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攫われた少年は連行されつつ父への助けてを膨らませる

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「んっ、んふっ、むふぅぅ……っ!」

何も見えない。何も聞こえない。けれど、車で運ばれていることだけは振動で分かる。そんな状況で、少年はどうにかして危機からの脱出を手繰り寄せようと試行錯誤を積み重ね続けた。
口に喉近くまで噛まされた棒を追い出せれば、助けを呼ぶ為の大声を出せる。目を覆っている物体と耳の周りを囲っている物体を振り払えれば、希望に繋がる可能性を持った周囲の情報を手に入れられるかも知れない。怯えと恐怖に染まった脳に募らせた考えで己を鼓舞しながら、少年は拘束との格闘をひたすらに繰り返した。
だが、事態は何も動かない。左右の手首を短い鎖で結合する枷と一体化した黒革製の鍵付き手袋によって指の使用を禁じられた手を幾ら酷使しても、少年は厳重に頭部へと固定された拘束を虚しく撫でることしか出来ない。左右の足首を手と同様に繋ぎ、足の指の使用も同様に禁じている靴型の拘束に包まれた足をどんなに頑張らせても、少年は逃げられないという絶望の現実を嫌でも再認識させられていくばかりだ。

「あぅ、えぇ……あえは、あうえっ」

目隠しの下で戦慄に目を見開き、歯を立て舌で押しても出ていかない棒に貫かれた口から哀願の呻きを漏らしながら少年が助けを欲する。
しかし、やはり救いの展開は訪れない。代わりに訪れたのは、車の走行の停止で。諦め悪く助けを望んだ少年を嘲笑うかのようにトランクを悠然と開けた男達は、自由を奪われた裸体を情けなく震わせている少年を堪能しつつ数人がかりで少年をトランクから下ろし、自らの足で立たせ手首の拘束に長い鎖を接続しながら、聞こえていないことを承知で理不尽な復讐の言葉を口々に囁き始めた。

「○○君、ようこそ。ここが、今日から君が暮らすお家だよ」
「元のお家よりもずっとボロボロで汚くて狭いけど、君のお父さんが俺達に罪をなすりつけて会社から追い出したせいだから我慢してくれよな?」
「まぁ、すぐに汚さなんて気にならなくなるよ。これから毎日、たっぷりと苛めて可愛がってあげる。警察がここを嗅ぎ付ける頃にはとっくに手遅れになるよう躾けて、チ○ポ無しじゃ生きられない淫乱に育ててあげるよ。俺達に無実の罪を着せてくれた、君のお父さんへのお礼としてね」
「ふうぅ! んもっ、あおぉ……っ!」

父に対する憎しみと恨みが、自分への復讐として複数の男から浴びせられている。そんな状況を知る由も無い少年は手枷に繋がれた鎖を引く力に屈して不自由な足での前進を強いられながら、この事態を引き起こした張本人である父に届かぬ助けてを膨らませていた。
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