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■また留守番を提案されたけれど一緒に来た
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■また留守番を提案されたけれど一緒に来た
「……ねぇ、高見。やっぱり留守番にしない?」
「しない」
「えー……」
ちょこんとソラのフワフワの髪の上に座り込み、出かける前のやり取り。ソラが珍しく俺に留守番をしないか? と最後まで粘っていた。家を出て少し経った今もそう。
今なら、すぐに帰れるよ? と留守番をさせようとしてくる。
「俺はソラと一緒に巨人たちの市場に行くんだって」
絶対留守番なんてしないぞ! と抜けない程度に髪を引っ張れば、ソラが諦めたのか「分かった」と呟いた。
(優しいソラが、こんなに粘るなんて)
何だか意外だと思いながら、また調子に乗ってしまいそうになるのを律する。
「なぁ、市場って遠いのか?」
「そんなことないよ。お昼前には着くと思う」
「お昼前って……」
さっき朝風呂から着替えて出たばかりだ。それでも時間は過ぎているというのに、巨人の脚からすれば、長距離もなんのそのなんだろうなと思いながら、再び絶景を堪能し始める俺。
ズゥン……ズゥン……と遊園地のアトラクションに乗っている感じで森の中を進んで暫くすると、ソラの言う通り。昼前には、巨人たちの市場についた。
遠目からでも分かるほど、森の中一面が切り取られたようにポッカリ木が無くなり。人間の住む町のような賑わいのある風景が見て取れた。
「うわ~! すげぇ~~! デカッ!!」
「ほら。高見ってば、もう喜んでる」
「それは……仕方ないぜ」
「も~!」
今では互いに距離が近くなり、こんなことを言い合える関係になったのは素直に嬉しい。だが、やっぱり俺はソラのことが恋愛的な意味で好きなわけで。
(今日だって、玩具を取られたくないという嫉妬と違う嫉妬をしてくれたらなぁ……)
はぁ……と、また両手にソラの髪を掴みつつ。ソラにバレない程度に項垂れた俺。
(恋愛って難しいな)
そりゃあ童貞で巨人が初恋相手の俺には、色々と難しいはずだと思っていると遠目に見えていた距離はすぐに縮まり。
「ソラ!?」
「え、ソラなの?」
「皆、久しぶり」
「ソラ、凄い雰囲気変わったね」
(うわ、うわぁあああ……巨人が、こんなに沢山……!)
市場の中へ足を踏み入れれば、そこは巨人の園。
選り取り見取りと言わんばかりに、当たり前だが視界一杯に巨人が映っていた。ソラに気付いた巨人が、嬉しそうにソラに近づく。長かった髪が整えられている様に驚いているのだろう。「ソラ、綺麗になったね」と褒められる声があとを絶たない。
俺はソラの髪の毛の間に隠れながら、本当天国だと歓喜の声を漏らしていた。
「ソラ、一体何があったの?」
「えっと、それは……そのっ……人間に」
「人間?」
俺のことだ~! と思いながら、大きい巨人ばかりの光景にテンションが上がっている俺は怖気づくことなく。隠れていた髪の間から立ち上がり、「俺!」と存在を主張していた。
「俺! 俺がその人間!」
「え、やだっ。本当に人間だわ」
「ソラどういうこと?」と、またソラは質問攻めにされる様を俺は頭上で見下ろしてた。
********
「……ねぇ、高見。やっぱり留守番にしない?」
「しない」
「えー……」
ちょこんとソラのフワフワの髪の上に座り込み、出かける前のやり取り。ソラが珍しく俺に留守番をしないか? と最後まで粘っていた。家を出て少し経った今もそう。
今なら、すぐに帰れるよ? と留守番をさせようとしてくる。
「俺はソラと一緒に巨人たちの市場に行くんだって」
絶対留守番なんてしないぞ! と抜けない程度に髪を引っ張れば、ソラが諦めたのか「分かった」と呟いた。
(優しいソラが、こんなに粘るなんて)
何だか意外だと思いながら、また調子に乗ってしまいそうになるのを律する。
「なぁ、市場って遠いのか?」
「そんなことないよ。お昼前には着くと思う」
「お昼前って……」
さっき朝風呂から着替えて出たばかりだ。それでも時間は過ぎているというのに、巨人の脚からすれば、長距離もなんのそのなんだろうなと思いながら、再び絶景を堪能し始める俺。
ズゥン……ズゥン……と遊園地のアトラクションに乗っている感じで森の中を進んで暫くすると、ソラの言う通り。昼前には、巨人たちの市場についた。
遠目からでも分かるほど、森の中一面が切り取られたようにポッカリ木が無くなり。人間の住む町のような賑わいのある風景が見て取れた。
「うわ~! すげぇ~~! デカッ!!」
「ほら。高見ってば、もう喜んでる」
「それは……仕方ないぜ」
「も~!」
今では互いに距離が近くなり、こんなことを言い合える関係になったのは素直に嬉しい。だが、やっぱり俺はソラのことが恋愛的な意味で好きなわけで。
(今日だって、玩具を取られたくないという嫉妬と違う嫉妬をしてくれたらなぁ……)
はぁ……と、また両手にソラの髪を掴みつつ。ソラにバレない程度に項垂れた俺。
(恋愛って難しいな)
そりゃあ童貞で巨人が初恋相手の俺には、色々と難しいはずだと思っていると遠目に見えていた距離はすぐに縮まり。
「ソラ!?」
「え、ソラなの?」
「皆、久しぶり」
「ソラ、凄い雰囲気変わったね」
(うわ、うわぁあああ……巨人が、こんなに沢山……!)
市場の中へ足を踏み入れれば、そこは巨人の園。
選り取り見取りと言わんばかりに、当たり前だが視界一杯に巨人が映っていた。ソラに気付いた巨人が、嬉しそうにソラに近づく。長かった髪が整えられている様に驚いているのだろう。「ソラ、綺麗になったね」と褒められる声があとを絶たない。
俺はソラの髪の毛の間に隠れながら、本当天国だと歓喜の声を漏らしていた。
「ソラ、一体何があったの?」
「えっと、それは……そのっ……人間に」
「人間?」
俺のことだ~! と思いながら、大きい巨人ばかりの光景にテンションが上がっている俺は怖気づくことなく。隠れていた髪の間から立ち上がり、「俺!」と存在を主張していた。
「俺! 俺がその人間!」
「え、やだっ。本当に人間だわ」
「ソラどういうこと?」と、またソラは質問攻めにされる様を俺は頭上で見下ろしてた。
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