BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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無慈悲な男達は虎の陥落を笑って待つ

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天井から床と平行になるよう鎖で吊るされた金属製の棒。その棒を手で掴んだまま離せないよう薄い白布を幾重にも巻き付けられた虎獣人の男は両手の自由を完全に奪われてしまった。
爪で布を裂いて自由を取り戻す事も不可能な程にきつく、緩み無く施された手の拘束。そんな拘束を与えられた虎は、視界を塞ぐ黒い革の目隠しを外す事も、口に噛まされた金属製の棒枷を毟り取る事も、石の床の上でつま先立ちを強いられている足同士を繋ぐ革と鎖の枷を振り切る事も、武器と防具のみならず衣服をも剥ぎ取られた裸体を覆い隠す事も出来ない。
頭上高く手を伸ばしたまま下ろせず、つま先立ちのままどこにも移動出来ず、縞柄の体毛に覆われた裸体をさらけ出させた者達に対して怒りの言葉を吐く事も叶わない無様な虎。その無様な虎を作り出した者達は、雄の獣人を捕らえ肉奴隷として売り飛ばす非道な人間の男達は、自分達を裁こうとやって来て返り討ちにあった虎の騎士の情けない姿に黒い笑みを浮かべ、虎の騎士が口枷ごしに発する甘い苦悶に満ちた悲鳴とたくましく鍛えられた裸体が淫猥にくねる様を心の底から愉しんでいた。

「ふっ、うぅ、うぐ、むぐぅぅ……っ!」

乱れた息と唾液を口枷の隙間から零しながら眉根を寄せ、虎は苦しげに裸体をよじらせている。
硬く張り詰めた男根とビクつく尻尾を揺らし、手足の拘束の鎖をがちゃがちゃと鳴らして悶えている虎は、もはやすぐ近くで自分を捕らえた男達が自分を観察しているという情報を思い出す事は出来ない。それ程に、男達が虎に与えた責めは強烈だった。かけられた者にとめど無い発情を味わわせ、快楽への渇望を掻き立てさせる魔術は残酷なまでに強烈だった。

「んむっ、むぐっ! うぅ、うふぅぅぅぅっ……」

ガチガチにふくらんだ男根が、赤く充血してピンと尖り切った乳首が、尻の谷間の奥で息づく尻穴が、刺激が欲しいと喚いている。
汗ばんだ肌が、震えのとまらない尻尾が、触って欲しいと言葉にならないおねだりを繰り返し叫んでいる。
どこもかしこも、気持ち良くなりたくて仕方が無い。甘い悦びが欲し過ぎて、虎は気が狂いそうになっている。かろうじて騎士として鍛えた精神が理性を留めているが、発情地獄から逃れる術が無い以上その精神が留めている理性と共に崩れてしまうのは時間の問題だ。

「んむぅぅぅ! ふー! うぐぅぅぅぅ……っ!」

口枷に牙を立て、必死になって発情を誤魔化す惨めな虎の騎士を眺めながら、人間の男達は一生懸命に頑張っている虎の騎士が陥落する瞬間を、今まで肉奴隷に堕とした虎獣人達と同じように自らの尻尾で男根を擦り嬉しそうな鳴き声を上げながら射精を行う元虎の騎士が生まれる瞬間を、ニヤニヤと笑い余裕に満ちた態度で待っていた。
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