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魔の中庭で男達は娯楽として操られる

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頭部の後ろで組まれた男達の手が、絶え間無く苦しげに震える。がに股に開かれた男達の足が、苦悶の度合いを表わすかのように休み無くガクガクと跳ねる。
しかし、それだけだ。幾ら悲痛な痙攣を繰り返そうとも、男達の裸体は一切の休息を許されない。武器と防具を奪われ、その下に纏っていた衣服を引き裂かれ、露わとなった肌に直接肉体の自由を外部から掌握する残忍な魔術の印を刻み込まれた騎士の男達は、疲労が限界に達し気高き心が屈服に至っても、自らの意に反して動き続ける己の肉体に為す術無く打ちのめされ続けるしか無い。
肉体の淫猥な感度を正常な値から見て何十倍にも増幅させる非道な命令と、歩行すらも快楽に結び付けられてしまった肉体に無様その物な腰振りを強要させる無慈悲な命令を魔術越しという決して抗えぬ形で下された惨めな騎士の男達はもはや、背後にいる仲間が放つ淫蕩な絶叫に絶望を改めて思い知らされながら、意に染まぬ腰の前後運動だけで快楽を極めさせられる屈辱と恥辱に悶え苦しむ様を、自分達を打ち負かした魔王軍に所属する魔物達に際限無く嘲笑われることしか出来はしないのだ。

「あっ、あひっ、はひっ、ひゃひぃぃっ!」
「もっ、もぅりゃめ、まりゃひぐ、ひぎゅぅぅっ!!」

人々に害を成す魔物に鋭い憎悪の視線を飛ばしていた目から大粒の涙を零しつつ、その面影を欠片も感じさせない哀願の視線をなりふり構わずに魔物達へと寄せる屈服に達した騎士の男達。真後ろで同じ地獄を叩き込まれている仲間とお互いを励ます言葉を交わす余裕も失い、腰振りに合わせて己の腹部へと打ち付けられる男根に走る異常な悦楽に鳴き喚きながら精液を何度も何度も迸らせる滑稽極まりない騎士の男達。
誇りに満ちた武人の振る舞いを忘れきった騎士達の悶絶が魔物達の見世物とされる時間が、助けの来ない魔王城の中庭で気が遠くなる程に続いた。夕暮れが差し込んでいた中庭が夜の闇に支配され、二人の足元に形作られた白く淫猥な水溜まりが目を凝らさなければ見えない暗さが訪れた。
夜目が利く一部の魔物達しか騎士達の痴態を十分に愉しめず、大半の魔物は闇の中で蠢く裸体と絶叫しか味わえない。そんな時刻が到来すると同時に、騎士達は己に施された魔術が有する新たな非道を前触れ無く起動させられ、どうすることも出来ずにイき狂わされる拷問から、無理矢理に火照らされた裸体を欲望の中に放り出される生殺しの地獄へと突き落とされてしまった。

「もぉやら! イぎだぐ」
「だじゅげ、でぇぇ! もぅ、ゆりゅじ」

言葉の途中で、騎士達の口は静止した。口だけでなく、勝手に腰を振り快楽を生成していた裸体も完全に停止した。
まるで石像のように固められた騎士達は、瞬きと呼吸以外何も行えなくされた。快楽が途切れたことによって魔術の力で淫らに高められてしまった裸体に走り出した疼きの波を誤魔化す動きも取れなくなった騎士達は、射精に次ぐ射精を迎えさせられていた時には想像もしていなかったもどかしさに心を蝕まれ始めた。
気持ち良くなりたい。ほんの数十秒前に抱いていた快感を拒む思いとは真逆の願望を膨らませながら、騎士の男達はさっきまでとは全く違う意味で張り詰めた男根を哀れに脈動させる。
無論、その脈動を見ても魔物達は慈悲を認めない。瞳に滲む懇願の意志を察しても、他の者にはほとんど何も見えない闇に愉悦の眼差しを向ける魔物達は、闇を掻き分けられる己の目に感謝しながらありとあらゆる手段を没収された騎士達が示すおねだりを愉しむのみで望む快感を与える素振りすら見せない。
日中は勝手に動く己の裸体に苦しめられ、日が落ちてからは動けなくされた裸体に積み重なっていく淫欲に追い詰められる。これから毎日それを繰り返され魔王城の中庭を彩る娯楽として死はおろか発狂さえさせて貰えぬまま生き長らえさせられる絶望の日々を知る由も無い騎士の男達は、夜風の寒さを上回る淫獄の熱に正気を殴り付けられ苦しみ抜く様子で中庭にまだ残っている魔物達に夜の娯楽を協力して披露していくのだった。
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