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■なんだかんだで市場は楽しかった
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■なんだかんだで市場は楽しかった
「……というわけなんだ」
ソラが質問攻めにあったが、皆に落ち着いてと声をかけ。ゆっくりと今日までの事の経緯を話した。他の巨人たちも、わぁっ……! となったものの、今では落ち着いている。
(巨人て乱暴な奴とかもいるのかなと思ってたけど、皆大人しいんだな)
ソラの説明を聞き終え、皆うんうんと考えながら俺とソラの顔を交互に見返す。一人が、スッと俺を指さして、復習のように言葉を続けた。
「ふーん。その高見は、イセカイテンセイってのをしてきたのね?」
「そういうことみたい」
「それで、普通の人間と違って大きいものが好きと」
「そうなんだって。だから、僕のことも怖がらなかったし、市場にも来たいって言い張って留守番してくれなかったんだよ」
違うのは、今の光景。ソラの頭の上から落りて、手の平にちょこんと座っている。
じっ……と大きな目が俺を見つめるが怖くない。
途中、ソラがまだ俺が留守番をしなかったことを根に持っているなと思いながら、巨人たちに愛想よく笑顔を向けた。
「さっき自己紹介しちゃったけど、俺は高見。よろしくな」
「本当に、怖がらないのね。人間は私たちを見かけると悲鳴を上げるのに」
「ね? 高見は凄い人間なんだよ。じゃあ、僕たちは買うものがあるから……」
「待って、ソラ。何を買うか当ててあげましょうか? 高見の洋服でしょう?」
「そうだけど……」
「そうなのか!?」
結構まだクローゼットの中に洋服あるのに!? と思ったが、言わない方が良いだろう。
「そうよ。高見、知らないの? ソラは人間が大好きなのよ。巨人ってだけで人間から、巨人は怖がられているのに不思議よね」
「だって人間だって、大きさが違うだけで僕たちと同じだから……人間のことが知りたいんだ」
「ソラ、怒らないでよ。悪気があったわけじゃないのよ? ほら♡洋服の品揃えはバッチリだから、好きな洋服を選んでって言いたかっただけなの」
そう言うと、ソラと話していた女性の巨人が木箱のようなものを取り出して中を見せた。中にあったのは、巨人からしたら小さな洋服。
「この人、洋服屋さんなのか?」
「うん。リタは手先が器用で、沢山人間の洋服を作っているんだよ。リタだって人間が好きなのにね」
「そうね。着せ替え人形感覚で可愛いとは思っているけれど……」
ニコリと微笑んだリタさんが、やや前のめりになりながら俺に近づいて笑った。
「高見、着てみない?」
これとか♡と広げた洋服は、明らかに女性もの。ヒラヒラの可愛いワンピースを、良い年をした成人男性に着せたいらしい。
「あ、えと……それは……人間の女性が着るもので……」
「あら、知ってたの。可愛いわよね。このヒラヒラ」
ジリジリとリタさんが近づいてきて、ワンピースの圧が凄い。いや、だが着るわけには……! ほら、公衆の面前だし? ソラだっているわけだし。
「リタさん、気持ちはありがたいんですが……それは……」
(誰か助けてくれ~)
そんな俺の心を読んでか、ソラが助け舟を出してくれた。
「リタ。そのくらいにしてよ。高見が困ってるよ」
「ソラ」
可愛い顔をしているのに、頼りになる~! は~、好きだ~!
