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■水浴びをしたものの■
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■水浴びをしたものの■
朝から久しぶりに温かな手料理を食べ。目の前には可愛い巨人がいる。
(朝から最高の目覚めか~)
今頃、俺のいた世界はどうなっているだろう? と思ったが、考えるのは野暮だと思考を停止する。そんなことよりも、今の生活だ。
以前の世界では満たされなかった、大きなものが目の前にある。おまけに、恋までしちゃって、俺は今とても気分が良い。
「高見、それだけで足りるの?」
「ん?」
俺を気遣いながら、大きな指で器用に小さな皿へスープを注いでくれたソラ。ミニチュアサイズだろうに、わざわざ更に入れてくれるなんて……。(俺だったら、ごめんな~でコップとかに入れて渡して終わりだ。)
「パンも食べなよ」
そう言って、小さく小さく千切られ、頭上からパラパラと降ってくるパンは、さながら魚の餌やりに似ていると思った。
「有難う、ソラ」
「高見がいきなり倒れるから、本当に僕心配したんだからね」
「いや~。俺も、まさか気を失おうとは思わなかったぜ」
食事を済ませ、満腹になった。腹いっぱいだとソラにも分かるように、腹をポンポンと叩きながらジェスチャー。その時ふと思ったのは、俺臭わないか? ってこと。
(そういえば、二日風呂に入っていないことになるのか?)
服を着替えた時は気にならなかったが、気になりだすと、気が気じゃない。髪がベタついている気もするし、汗臭いような気もする。そんな俺の気持ちは、今じゃ恋する乙女。
(ソラに臭いとか思われたら嫌だ!)
チラリとソラを見上げれば、特に気にすることなく。笑顔のままのソラ。
「どうしたの、高見? 本当は、まだお腹減ってる?」
「違う。もう入らないぜ。あのー……そのっ。俺、臭くねぇか?」
「?」
「もう二日も風呂に入ってないから、汗臭くて……」
「僕は、たまに湖に水浴びにいく程度だけど、人間は毎日水浴びをするっていうもんね。なら、コップの中に水を入れて来るから水浴びして良いよ。ついでに着替えの服も取って来るね」
「神か」
ああ、巨人だったと一人のツッコミを入れた。
「神? 僕、巨人だけど……」
「そうだけど、こう。神様みたいに最高ってことだ」
「照れちゃうな」
冷静な返しに、少しだけ精神的なダメージを受ける俺。一旦席を立っていたソラが返事をしながら戻って来た時、その手には木製のコップが握られていた。
「高見、溺れないかな? 心配だなぁ……よいしょっと」
コップも大きなサイズだけあり、心配したソラが適当に物を階段状に重ねた。それから布も敷いて、側に衣服も置いた。
「その布の上で身体とか拭いたら良いよ。下着も一緒に置いておいたから。僕は……ちょっと庭を片付けれ来るから、ゆっくりしてて」
「有難う」
そう言って、ソラの言葉に甘えた俺は一人。有名な話のワンシーンのように、小さくなる薬を飲んだ主人公のように大きなものに囲まれながら衣服を脱いだ。そのまま階段を上り、コップの風呂へとジャンプする。
「大きなプールみたいだ!」
バシャッ! と跳ねた水を気にすることなく。立ち泳ぎをしたり、脱力して浮いてみたりと自由に過ごした。
「ふ~~っ、サッパリしたぁ~」
身体のベタつきは無くなり、布の上へ。下着まで準備してあるとは、ソラは人間について詳しいんだなぁと思ったのは準備された衣服に手を伸ばすまで。手にした下着を広げた時、俺は思わず膝をついた。
────ピラッ。
「お゛っ……!」
(女物の下着だ~~~~~~!!!!!)
