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拒めぬ命令に支配されながらペットは火照りへと上り詰めさせられる

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目を覚ますと、男は電話ボックスのような形状をした強化ガラス製の箱に裸体を閉じ込められ、逃走を封じられた自分の姿を憎むべき敵である男に見下ろされている状態へと追いやられてしまっていた。

「やぁ、おはよう。よく眠れたかい?」
「っ! 貴様……っ!」

決して広いとは言えない箱の床に座り込み、脱出を阻む壁に背を預けた格好で眠りの世界に落ちていた男は、投与された薬の効果が抜けたことによって現実に戻りつつあった意識を愉悦に満ちた敵の男の言葉で一気に覚醒へと導かれ、怒りと焦りと屈辱に満ちた声を漏らしつつ立ち上がった。
もちろん、立ち上がったところで男に出来ることなど何一つとして無い。窮屈な空間に詰め込まれた裸体を暴れさせたところで、箱からは抜け出せない。

「幾ら叩いても無駄だよ。その箱はビクともしない。どんなに頑張ってもそれは、私を愉しませるだけだよ?」
「うるさい! 絶対に、許さない……ここから出たら、必ず殺してやるからな……っ!!」

それでも、男は自分を捕らえた憎き敵の男に弱みを見せたくない一心で反抗の態度を表情と、怒気を含んだ言葉として箱の外側にいる男へとぶつけた。握り拳で頑丈な箱の壁を無意味と知りつつ何度も叩きながら、男は裸体を観察されている情けなさを誤魔化す目的も有した叫びを本気の殺意を織り交ぜつつ飛ばした。
そんな様子を悠然とした佇まいで堪能しながら、男は笑みの黒さを際限無く深めていく。実に弄び甲斐がある。敵として対峙していた時から感じていた思いを確信へと変えつつ、支配者となった男は箱の中で諦め悪く裸体を動かす男に対して、命令を下した。

「いい加減にしなさい。気を付けだ」

本来、その命令には何の威力も無い。男がそれに従う道理など一切存在しない。
だが、命令を浴びせられた男の裸体は、箱を叩いていた腕を胴体の真横に沿わせ左右の足をきっちりと揃えて背筋を伸ばす体勢を、丸出しの男根を自ら見せ付けるような礼儀正しい気を付けの姿勢を意に反して取ってしまった。

「な……!? っ、ぐうぅ!?」

強要された姿勢から離れようと指示を飛ばしても、手足は全く動かせない。先程以上の焦りを募らせつつ力を込めても、手足は気を付けから抜け出せない。
その箱には、あらかじめ登録された人物が口にする命令を絶対に遵守させる機構が備わっている。その箱に閉じ込められた時点で、内部にいる者は自分を捕まえた者の悪意を欠片も拒めない状況へと追い込まれている。
自分にとって都合の良い事実を説明すること無く胸の内で改めて噛み締めつつ困惑する男の光景を存分に愉しんだ男は、ようやく所有物の立場となった男に抑えきれぬ興奮を滾らせながら、次の命令を笑い混じりに発した。

「よし、良い子だ。それじゃあ次は、どんどん発情を加速させてみようか。今の状態を100だとして、一秒ごとに1増加だ。一分一秒ごとにいやらしく身体を育てられながら苦しむところで、飼い主となった私を愉しませるんだよ?」
「なっ、何を言って……戻せ! 俺の身体を戻せぇ……っ!!」

まだ自分の立場が分かっていないのか。分かった上で己を励ます為に虚勢を張っているのか。
いずれにしても眺めていて飽きない抗いの意思表示を目と耳で味わいながら、残忍な飼育者に君臨した男はこうしている間にも固められた肉体を勝手に淫らな火照りへと上り詰めさせられていく滑稽なペットの反応を独占しつつ、ペットのモノよりも先に己のモノをズボンの中で欲情に張り詰めさせていくのだった。
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