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二匹の淫獣は許可を悦び仲良く間抜けにむしゃぶりつく

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「あー……あおぉー……」
「おぁっ、うあぉ、あぅぅっ」

地下に設けられた石造りの牢獄に、荒い呼吸混じりの鳴き声が響いている。その声だけを耳にしたなら、ほとんどの者は獰猛な獣を連想するだろう。頑丈な鉄格子の向こうにいるのは、会話の通じない存在だと判断するだろう。
だが、実際は違う。牢獄に閉じ込められ意味を成さない鳴き声を発しているのは、一人の男と青年だ。人間としての自覚を忘却させられ、飼育される生物の証である黒い首輪の金具に音を立てさせながら狭い空間を四つん這いで歩き回っている。そんな裸体の男と青年が、その地下牢では飼い慣らされているのだ。

「わぉ、あぉんっ、ひゃおぉぉんっ」
「がぅ、ぐらぅ、がひゅぅぅっ」

乱れた息に切なげな色を混ぜながら、二匹の獣が忙しなく鉄格子の内側で移動を繰り返す。丸出しにさせた尻穴を苦しそうに収縮させ、その下で限界まで張り詰めた男根を絶え間無く脈動させながら、今の己の惨めさを理解する知性も奪われた男と青年が時折お互いの裸体がぶつかる衝撃が生んだ甘い刺激に汗塗れの身を跳ねさせつつ四肢を用いてうろうろと動き回る。
その無様極まりない、当ても理由も無い行動がどれくらい続いた頃だろう。牢獄の床が全身から噴き出た汗と男根から滴った透明な蜜に汚れ、すでに皆無に等しい二匹の思考能力が休み無く湧き上がる淫欲に押し潰されきった頃、鉄格子の前に一人の青年が立った。
それは、牢獄の中で獣に堕ちた二匹と同じ顔を持った青年だ。二匹とは違う形で人間を捨て、捕らえた男と青年の精神と肉体を常に発情する淫獣の物へと作り変えた魔族の青年は、正妻である王妃の子ではなく戯れに抱かれた妾の子という理由で自身を蔑ろにした者達が誇りを一切感じさせぬおねだりの視線を鉄格子越しに飛ばす様を嘲笑いながら、今抱いている充足をより愉悦に満ちた物とする為に悠然とした態度で許可を与えた。

「父上、兄上、ちゃんと我慢が出来ましたね。それでは、ご褒美に気持ち良くなっても良いですよ。二匹でお互いのはしたない穴を舐め合いながら、俺の前で仲良く間抜けにイき狂って下さい」
「あぉぉっ、んあおぉっ!」
「がぉっ、ぐあぅっ!」

一国の王であった男が自らの息子である青年の裸体に密着し、首筋に触れる男根の熱を感じつつ尻穴へとむしゃぶりつく。
気高き王子であった青年が己の父である男の下敷きとなり、火照りきった裸体の熱さを身体中に流し込まれながら同じように尻穴へとむしゃぶりつく。
かつての姿から遠くかけ離れた滑稽な痴態。それを自らが破滅させた国の中心で、憎しみが蓄積する場所から至福が蓄積する場所へと変貌した宮殿の地下で独占しながら、魔族に堕ちてまで復讐を果たした青年は自分を良いように扱った二匹がもう一匹の尻穴を一生懸命に舐めしゃぶる光景に人ならざる心を滾らせ、笑みの黒さを際限無く引き上げていくのだった。
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