正義達は支配者の前で甘い火照りに狂わされる

五月雨時雨

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正義達は支配者の前で甘い火照りに狂わされる

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手首と、足首から先を内部に閉じ込めた球状の装置は、雄々しい筋肉に覆われた四肢に幾ら力を送っても外れない。
手足の指の使用を禁じた上で四肢を背にした地下室の壁へと縫い付ける装置は、自由を奪われた事実に焦りを募らせる男達がX字に引き延ばされた裸体を必死になって暴れさせてもビクともしない。

「うぐぅっ……むうぅ! ぐうぅっ……!」
「ふぅぅっ! もおぉ……!!」

文字通り、手も足も出せない。黒革で作られた枷によって上下から押さえ付けられた口では、怒りの言葉さえ放てない。
そんな無様な男達に取れる行動は自分と仲間を捕らえて壁に飾り、悠然とした態度でソファーに腰掛けながら観察を行っている憎き男に反抗を込めた意味の無い唸りを飛ばす程度が関の山だ。
無論、ありとあらゆる自由を封じられた男達がどんなに抗いの意思をぶつけてきても、観察者である男は痛くも痒くも無い。自分の周囲を愚かにも嗅ぎ回りまんまと罠に嵌まって生け捕りにされた狼獣人と虎獣人の捜査員が怒気を鋭い視線を寄せてきても、丸出しとなった男根を尾と共に足の間で間抜けに揺らしながら行われるそれは絶対の支配者に君臨した熊獣人の悪を悦ばせる結果しか生み出さない。
逃れられない裸体をひたすらによじらせ危機と辱めからの脱出を欲しても、助けの来ない地下室でほとんどの選択肢を潰された狼と虎に訪れる希望などありはしなくて。無意味に繰り返される拘束との格闘の維持が不可能になる程の疲労が裸体に蓄積するまで無言での鑑賞を堪能していた熊の新たな動きを目にした二人は、虚勢による拒絶の反応を上回る程の怯えを嘲笑われながら、ソファーから立ち上がり自分達との距離を詰めた熊の手で無防備な裸体に、残酷な恥辱を注がれ始めてしまった。

「んふっ!? むぐ、ぶふぅぅっ!!」
「ううぅ! ふぅぅぅ-っ!!」

分厚く、太い熊の指が狼と虎から言葉を奪っている枷に口角を吊り上げつつ手を加えていく。
顔を振るくらいの抵抗しか出来ない二人は更なる悪意に戦慄しながらも、どうすることも出来ずに口枷の鼻部分に用意された唯一の空気の通り道に施される細工を受け入れさせられていく。
その細工の意味は、完了前に身体で理解させられた。呼吸に必要な箇所を新たな器具に遮られた二人は、その器具の内部に取り付けられたフィルター越しに体内へと入り込む無慈悲な淫薬の影響に屈して、我慢すら叶わない勢いで意に染まぬ発情へと追い立てられ始めた。
悪の前で無様を晒したくない。相棒の隣で惨めを晒したくない。そう思う意思とは裏腹に狼と虎の逞しい裸体は無理矢理に迎えさせられた発情で狂わされていき、二人はあっという間に丸出しの男根を限界まで勃起させ壁に飾られた裸体と尾を悩ましげに踊らせる痴態を非道な熊を愉しませる娯楽として提供させられていく。
もう、悪を憎む気高き捜査員は何処にもいない。正義の自覚をまだ残しつつもそれを欠片も疑わせぬ淫乱の振る舞いを露わにしている狼と虎はもう、屈強な裸体をもどかしげにくねらせつつ快楽をねだる欲望を為す術無く肥大化させられるだけの存在でしか無い。
口枷に装着した媚薬フィルターが狙い通りに機能していることを確認し満足げに頷きつつ再びソファーへと戻る熊の背に思わず快感のおねだりと同義である行かないでくれの叫びを浴びせた狼と虎はもはや、自力ではどう頑張っても慰められない裸体を嬲る逃げ場を失った火照りに狂わされる過程を味わわれることしか出来ない滑稽その物な淫獣でしか無いのだ。

「んぅっ! んぐっ、ふぶうぅぅっ!!」
「ふぅ、んもぉぉぉっ! ふーっ! むふぅぅぅーっ!!」

離れた位置でくつろぎ混じりの観察を再開した熊に向かって腰を突き出し、疼きに疼いている男根を主張する二匹の淫獣。数分前までかすかに保たれていた正義の矜持を跡形も無く叩き壊され、生殺しからの解放を一生懸命に全身で懇願する愉快な二匹の淫獣。その理性を無くした淫獣達の悶絶を独占しながら、悪である熊の男は無駄に希望を信じて戦った正義を淫薬で狂わせほんの数分で陥落させる最高の至福を噛み締めつつ、何度目にしても飽きない淫蕩な崩壊の光景に黒く歪んだ興奮と高揚を湧き上がらせていくのだった。
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