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遮断した現実は無慈悲に突き付けられる

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「んぐぅぅっ! むぐぅぅぅっ!!」

口を奥深くまで貫く棒に歯を立てて唸りながら、一人の男が暗闇の中でじたばたと身をもがかせ続けている。
窮屈に折り畳まれた形から離れられなくされている手足を振り乱し、床に敷かれた柔らかな物体の上でのたうち回りながら、男はどうにかして危機から抜け出そうと試行錯誤を積み重ね続けている。
しかし、男の努力は実る気配を欠片も見せない。左右の目の周りと男根の部分を除く全てを包み込む綿のような物体からは逃れられず、ありとあらゆる自由を奪われ己がどこかに監禁されているという情報しか得られない状況からも抜け出せはしない。
そんな屈辱が無駄な足掻きが引き寄せた憔悴に上書きされる程の時間が経過した頃、一切の光が無かった男の視界に光が勢いよく飛び込んだ。

「うぐ……っ!?」

真上から降り注いだ光に目を眩ませた男が、暴れる動きを停止させてまぶたを硬くつぶる。暗闇に支配されていた目はまぶたを閉じていても瞳に突き刺さる光の刺激に中々慣れない。そうして慣れずにいる間に、男は視界を取り戻せていなくとも異常を理解出来る変化をその身に与えられてしまった。

「わぁ……ホントにあの捜査員さんだ! パパ! ホントに僕が貰っちゃって良いの!?」
「あぁ、もちろんだ。○○の為に連れてきたんだからね。これから毎日、可愛くて無様なワンちゃんとしてしっかりお世話してあげるんだよ?」
「うん!」

自分の背中の下へと滑り込む形で訪れた手が、裸体をやすやすと持ち上げる。大人の男の身体という片手で持ち上げられるはずの無い物体を、あどけない喜びの声を上げている少年であろう存在が持ち上げている。
それが意味する戦慄の現状を理解した捜査員は、光にようやく慣れた目を開けたくても開けられない。今すぐに目を開けて詳細な光景を確認するべきだという理性の判断を上回る絶望を拒む本能に制された捜査員は、己の肉体が何らかな技術で少年の片手に収まる程度の大きさへと縮められている現実を直視出来ない。
そんな滑稽な正義の姿を仲良く堪能しながら、捜査員を捕らえ改造した悪に育てられた少年は小さく白い犬の着ぐるみに閉じ込められた抗えぬ裸体の感触を左手で愉しみつつ右の人差し指で丸出しの男根を嬉々として捏ね回し、最愛の息子が玩具として欲しがっていた捜査員を望み通りに贈った悪の男は未だに目を開けようとしない惨めな犬が着ぐるみ内部に突き出た棒に塞がれた口で間抜けに唸りつつ息子の手の上で身をくねらせる様を嘲笑い、見たくない、認めたくないと遮断している現実を無慈悲に突き付けていくのだった。
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