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選択肢を潰され少年達は自ら凌辱を受け入れる

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林間学校へと向かうバスの中は、賑やかな声で満たされている。
持ち込みが許可された簡素な遊戯を隣の席のクラスメートと愉しみ、着いた先で行う予定のキャンプファイヤーへの期待を乗せて会話を弾ませ、時に窓の外を流れる光景にはしゃいでいる少年少女達。そんな彼らに対して、バスガイドを務めていた女はマイクを使って話しかけた。

「はい、皆さん。危ないので自分の座席にあるシートベルトを締めておいてくださいね。この先怪我をしちゃう可能性があるので、しっかり締めておいてください」

明るい声に従って、少年少女達は自身の座席に用意されていたシートベルトを締める。高速道路でそんな危険な道があるのだろうかと頭に疑問を浮かべつつ、引率の教師もシートベルトを締める。
全員が締め終えたことを目で確認し満足そうに頷いたバスガイドは口にマイクを当て直すと、満面の笑みを浮かべながら先程と同じ明るい声で言った。

「はい、全員締めたみたいなので、早速スイッチを入れますね」

当然のように言い、バスガイドは運転席脇の柱に付いている操作盤を弄り、バス内に変化をもたらした。
バスガイドの女が操作したことによって作動した機械は、バスの壁や天井や座席の下などに隠されていた小さな穴を露出させ、その露出された穴は全てが一斉に、白い色の付いた気体を勢いよく噴き出し始めたのだ。
もちろん、そんな状況に見舞われたバスの中は一瞬で大混乱に陥っている。正体不明の気体に迫られた教師と生徒達は恐怖に歪んだ悲鳴を上げながら気体から逃れようとする。しかし、誰一人として逃れられない。狭いバス内ではどこにも逃げ場など無い上に、先程バスガイドに指示されて装着したシートベルトはバスガイドが操作盤を弄った時点で簡単には外せないようロックを掛けられてしまったからだ。
必死に窓を叩いてみても、その窓は強化ガラスで作られているためにビクともしない。近くを走る別の車に異常を伝えようと思っても、バスは気体を放出するだけでは無く内部の音が一切外に漏れ出ないよう設計されているためにどんなに叫んでもその声は外部に全く届かない。
教師と生徒達は怯えながら、救いを望みながら、一人また一人と意識を失い眠りに落ちていく。このままではいけない。目の前に広がる危機に意を決し、比較的気体の回りが遅い位置に座っていた五人の少年は足下のバッグから小さな機械を取り出していつものようにそれを起動させようとした。
だが、頼みの綱の機械は何の反応も見せない。焦りを感じながら何度もボタンを押す五人に、バスガイドに化けていた女はマイクを通して愉快そうに言った。

「残念だけど、このバス内では変身できないよう妨害電波を流しているわ。諦めて貴方達も眠っちゃいなさい。私達の目的は貴方達だけだから、安心して気絶して良いわよ。五人のヒーロー君」

白の気体に隠れてほとんど見えない相手から告げられた、自身の正体を暴く言葉と戦う力を封じられた事実に打ちひしがれた五人の少年ヒーローは諦め悪くシートベルトとの格闘を繰り返していたがやがて力尽き、バスの中は深い眠りに落ちた者達と、少年ヒーロー達と敵対する組織に所属している女と、運転手の男だけとなった。

「上手くいったわね。それじゃあ、手筈通りにあの場所へ行ってちょうだい」
「はっ、かしこまりました」

ほんの少し前の賑やかさが失われたバスは他のクラスを乗せたバスがパーキングエリアへと入るのを横目で見ながら、捕らえた少年ヒーロー達と少年ヒーローのクラスメートを乗せて林間学校とは違う方へと走り去っていくのだった。



「んっ、あぁっ! はぁ、あぅぅっ!」
「おい、ケツから力抜けてんぞ! もっとしっかり締めてチ○ポにご奉仕しろや!」

甘く歪んだ悲鳴と、嘲り混じりに指示を飛ばす男の声が床に転がされていた少年の意識を眠りから引きずり出す。
目を開け、まだ覚醒しきっていない頭で状態を把握しようとしている少年に気付いた男達は順番待ちの列から外れると、目を覚ました少年を取り囲んで衣服を剥いでおいた裸体へと無遠慮に手を伸ばした。

「おはよう、リーダーの君が一番寝ぼすけだったねぇ」
「君が眠ってる間、他の四人が頑張って俺達の相手をしてくれてたんだから、今から君も頑張って遅れた分を取り戻さないとな」
「あぅぅっ……?」

バスの中で吸わされた気体によるだるさが抜けきっていない裸体の上半身を男達の手で起こされた少年は、ようやく周囲で行われている非道な光景を目にし、背筋を凍り付かせた。
仲間達が、敵対する悪側の組織の男達に嬲られている。痛みでは無く快楽を用いた責めを加えられ、ヒーローの誇りと雄の尊厳を叩き壊されながら、望まぬ絶頂へと追い立てられている。

「舌の動きがとまってんぞ? 誰が休んで良いって言ったんだ?」
「あらら、また舌を勝手に休ませてたのかい? これはお仕置きが必要だねぇ」
「んーっ! んみゅぅぅぅっ!」
「どうだ? お仲間のケツ穴がほじくられる所を見ながら仲間のチ○ポを舐め回す気分は」
「うぐ、んむ、ふむぅっ……」
「あぷ、むぁ、んぐ、ぶむぅっ」
「そっかそっか、愉しいか。なら、もっと早くほじってもっと愉しませてやるよっ!」

四人の仲間全員が、尻穴を男根で塞がれ容赦無く掘削されている。口に突っ込まれた男の太い男根に屈辱を抱きながら舌を這わせ、罪悪感を募らせながら仲間の男根に愛撫を行い、口に何も入れられていない仲間は抑えきれぬ甘い悲鳴を痛々しく部屋に響かせている。
それを見た少年は、同じ辱めを受けたくないという思いと仲間を助けなければという思いのままに自分の身体を撫で回す男達に拒絶の意思を示した。

「や、やめろっ! 触るな、離せぇっ!」
「んー? やめろ? 離せ?」
「そんなこと言って良いのかなぁ? お友達がどうなっても知らないよ?」
「え……?」

醜悪な笑いを見せながら、男達が同じ方向を指差す。その指を追った先にあったのは巨大なモニターで、そのモニターには少年ヒーロー達が乗っていたバスの様子が、未だに眠り続けているクラスメートと教師を乗せたままのバスの内部の様子が映し出されていた。

「ここからずっと遠い山の中に置いてきたんだけど、ここからでもバスに仕込んだ機械は操作できるようになってるんだよね」
「君達とお友達を眠らせたガスだけじゃなくて、あのバスには致死性の高いガスも積んであるんだよね。あとその気になれば木っ端微塵に爆発させられるんだ」
「別に嫌がっても良いよ。その時はただちょちょいと機械を操作するだけさ。どうする? お仲間と一緒に逃げ出す? それとも、俺達に自分を好きに弄んでくださいってお願いする?」

人質を取られている少年に選択肢など無い。少年が選ぶ道は一つだけ。先に目を覚ましていた四人と同じ、抗わずに身体を弄り回され、これ以上無い恥辱と屈辱でいたぶられる道だ。

「さぁ、どうするんだい? 好きな方を選びなよ」

選択の余地を奪った上で選べと迫る残酷な男達は、歪んだ笑顔を向けながら最後の一人の口から自ら凌辱を望む言葉が発せられる至高の瞬間を待ち侘びていた。
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