足掻きも虚しく男達は残酷な会場へと引きずり出される

五月雨時雨

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足掻きも虚しく男達は残酷な会場へと引きずり出される

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逃げ出したいという悲痛な願いを叶えたい一心で、男達が裸体を縛めている縄を休み無く軋ませる。黒い棒状の枷を噛まされた口から唾液と共に言葉にならない唸りを零しながら、男達は迫り来る危機からの脱出を求めて裸体に必死で力を込め続ける。
そんなことをしても手足を拘束する縄は振り解けず、仮に緩みが発生してもそれはすぐさま自分達を連行する男達の手で無慈悲にきつく結わえ直されてしまうというのにだ。

「んむっ、むぅ……ふむぅぅっ!」
「ぶむっ、あ……うむぅぅ!!」

二の腕を胴体に繋ぎ左右の肘から手首までの部分を背中で縛る縄から抜け出そうと暴れても、状況は変わらない。不自由な歩行を強要されている左右の足首とすねと太もも同士を遊び無く結合された足をもがかせてみても、縄は嘲笑うような音を立てるのみでビクともしない。
裸体の自由を奪われ、抵抗と逃走の手段を没収された哀れな男達はもはや成果の出ない足掻きを愉しみながら首に巻き付けた縄を引く残酷な男達の手で、絶望が待ち受ける会場へと小さい歩幅で移動させられるしか無い。
非道な組織に捕らわれ、雄の尊厳を砕いた上で淫猥な肉体となるよう調教を施されてしまった男達は、男の物とは思えないくらいにいやらしく肥大化させられた乳首と、根元と亀頭のすぐ下に巻き付けられたベルトの振動によって快楽を流し込まれている乳首への責めが無ければ射精に至れなくなった惨めな男根をみっともなく揺らめかせながら、自分達を売り飛ばす目的で設けられたオークションの会場へと自らの足で進まされるしか無いのだ。

「んぐっ、ぶ、むあぁぁ……ふぅ、ふむぅぅ……っ!」
「あぉ、むぁっ、おふぅぅ」

じょじょに近付いてくる、細長い通路の先に見える明かりと自分達を待ち侘びている男達の話し声に恐怖を増幅させながら、男達が救いを望んで喘ぎ鳴き一層激しく身をよじらせる。
射精したくても出来ない硬く張り詰めた男根を容赦無く震わされる苦悶と、連日の開発で男根を上回る一番過敏な性感帯へと変えられてしまった乳首を襲う気が狂う程の疼きに苛まれながら、男達は淫らな商品へと貶められる事実をどうにか覆す為に裸体をめちゃくちゃにくねらせ助けを求める哀願の呻きを放つ。
だが、男達のその行動はやはり一切が無意味で。男達は諦め悪い身悶えで自分達を連行する男達を悦ばせ、通路から響き渡る滑稽な懇願の叫びで会場に集まった自分の飼い主候補達の興奮を虚しく掻き立てながら、とうとう冷酷な催しの場へと、調教を加えられた自分達を商品として扱うオークションの場へと、引きずり出されてしまった。

「んむ、ぐっ! ふうぅ……!」
「うーぅっ! んむ……むぅーっ……!!」

大きく動かせなくされた足での歩行を強いられ疲弊しきった裸体を濡らす汗が照明を受けて輝き、あらゆる方向から観察されている男達を彩る。ぷっくりと膨らみ充血している情けないくらいに大きな乳首に視線が突き刺さり、生殺しの悦楽に責め立てられ汗と淫蜜で濡れそぼった男根に好奇の眼差しが注がれる。
その時点で、男達はすでにこれ以上無い恥辱と屈辱を味わわされている。口枷を装着されていなければ舌を噛み切っての自害を図ったであろう程の辱めを叩き込まれている。
しかし、真の辱めはまだ始まってすらいない。何処にも逃げられぬ男達を弄び、わずかに残った反抗心を欠片も残さずすり潰すオークションは、ここからが本番なのだ。

『それではこれより、商品達を所定のフックへと繋ぎます。フック近くのお客様は、申し訳ございませんが移動をお願い致します。全ての商品を繋ぎ終えましたら、商品の確認の時間となります。スタッフの指示に従った上で、どうぞご自由に商品達をお確かめください』

天井から伸びた鎖の先にあるそれぞれにあてがわれたフックに向けて連行を再開された男達は会場に淡々と流されたアナウンスに戦慄を募らせながら嫌でも自分が商品となった事実を思い知らされ、打ちひしがれつつも抗う姿ともうすぐ直接触れて愉しめる淫猥な乳首と男根が跳ね回る様子で、オークションの参加者達の醜悪な欲望を更に滾らせてしまっていた。
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