それは三角形の、俺には随分と小さなサイズの下着だった。
どうしたのか? 俺が下着を履いているかノーパンなのかは、俺とソラだけが知って入れが良いので黙っていることにする。って、誰に語ってるんだ? 俺。
******
朝から久しぶりに温かな手料理を食べ。目の前には可愛い巨人がいる。
(朝から最高の目覚めか~)
今頃、俺のいた世界はどうなっているだろう? と思ったが、考えるのは野暮だと思考を停止する。そんなことよりも、今の生活だ。
以前の世界では満たされなかった、大きなものが目の前にある。おまけに、恋までしちゃって、俺は今とても気分が良い。
「高見、それだけで足りるの?」
「ん?」
俺を気遣いながら、大きな指で器用に小さな皿へスープを注いでくれたソラ。ミニチュアサイズだろうに、わざわざ更に入れてくれるなんて……。(俺だったら、ごめんな~でコップとかに入れて渡して終わりだ。)
「パンも食べなよ」
そう言って、小さく小さく千切られ、頭上からパラパラと降ってくるパンは、さながら魚の餌やりに似ていると思った。
「有難う、ソラ」
「高見がいきなり倒れるから、本当に僕心配したんだからね」
「いや~。俺も、まさか気を失おうとは思わなかったぜ」
食事を済ませ、満腹になった。腹いっぱいだとソラにも分かるように、腹をポンポンと叩きながらジェスチャー。その時ふと思ったのは、俺臭わないか? ってこと。
(そういえば、二日風呂に入っていないことになるのか?)
服を着替えた時は気にならなかったが、気になりだすと、気が気じゃない。髪がベタついている気もするし、汗臭いような気もする。そんな俺の気持ちは、今じゃ恋する乙女。
(ソラに臭いとか思われたら嫌だ!)
チラリとソラを見上げれば、特に気にすることなく。笑顔のままのソラ。
「どうしたの、高見? 本当は、まだお腹減ってる?」
「違う。もう入らないぜ。あのー……そのっ。俺、臭くねぇか?」
「?」
「もう二日も風呂に入ってないから、汗臭くて……」
「僕は、たまに湖に水浴びにいく程度だけど、人間は毎日水浴びをするっていうもんね。なら、コップの中に水を入れて来るから水浴びして良いよ。ついでに着替えの服も取って来るね」
「神か」
ああ、巨人だったと一人のツッコミを入れた。
「神? 僕、巨人だけど……」
「そうだけど、こう。神様みたいに最高ってことだ」
「照れちゃうな」
冷静な返しに、少しだけ精神的なダメージを受ける俺。一旦席を立っていたソラが返事をしながら戻って来た時、その手には木製のコップが握られていた。
「高見、溺れないかな? 心配だなぁ……よいしょっと」
コップも大きなサイズだけあり、心配したソラが適当に物を階段状に重ねた。それから布も敷いて、側に衣服も置いた。
「その布の上で身体とか拭いたら良いよ。下着も一緒に置いておいたから。僕は……ちょっと庭を片付けれ来るから、ゆっくりしてて」
「有難う」
そう言って、ソラの言葉に甘えた俺は一人。有名な話のワンシーンのように、小さくなる薬を飲んだ主人公のように大きなものに囲まれながら衣服を脱いだ。そのまま階段を上り、コップの風呂へとジャンプする。
「大きなプールみたいだ!」
バシャッ! と跳ねた水を気にすることなく。立ち泳ぎをしたり、脱力して浮いてみたりと自由に過ごした。
「ふ~~っ、サッパリしたぁ~」
身体のベタつきは無くなり、布の上へ。下着まで準備してあるとは、ソラは人間について詳しいんだなぁと思ったのは準備された衣服に手を伸ばすまで。手にした下着を広げた時、俺は思わず膝をついた。
────ピラッ。
「お゛っ……!」
(女物の下着だ~~~~~~!!!!!)
それは三角形の、俺には随分と小さなサイズの下着だった。
どうしたのか? 俺が下着を履いているかノーパンなのかは、俺とソラだけが知って入れが良いので黙っていることにする。って、誰に語ってるんだ? 俺。
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