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支配された裸体は間抜けに悦楽の追求を強いられる

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右手をとめたくてもとめられない。男の右手は、自らの男根を包み込み摩擦する自慰を数えきれぬ程の射精を迎えながら休み無く繰り返している。
左手の動きを終わらせたくても終わらせられない。男の左手は己の尻穴に人差し指と中指を潜り込ませた状態を作り、柔らかな腸壁を過敏な前立腺と共に抉って自身の絶頂を手助けし続けている。
傍目には、裸体を無防備に晒しながら快楽を貪っているようにしか見えない。建物の廊下を震える足で練り歩きながら、変態という表現すら生温い痴態を披露している存在としか思えない。そんな状況に追いやられた無様な男は、廊下ですれ違いつつ残忍な笑みを浴びせてくる男達に対し、誇りを捨てた喘ぎ混じりの懇願をひたすらに紡いでいる。その男達こそが自分をこの状態に導いた張本人であると理解していても、異常な技術で肉体の支配権を外部から掌握され自由を根本から没収された男にはもう、憎き敵達に縋る以外の選択肢など残されてはいないのだ。

「おえあい、ひあう……おぅ、ひあぁっ! はうひへ! ひうお、ひあっ! あぁ! ひうぅぅぅぅっ!!」

自分から言葉を取り上げ、同時に肉体の所有権を奪っている黒色をしたギャグボール越しに救いを求めながら、男がまた絶頂に達する。これを外してもらえれば手足を思い通りに動かせる。望まぬ自慰の継続から逃れられる。そんな思いを快楽に掻き乱される脳内に浮かばせながら、男が喘ぎ混じりに哀願を放ちつつ色の薄まった精液を迸らせる。
無論、非道な敵の男達はあらゆる体液を床に垂らしながら慈悲をねだる男の願いを聞き入れなどしない。わずかな休憩も認められずに自慰と歩行を強要される滑稽極まりない男を作り上げた敵達は、廊下に甘く歪んだ悲鳴を反響させながらまた頂点に達した男に目を細め口角を吊り上げるのみで欲された安らぎを与えてやる素振りすら示さない。
それどころか、敵達は自分達の行動に意識を寄せる余裕すらも無くした状態でイき地獄に悶絶している男と手元の時計を交互に眺めながら、もうすぐやって来る一際愉快な見世物への期待を嬉々として募らせていく。今以上に惨めで屈辱的な責め苦が待ち受けていることを知る由も無い男を悠然とした態度で嘲笑いながら、敵の男達は廊下を往復しつつ絶頂する姿に興奮と愉悦を際限無く膨らませていく。
そうして、男が気付かぬ内に廊下へと多くの観衆が集った頃、歩行を強いられていた足は不意にその動きを変化させられた。
廊下を行ったり来たりさせられていた裸体が、壁に背を向ける形で移動を停止させられる。男根を扱かされていた右手と、尻穴をほじくり回させられていた左手が突然に静止を強要される。訪れた変化に困惑し、突き刺さる敵達の視線に恐怖する男。そんな男に、ギャグボール型の装置は今までとは違う新たな行動を強制し始める。それは、手の方ではなく腰の方を動かすことで男根と尻穴に快楽をもたらす行動。己の右手というオナホールを用いて男根を摩擦し、己の左人差し指と中指という道具を使って尻穴を掘削する自慰の提供を、男は腰を間抜けにヘコヘコと前後させられながら行わされ始めてしまったのだ

「えぁ、えあぁっ!? おえあい、ひゅるひへ! みあいえぇ!! おぅ、おうぅ! ひゃふまえへぇぇぇっ!!」

勝手に動く腰に絶望し、観察を嫌がる度に視線の熱を深めていく敵達に打ちひしがれながら、男はギャグボール型の装置に噛み付く力も無くした口で無意味に許しを請いつつ、また新鮮な絶頂へと為す術無く上り詰めさせられていくのだった。
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