見? 髪の毛は無事に切れたのね。似合ってるわよ」

「有難う。リタさんのおかげだよ。リタさんの洋服、大人気で大繁盛だったんだから」

「でしょ~? 流石、私よね」

ふふん、と嬉しそうに胸を張るリタさんが可愛いかった。

「で? ソラの頼みっていうのは? 高見に新しい洋服のオーダーでも?」

「それも良いけど、今日は高見のベッドを買いに来たんだ。ある?」

「種類は多くないけど、そっちにあるわ」

「有難う。あとリタ。僕、ちょっと他のお店見て来るから高見のこと見てて貰える?」

「「え??」」

ソラが俺を置いて行く?
想定外のことに、俺もリタさんもキョトンと驚きの声を漏らした。まぁ、俺も子供じゃないし一人でいるのは平気だ。寧ろ、今までずっとソラと一緒にいたなと思うくらい。そうだよな、ソラにも一人の時間は大切だよな。うんうん。その間、数秒。

「良いぜ。ソラ、行って来いよ。俺はリタさんと良いベッドを探しておくから」

「うん」

「良いの、ソラ。私が高見を取っちゃうかもよ」

「……高見がリタの方が良いって言ったら、その時は仕方ないね」

「は??」

二度目の驚きの声は俺だけ。これはどういう意味だ? と思ったが、答えは出ず。ソラは呼び止める前に店を後にしていた。

「な……んだよ、あれ……」

俺よりもソラの様子が、やっぱりおかしい。

(もしかして俺、ソラに嫌われたのか……?)

******
繁忙とネタ切れでちょっと更新開くかもしれません
あと、話2,3つくらいでこのシリーズも完結扱いにするかもしれません(未定)
【宣伝】久しぶりに支部に二次投稿しました!良ければ読んで頂けると嬉しいです。R・性癖が出てる内容です
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