傲慢な男は人ならざる親子を淫らに飼育する

五月雨時雨

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傲慢な男は人ならざる親子を淫らに飼育する

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平素は人間とよく似た容姿を有している、人外の存在である親子。父である男と息子である青年でお互いを支え合いながら、波風を立てることもなく慎ましく暮らしていた人ならざる二人。そんな無害な親子の平穏を、男は理不尽に壊した。人外の者達を飼い慣らして服従させ、自分に隷属させたい。あまりにも身勝手な欲望のために正体を暴かれた親子は男が差し向けた部下達によって連れ攫われ、男が所持している屋敷へと運ばれたのだ。
当然、親子は危機からの脱出を求めてあらゆる手を尽くした。けれど、創作物にあるような特殊な能力など持ち合わせてはおらず、筋力も人間とほぼ変わらない二人が試行錯誤を繰り返しても、傲慢な男が用意した専用の監禁部屋からはどうやっても逃れられない。頑丈な金属製の壁や外側から鍵を掛けられた扉を幾ら調べても、鑑賞のためにあてがわれた強化ガラス製の壁を必死で叩いても、哀れな親子は脱出の糸口すら掴めず衣服を取り上げられた裸体を汗で濡らすだけに終わってしまった。
ただ静かに過ごしていただけなのに、どうしてこんな仕打ちを受けなければならないのか。人間ではないと言うだけで、何故ここまで尊厳を踏みにじられなければならないのか。怒りと哀しみを抱き、親子は自分達を攫い裸体で閉じ込めた男を強化ガラス越しに鋭く睨み付けた。しかし、異常な男は親子の反抗の視線を浴びても全く動じない。正常な人間から見たら狂った思考と嗜好を持つ男は二人の抗いの意思表示を受けて元気が良いと悦びながら、監禁部屋に仕込んだ残酷な機構を作動させた。それは、親子の人外を無理矢理に露出させ、滑稽な人外の苦悶を最大限に堪能するための非道極まりない機構。特別に調合させた薬品を混ぜた気体を逃げ場の無い監禁部屋に少量ずつ流し込み、人間には存在しない強烈な発情を引き起こさせる仕掛けだ。
吸っている空気に混ぜ込まれた異常を香りと肉体の火照りで把握した親子は、恐怖に表情を歪ませながら男が観察している前で半狂乱になって足掻き部屋から逃げ出そうと試みた。もちろん、恐怖に突き動かされようが少年に掻き立てられながら試行錯誤を繰り返そうが、状況は変わらない。火照りが高まり上手く動かせなくなった裸体を酷使して壁を調べ続けても、手に走る痛みを耐えながら強化ガラスの壁を叩いても、二人は狂った男の目と耳を愉しませることしか出来ない。
それでも諦めることなく親子は足掻き、発情の熱が高まっていく肉体と暴走する人外の本能を律しながら逃げるための動きを行っていた。だが、じょじょに濃くなっていく淫薬混じりの空気は際限なく親子を狂わせ、心と身体を追い詰めていき、二人はとうとう仲良く理性を崩され、抑え込んでいた白色の耳と尻尾を生やしながら男が望む発情姿を晒すだけの淫乱雄猫へと堕とされてしまった。

「ん、にゃぁっ……はむ、ん、にゃっ、は、にゃあぁっ」
「あ、にゃあぁ! はぁ、は……んむ、はふ……にゃ、にゃぅぅんっ」

人間の言葉を捨て、種の本能に従って甘い声で鳴きながら、二人は見られていることはおろか自分達が親子であることも忘れて淫らに高まった裸体をすり寄せ合い愛しげに舌と尻尾を絡め合い、勃起した男根を刺激している。
その人ならざる親子の淫猥な絡みを存分に鑑賞し、醜悪な笑みを浮かべている男は自分の所有物となった親子が快楽を追い求める光景を眺めながら、特別なペット達を手に入れた事実に対する悦びを歪んだ心に抱かせ充足を募らせていた。
どんなに親子が痴態を晒そうと、親子のたがを外して欲望を剥き出しにした性行為に耽ろうと、何の疑いもなく二人を下に見ている男は珍しい動物の交尾程度にしか認識しない。そんな男に捕らわれた親子は打ちひしがれる心すらも失った状態で男の思い通りに狂わされていき、常に発情している情けない雄猫達と称して男と同じ考えを持つ客人達への見世物として扱われる日々を、当然の物として受け入れさせられていくのだった。
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