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■人間の街にやって来た
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■人間の街にやって来た
「おぉぉっ……! ミニサイズだ……!」
思わずミニサイズなんて言葉が口から出てしまった。
久しぶりに、自身が異世界転生する前までの生活をしていたサイズで溢れている。同じくらいの高さに、同じくらいの人々。それから子供に動物。ああ、それと露わになっていない素肌! ちゃんと服を着ている人を見るのも久しぶり。
「建物も人間サイズだ。うぉぉ! 食べ物も美味しそうだなぁ」
ここが人間の街かぁと思いながら、若干テンションは上がったものの、正直な感想は「普通」だった。(贅沢な感想だと思う)
そりゃあ、懐かしさは感じるし楽しさはあるが物足りない。(本当に贅沢な感想だな)
「っと……観光気分はこの辺にしとかないとな。俺の目的は、髪を切る事だし。それにはお金が必要になるわけだが……」
一人興奮気味に周囲を見てしまったが、特に俺に変な目が向けられている様子はなかったので安心した。だが、勝手が分からない。郷に入っては郷に従え。同じ人間同士ではあるが、まずは情報収取をしなくては。……ちょっと異世界転生してる感があって良いな。なんか昔やったロープレのゲームみたいだと少しワクワクした。
「あの、すみません」
思い切って、近くを通った人に声を掛けてみる。「はい」と脚を止めてくれ、俺の方を向きなおしてくれた。
「はい、どうしました?」
「あのっ。俺、この街は初めて来て……。髪を切りたいんですが、そういうお店はありますか? それに、お金を作るために作った洋服を持ってきたんですが、その辺で売っても大丈夫ですか?」
「初めて? 他の街も遠くにあると聞いたことがあるけど、君はそこから来たの?」
「まぁ、そんなところですかね?」
思わず疑問形になってしまった。まぁ、嘘は言っていない。
「それなら、あの噴水周辺の場所は町のフリースペースみたいなものだし、君みたいな人が色々お店を出しているから行ってみると良いよ」
「有難うございます!」
「でも、君よく無事でこの街へ来られたね」
「?」
「いや、この街の婿にある森に巨人が良く来るんだよ。巨人ってのは、ほら……身体が凄く大きくて、人間を食べてしまうと聞くから」
「た……っ」
食べませんよ!? 何なら、多分その巨人と近くまで来たの俺ですけど!? と言ってしまえば、ヤバイ奴だと思われてしまう。咄嗟に出かけた言葉を飲み込んで、営業時代に培った作り笑顔を浮かべて言った。
「た、楽しみだなぁ! さぁ、沢山売るぞ~!」
(ソラは、そんなことしないのに)
ソラに限らず、巨人は皆人間と変わらないのに。知らないことへの恐怖は仕方がないことだが、理解しようとしない。ソラが人間と仲良くしたくても出来ない状況が、何だか歯がゆかった。
********
【宣伝】ほか連載にて、「【BL】インキュバス君は魔王様に恋してる!」を投稿始めました
まだ話数は少ないですが、読んで頂けると幸いです(^^)
宜しくお願い致します
「おぉぉっ……! ミニサイズだ……!」
思わずミニサイズなんて言葉が口から出てしまった。
久しぶりに、自身が異世界転生する前までの生活をしていたサイズで溢れている。同じくらいの高さに、同じくらいの人々。それから子供に動物。ああ、それと露わになっていない素肌! ちゃんと服を着ている人を見るのも久しぶり。
「建物も人間サイズだ。うぉぉ! 食べ物も美味しそうだなぁ」
ここが人間の街かぁと思いながら、若干テンションは上がったものの、正直な感想は「普通」だった。(贅沢な感想だと思う)
そりゃあ、懐かしさは感じるし楽しさはあるが物足りない。(本当に贅沢な感想だな)
「っと……観光気分はこの辺にしとかないとな。俺の目的は、髪を切る事だし。それにはお金が必要になるわけだが……」
一人興奮気味に周囲を見てしまったが、特に俺に変な目が向けられている様子はなかったので安心した。だが、勝手が分からない。郷に入っては郷に従え。同じ人間同士ではあるが、まずは情報収取をしなくては。……ちょっと異世界転生してる感があって良いな。なんか昔やったロープレのゲームみたいだと少しワクワクした。
「あの、すみません」
思い切って、近くを通った人に声を掛けてみる。「はい」と脚を止めてくれ、俺の方を向きなおしてくれた。
「はい、どうしました?」
「あのっ。俺、この街は初めて来て……。髪を切りたいんですが、そういうお店はありますか? それに、お金を作るために作った洋服を持ってきたんですが、その辺で売っても大丈夫ですか?」
「初めて? 他の街も遠くにあると聞いたことがあるけど、君はそこから来たの?」
「まぁ、そんなところですかね?」
思わず疑問形になってしまった。まぁ、嘘は言っていない。
「それなら、あの噴水周辺の場所は町のフリースペースみたいなものだし、君みたいな人が色々お店を出しているから行ってみると良いよ」
「有難うございます!」
「でも、君よく無事でこの街へ来られたね」
「?」
「いや、この街の婿にある森に巨人が良く来るんだよ。巨人ってのは、ほら……身体が凄く大きくて、人間を食べてしまうと聞くから」
「た……っ」
食べませんよ!? 何なら、多分その巨人と近くまで来たの俺ですけど!? と言ってしまえば、ヤバイ奴だと思われてしまう。咄嗟に出かけた言葉を飲み込んで、営業時代に培った作り笑顔を浮かべて言った。
「た、楽しみだなぁ! さぁ、沢山売るぞ~!」
(ソラは、そんなことしないのに)
ソラに限らず、巨人は皆人間と変わらないのに。知らないことへの恐怖は仕方がないことだが、理解しようとしない。ソラが人間と仲良くしたくても出来ない状況が、何だか歯がゆかった。
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まだ話数は少ないですが、読んで頂けると幸いです(^^)
宜しくお願い致します
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