【完結・BL】異世界転生してみたら、出会った巨人がめちゃくちゃタイプだった件【巨人×人間】

彩華

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■慣れてきたころ

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■慣れてきたころ

 異世界転生したものの、思いのほか俺の適応能力は高かったらしい。
初日の緊張も無くなり、一日。もう一日と巨人であるソラと同棲を始めて時間が経っていた。

「あ~~~~、気持ち良い」

ちゃぷっ……と今では、コップの風呂にも慣れたもの。やっぱり水よりも風呂に入りたいと、ソラにお願いしてわざわざぬるま湯を作って貰った。俺のお願いに、「良いよ」と二つ返事で対応してくれるソラ。(優しい)
更には小さなコルクを薄く切ってもらい、浮き輪代わりに。まるでバカンスでも楽しんでいるかのように、コップの風呂を堪能しているときている。しかも朝風呂だ。いや、完璧にバカンスだな?

(現代社会だったなら、毎日何時に帰れるんだろうかとか、今日の晩飯はコンビニかスーパーかとかで悩んでいたのにな)

異世界に来てから、毎日何かに追われることもなければ、食べ物の心配もしていない。夜だって、ゆっくりと眠れる。おまけに一人ではなく、誰かに「おはよう」と言える喜び。全部、以前の世界だったなら考えられないことだ。

「幸せだなぁ……」

そう呟いて、またソラお手製の階段を下りてタオルの場所へ。ソラが俺のために脱衣場も作ってくれ、何の問題も無く着替えた。そして「ソラ!」と呼べば、俺に気を遣い背を向けていた身体が此方を向いた。

「高見、気持ち良かった?」

「あ、ああ……」

思わず変な変換をしてしまい、照れた俺。そんな俺に、ソラが「今日は……」と話を切り出した。

「ねぇ、高見。今日は買いものに行こうと思うんだけど」

「うん?」

「高見は危ないかもしれないから、留守番をしとく?」

「どうして危ないんだ?」

「だって、僕と同じ巨人の市場に行くんだよ?」

「何それ、天国じゃん」

(行く!)

「高見?」

うっかり心の声と、口を出る言葉が反対になってしまった。どうしたの? と首を傾げるソラに言い間違えだと訂正する。

「大丈夫だ、ソラ。俺は巨人怖くないし。それにソラも一緒だろう?」

「うん」

「なら大丈夫だ!」

俺が笑えば、今度はソラが頬を染めた。

「それにさ! イメチェンしたソラをお披露目しに行こうぜ」

「高見がそう言うなら……」

ちょっとばかし甘い雰囲気になる。正直、ソラへの気持ちを自覚している俺からしたら、調子に乗ってしまいそうになってしまう。

(このまま、押していけば成就するんじゃ……)

こんな風に、調子に乗ってしまうんだ。

「じゃあ、絶対高見は僕の側を離れないでね?」

「勿論だ! あ、そうだ。じゃあ、イメチェンしたソラに倣って、俺もお洒落していくかな」

俺がそう言えば、あの優しく笑顔だったソラの表情が曇った。

「ソラ?」

「高見は大きいのが好きだから、僕心配だよ」

それってさ! 脈ありってことで良いのか? と言えず。ただ、「俺はソラが好きだよ」と言って胡麻化すので精一杯だった。

******
思いのほか早く完結させるかもしれません><
【宣伝】ほか、いくつか完結しているBLがありますので、読んで頂けると嬉しいです(^^)

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