なんてニヤついてしまった俺をよそに、リタさんは諦めないらしい。
「どうしても駄目?」
俺と同じように、今度はソラを上目遣いでリタさんが見つめたが効果は無かった。
「駄目」
「そう……」
見るからにシュンとしたリタさん。少しだけ罪悪感で胸が痛んだが、仕方がない。そんな可愛い洋服は俺には……なんて思っていたがソラが言った。
「がっかりしないで、リタ。その洋服は貰うから」
「は?????」
何で? ソラの平の上で置いてけぼりのまま、ソラがお金を支払いリタさんがワンピース意外にも洋服を手渡していた。
「まいどあり♡」
じゃあねと手を振って俺たちの前から去っていくリタさん。(大きい)
「あの~。ソラさん? その洋服は……」
「高見が恥ずかしくないように、僕と二人きりの時に着てね」
ニコリとワンレンのサイドの髪を揺らしながら微笑んだ顔は本当に可愛かったが、内容は全然可愛くなかった。だが、惚れた弱みという言葉がある通り。
「し……かたねぇな……」
ソラに惚れているいる俺は、結局ソラの頼みを断れないのだ。
それからまぁ……なんだかんだで、市場は楽しかった。
*******
「……というわけなんだ」
ソラが質問攻めにあったが、皆に落ち着いてと声をかけ。ゆっくりと今日までの事の経緯を話した。他の巨人たちも、わぁっ……! となったものの、今では落ち着いている。
(巨人て乱暴な奴とかもいるのかなと思ってたけど、皆大人しいんだな)
ソラの説明を聞き終え、皆うんうんと考えながら俺とソラの顔を交互に見返す。一人が、スッと俺を指さして、復習のように言葉を続けた。
「ふーん。その高見は、イセカイテンセイってのをしてきたのね?」
「そういうことみたい」
「それで、普通の人間と違って大きいものが好きと」
「そうなんだって。だから、僕のことも怖がらなかったし、市場にも来たいって言い張って留守番してくれなかったんだよ」
違うのは、今の光景。ソラの頭の上から落りて、手の平にちょこんと座っている。
じっ……と大きな目が俺を見つめるが怖くない。
途中、ソラがまだ俺が留守番をしなかったことを根に持っているなと思いながら、巨人たちに愛想よく笑顔を向けた。
「さっき自己紹介しちゃったけど、俺は高見。よろしくな」
「本当に、怖がらないのね。人間は私たちを見かけると悲鳴を上げるのに」
「ね? 高見は凄い人間なんだよ。じゃあ、僕たちは買うものがあるから……」
「待って、ソラ。何を買うか当ててあげましょうか? 高見の洋服でしょう?」
「そうだけど……」
「そうなのか!?」
結構まだクローゼットの中に洋服あるのに!? と思ったが、言わない方が良いだろう。
「そうよ。高見、知らないの? ソラは人間が大好きなのよ。巨人ってだけで人間から、巨人は怖がられているのに不思議よね」
「だって人間だって、大きさが違うだけで僕たちと同じだから……人間のことが知りたいんだ」
「ソラ、怒らないでよ。悪気があったわけじゃないのよ? ほら♡洋服の品揃えはバッチリだから、好きな洋服を選んでって言いたかっただけなの」
そう言うと、ソラと話していた女性の巨人が木箱のようなものを取り出して中を見せた。中にあったのは、巨人からしたら小さな洋服。
「この人、洋服屋さんなのか?」
「うん。リタは手先が器用で、沢山人間の洋服を作っているんだよ。リタだって人間が好きなのにね」
「そうね。着せ替え人形感覚で可愛いとは思っているけれど……」
ニコリと微笑んだリタさんが、やや前のめりになりながら俺に近づいて笑った。
「高見、着てみない?」
これとか♡と広げた洋服は、明らかに女性もの。ヒラヒラの可愛いワンピースを、良い年をした成人男性に着せたいらしい。
「あ、えと……それは……人間の女性が着るもので……」
「あら、知ってたの。可愛いわよね。このヒラヒラ」
ジリジリとリタさんが近づいてきて、ワンピースの圧が凄い。いや、だが着るわけには……! ほら、公衆の面前だし? ソラだっているわけだし。
「リタさん、気持ちはありがたいんですが……それは……」
(誰か助けてくれ~)
そんな俺の心を読んでか、ソラが助け舟を出してくれた。
「リタ。そのくらいにしてよ。高見が困ってるよ」
「ソラ」
可愛い顔をしているのに、頼りになる~! は~、好きだ~!
なんてニヤついてしまった俺をよそに、リタさんは諦めないらしい。
「どうしても駄目?」
俺と同じように、今度はソラを上目遣いでリタさんが見つめたが効果は無かった。
「駄目」
「そう……」
見るからにシュンとしたリタさん。少しだけ罪悪感で胸が痛んだが、仕方がない。そんな可愛い洋服は俺には……なんて思っていたがソラが言った。
「がっかりしないで、リタ。その洋服は貰うから」
「は?????」
何で? ソラの平の上で置いてけぼりのまま、ソラがお金を支払いリタさんがワンピース意外にも洋服を手渡していた。
「まいどあり♡」
じゃあねと手を振って俺たちの前から去っていくリタさん。(大きい)
「あの~。ソラさん? その洋服は……」
「高見が恥ずかしくないように、僕と二人きりの時に着てね」
ニコリとワンレンのサイドの髪を揺らしながら微笑んだ顔は本当に可愛かったが、内容は全然可愛くなかった。だが、惚れた弱みという言葉がある通り。
「し……かたねぇな……」
ソラに惚れているいる俺は、結局ソラの頼みを断れないのだ。
それからまぁ……なんだかんだで、市場は楽しかった。
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