壊れた愛情は飾られた男へと叩き込まれる

五月雨時雨

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壊れた愛情は飾られた男へと叩き込まれる

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真横に伸ばさせられた腕はその形から離れられないよう柔らかな素材によって根本から指先までを隙間無く取り囲まれ、動きを大きく制限されてしまっていた。左右をきっちりと揃えさせられた足も腕と同様に根本からつま先までを柔らかな物体に包囲され、暴れさせる以前に曲げることすらも叶わない状況へと追いやられてしまっていた。
一瞬で捕らわれの事実を思い知らせる拘束の中で意識を取り戻した男は、視界を遮る闇の中で驚愕に目を見開き口を塞ぐ棒状の枷越しに焦りの唸りを紡ぎつつ脱出を求める身悶えを開始した。両手両足を壁に縫い付ける金属とクッションを組み合わせた器具達に自由を奪われ、目隠しと口枷の機能を携えた壁と一体化している金属製の器具に頭部を取り込まれた裸体をどんなにもがかせても決して逃れられはしない。そんな絶望を知る由も無い無様な男は、生身ではどうすることも出来ない頑丈な拘束達を相手に丸出しにさせられた男根をぷるぷると揺らしつつ無駄な格闘を絶え間無く繰り返している。
その最高に愉快で滑稽な姿を堪能しながら、男を捕らえ壁に飾った残酷な男は黒く歪んだ至福を込めた笑みを浮かべた。あの目障りな捜査員が、自分専用の鑑賞物として自室の壁を彩っている。これ以上無い充足を味わわせてくれる光景に興奮を滾らせながら、悪を束ねる総帥の男は幾度と無く自分の邪魔を行った捜査員に対する憎悪と見事な手際で計画の妨害を何度も成功させた有能な捜査員に対する狂った執着が混ざり合った異常な笑顔に表情を染め上げた。
その異常な笑いの下に隠された欲望を塞き止める物は何処にもない。悪を率いる男の決定に異を唱える者は、捜査員が拉致された空間に誰一人として存在しない。
捜査員を取り込んだ機構を手元のリモコンを弄ることで嬉々として作動させる男の狂気はもう、淫蕩な地獄という形で逃れられぬ捜査員の裸体へと無慈悲に叩き込まれるしか無いのだ。

「ふぶぅぅぅぅーっ!? んもっ、もごぉぉぉっ!?」

頭部を囲った器具から内側目掛けて発せられた電波が、捜査員の脳を残酷にいたぶっていく。
無から発情を生成し、快楽を全身に注入する非道な電波が、捜査員の心と身体を甘く容赦無い淫らな火照りで蝕んでいく。

「ふぅっ、むふぅぅっ!! あぉ、んごっ! むもぉぉぉぉっ!!」

あっという間に硬く膨らまされた乳首と男根を跳ね回らせながら、捜査員が壁に設置された裸体を踊り狂わせる。
見えている部分は胴体のみで、それ以外は壁へと緩み無く固定されている。そんな情報を感じさせぬ程の勢いで裸体をよじらせながら、捜査員は内側に蓄積していく淫欲の発散を求める本能から紡がれた身悶えを披露する。
その実に見応えのある正義の痴態を堪能しながら、悪の総帥である男はリモコンに視線を落とし絶頂を禁じる設定が予定通りに機能していることに満足げな頷きを行いつつ、脳内を弄くる電波のせいで発狂も射精も許されぬまま淫猥な渇望に苛まれる捜査員を嘘偽りの無い壊れた愛情を込めた表情で嬉しそうに鑑賞し始めるのだった。
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