【完結・BL】異世界転生してみたら、出会った巨人がめちゃくちゃタイプだった件【巨人×人間】

彩華

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■気付いたら好みの髪型を妄想していた■

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■気付いたら好みの髪型を妄想していた■

 テッテレ~。高見は住居を手に入れた!
と、昔やったポリコン調の懐かしいゲームだったら表示されているだろう。俺の異世界転生は、今のところ良い感じに進んでいる。順風満帆過ぎて怖い気もするが、たまにはこんな波が無い異世界転生があったって、誰も文句を言うまい。いや~~あの社畜現代世界と違って、なんて順調なんだろう。

一目惚れした巨人に、人間だからこそ出来る小さい者可愛いアピールをした効果があったのか、俺の「お願い」は無事に成功。ズゥンズゥン……! と揺れながら、更には高層マンション並みの高さの光景を見つめつつ、現在進行形で俺が向かっている場所はソラの家。

「高見、怖くない?」

「全然、怖いくないぜ!」

高所恐怖症じゃなくて良かったと思うほどの高さ。バンジージャンプの世界記録と、どっちが高いんだろうと思う。そんな高い場所ではあるが、大きな巨人の手の平でビッグ待遇を受けている。

先ほどまでいた場所が、あっという間に遠ざかっていく。俺一人で歩いていたら、森を出るだけでもどれだけ時間がかかっただろう。正直、生きているかも危うい。

「いやぁ~。本当に最初に会ったのが、ソラで良かったぜ」

ドドドド、ドタイプの巨人のうえ優しいだなんて。これはもう、恋人になるしかないな。うん。

「そう? 僕もそう言って貰えて嬉しいな。人間と仲良くなれるなんて信じられないよ」

ソラもよほど嬉しいのか、ずっとエヘヘと笑っている。(可愛い)

「あ、そうだ。そういえばソラの家ってどんなだ? もしかして家族とかいる?」

「ううん。僕は一人で住んでるよ。あと、近くに巨人はいないから安心して」

「そうなのか?」

「うん。僕って変わり者だから……」

先ほどまでの笑い声が消え、シュンとした気配を察知した俺。他の巨人がいないのは、少しばかり残念な気もするが、他の巨人がソラのように優しいかどうか分からない。なら、やっぱりソラだけで良い。

「まぁ、俺も変わり者だし。変わり者同士で良いんじゃねぇか?」

「高見……」

「な!」と頭上を見上げれば、俺を見下ろす瞳はやっぱり綺麗で見惚れた。ソラの前髪がサラリと降って来て、弾幕の降りたステージの上にいるよう。壇上の上のスポットライトかのように、キラキラと光る。(多分、俺はこのソラの目が弱点だ。何でも許してしまいたくなる)
やっぱり、この瞳が好きだ。ずっと見ていたい。

(そうだ。最初に、やりたいことが見つかったぞ)

「なぁ、ソラ。俺、ソラの家についたら早速やりたいことがあるんだけど」

「何?」

「ソラの髪の毛切って良いか?」

「え、髪?」

「ああ。やっぱりソラの瞳は綺麗だからさ。よく見えるようにしたいんだ」

「良いけど……高見は指示係ね」

「なんでだよ」

「だって、人間用のハサミは家にないんだもん」

「なら仕方ねぇな。じゃあ、ソラに似合いそうな髪型を考えてとくな」

最もなことを言われてしまえば、俺は黙るしかない。
ソラにはどんな髪型良いだろう? もう気持ちは恋する乙女だ。前髪パッツン? ショート? 坊主とかは絶対にないし、俺みたいな髪型も違う。こう……。と熟考すること数分。


(うん、ワンレンだな)


と。俺は、ソラの家に着くまで髪型のイメトレをしていた。

********
詰みました。え~ん
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