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堕ちた男は人知れず育て上げられる

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校舎からは遠く離れ、グラウンドを使用している生徒達にも声は届かない。他の部室よりも広めという取り柄しか無い体育館の裏手という不便な位置にあてがわれた部室内で、少年達は何代か前の部員が勝手に置いていった操作パネルと可動部のみという簡素なルームランナーの上に視線を集中させていた。
ズボンのみならず下着すらも剥ぎ取られ下半身と同様に衣服を一枚残らず没収された上半身に縄の拘束を与えられた男が自分達に無様な姿を観察されつつ歩行を繰り返している光景を、支配者の側に立った部員の少年達は愉悦を露わにした笑みを浮かべつつ、ありとあらゆる方向から堪能し続けていた。

「んぅ……ふうぅ……っ!」

前を見ても、左右を見ても自分を眺めて愉しむ少年達がいる。自分とルームランナーの後ろに用意された分厚いマットの向こうにも、惨めな自分を鑑賞する少年達が控えている。
逃げ道など、どこにも無い。それを視覚で絶え間無く理解させられながら、男は汗に濡れた裸体を休み無く動かしてルームランナーの上での歩行を継続していく。二の腕と胴体を短く結合し胴体の真後ろで交差させられた手首同士を縛る縄を鳴らし、左右の手に握り拳の状態を強要する役割と口への栓を施す役割を担わされた黒色の粘着テープを軋ませ、上半身の縄に後から付け足された縄の先にある釣り針状の器具が足を動かす度に自身で貫いた尻穴を容赦無く掻き毟っていく攻撃に淫らな苦悶を加えられながら、少年達に逆らえなくされた男は尻穴の刺激で間抜けに張り詰め切った男根をひょこひょこと踊らせつつ全身の概念が無い歩行を必死で保ち続けていく。

「むぐ、んむうぅ……!!」

もう許してくれ。休ませてくれ。無駄だと分かり切っているそんな哀願を示すことさえせずに、男はただただ足を運び続ける。
歩行を勝手に終わらせたら、罰が待ち受けている。これまでの経験で理不尽な結果を把握させられている哀れな男は、少年達に今以上の地獄をもたらす口実を作らせたくない一心でガクガクと痙攣する足を酷使し続ける。
けれど、男の努力は報われない。ありとあらゆる自由を取り上げられたたった一人の男と、男の悶絶の全てを堪能しながら更なる恥辱を次々と想像する少年達の戦いの勝者など、初めから分かり切っている。負けを承知で抗っても、訪れるのは当然年上としてだけでなく雄としての尊厳を痛め付ける辱めに満ちた敗北のみで。無自覚に足の速度が著しく落ちとうとう後ろ側のマットに倒れ込む形でルームランナーから滑落した男は、待ってましたと言わんばかりに群がり本格的な責めへと移行した少年達の計画通りに情けなく疲れ切り淫猥に熟し切った抵抗を認められぬ裸体を、歩行に合わせて尻穴を緩くほじられるだけでは辿り着けなかった悦楽の淵へと追い立てられ始めてしまった。

「はい、残念。下校準備のチャイムまで耐えられなかったから、今日もコーチは俺達の玩具決定だよ」
「アナルフック抜いたケツ穴に挿入、っと。ふふっ、たっぷり苦しんだコーチのお尻、何時使っても具合最高だねぇ」
「はいコーチ、テープ剥がしてあげるからお口でもご奉仕してよ。たくさん歩いて疲れた口でしっかりしゃぶってくれないと……コーチの恥ずかしい写真あっちこっちにばらまいちゃうよ?」
「あむっ! んぐっ、ぶむっ! ふみゅぅぅぅ……っ!!」

真の宴の下準備として限界まで尻穴を掻き回されつつの歩行を強いた少年達の男根に栓を取り払われた口と尻穴を犯されながら、それまで視線に貫かれるだけで直接の刺激は一切加えられていなかった乳首と男根を少年達の巧みな手指で心地良く責め嬲られながら、かつてコーチとして少年達を指導していた男は一方的に注がれる少年達の愛情によって叩き込まれる淫猥な指導に今日も心と身体を隷属へと導かれ、痴態を収めた写真という脅しが無くとも少年達の命令に従う完璧な肉奴隷となるよう人知れず育て上げられていくのだった。
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