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火照りに火照った男はとまらぬ己の手に絶望と悦楽を味わわされる

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トイレの個室のような狭く殺風景な部屋の中で、男は絶え間無く襲い来る淫らな火照りに苦しみ続けていた。
黒革の本体と金属の輪を組み合わせて作られた開口具に顔の下半分を覆われ、開口具に接続されている透明なチューブを介した空気しか吸入出来ないようにされた哀れな男は、容赦無く流し込まれる媚薬混じりの空気に為す術無く追い詰められながら、気が狂う程の発情に一人きりで嬲られ続けていた。

「はぁ、はっ、はぉ、あおぉ……っ」

この状況で一体何時間、淫猥な欲望を延々と加速させられたのだろう。硬く勃起させられた男根を左右の手で責め立て快楽を追い求めながら男がぼんやりと考える。
この悪趣味な筒に裸体を閉じ込められ、はしたない衝動を膨張させられる時間は一体何時まで強いられるのだろう。強化ガラスで作られた筒に首から下を押し込まれ、自力での脱出を禁じる為にと首の太さに合わせて用意された丸い蓋をしっかりと固定された男は、自らが分泌した汗と精液と発情の熱気が充満した透明な檻に追い打ちの苦悶を味わわされながら、羞恥と屈辱を忘れた自慰に耽り続けている。
敵に捕らわれ、醜悪な責めにいたぶられている状況で、徒労に終わった足掻きで無駄と悟った逃走への努力では無く快楽の追求を優先する惨めな男。そんな男を淫獄に放置し、隠しカメラを通した映像を眺めて間抜けな自慰姿を堪能していた無慈悲な存在達は、無心で男根を弄るだけとなった男の様子をより見応えのある物へと変化させるべく、それまで使用していなかった室内の機構を迷い無く起動させた。

『あーあー、捜査員さんったらまだチ○コ弄ってるよ。一時間前に見た時も弄ってたってのに』
『もう何も出せなくなってるってのに夢中で擦っちゃって……捜査員から発情猿に転職かい?』
『表情が見える正面からのアングルも良いけど、真下からも最高だねぇ。底に溜まった精液ごしに一生懸命に摩擦されてる捜査員さんのチ○コと、気持ち良さそうにヒクヒクしてるアナルがいっぺんに愉しめて眼福だ』
「あっ、あおぉ!?」

眼前にいない悪達の、嘲りに染まった声が室内に響き出す。
詳しい説明が成されなくとも自分の自慰に耽る姿が悪達の元に中継されていたと認識出来る非道な声が、拉致された捜査員の男の心を殴り付ける。
だが、無慈悲な現実を思い知らされても捜査員はどうすることも出来ない。理性を凌駕する淫らな本能に突き動かされている両手は、どんなに命令を飛ばしても一秒にも満たない時間しか制止出来ない。
別室で嬉々としてボタンを押した恥辱を担当する者の思惑通りに制御しきれぬ欲望に苛まれる様を提供させられ始めた捜査員の男はもう、誇りと尊厳を絶え間無く刻む言葉を聞かされながら、とまってくれない自らの両手に絶望を募らせるしか無いのだ。

『お? いつの間にか俺の声が聞こえてる状態に設定されてんじゃん。捜査員さーん、聞こえてるならチ○コ扱いてる手をとめてみなー?』
『俺を始めとしたアジト中の奴らに見られてるってのに全然手ぇとめないねぇ? どうやら本当に、発情猿になっちゃったのかい? ん?』
『ほらほら、もっとチ○コ擦りながらアナルをヒクつかせてごらんよ? 俺達に捕まった捜査員さんの役目はそれだけなんだから。サボらずにちゃんと全員を愉しませなよ?』
「あが、あぉ、はっ、はほぉ……っ!」

悪に見られながら気持ち良くなんてなりたくないと願う心とは裏腹に男根を扱く自身の両手に絶望を深めながらまた絶頂に至った滑稽な捜査員を満足げに鑑賞する恥辱の操作に配属された悪の男は、すでに見応え十分な痴態を一層愉快な物へと引き上げさせる為に別のボタンを押し込み、捜査員の呼吸を支配する空気に含まれた媚薬の濃度をじわじわと高めさせていくのだった。
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