BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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動けぬ少年達は牢獄の中で使命を塗り潰される

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目を開き、口を引き結び、両腕を胴体の真横に沿わせて両足を隙間無く揃えた格好を裸体で取った少年達が、瞬きすらも行わない静止の状態を保ち続けている。
傍から見たら、四人が生きた人間とは到底思えない。真実を聞かされた上で見ても、命持たぬ人形の類であるとしか考えられない。そんな生物としてあり得ない状況に追いやられた少年達は今日も、城の地下に設けられた牢獄の中でありとあらゆる行動を封じられ悲鳴を上げることさえ禁じられた肉体に罰を施され続けていた。
それは、脆弱で愚かな人の身でありながら身の程知らずにも魔王へと挑んだことに対する罰。魔王を打ち倒す為に刃を向け返り討ちとされた間抜けな勇者達に対する無慈悲な罰だ。
魔王に敗れ強大な魔力を用いた術によって肉体の支配権を外部から掌握された少年達はもう、自我を表に出すことも認められてはいない。幼くも整えられた筋肉質な裸体を固められた武闘家の少年も、見た目の華奢さとは裏腹な量を誇る法力を行使する為の呪文を詠唱出来なくされた僧侶の少年も、自慢であった素早さと身の軽さを披露出来なくされた盗賊の少年も、毛色の違う三人から慕われ各地で眠っていた精霊達からも信頼を託された勇者の少年も魔王に一切を管理され制御されている以上、もはや恥と誇りを捨てて鳴き喚きながら許しを請うことすらも叶わない。
育て上げた実力を魔王に真正面から叩き潰され無様な所有物へと貶められた四人は、自分達を信じてくれた者達への謝罪も抱けぬ程に苛烈な地獄に嬲られながら苦しみ抜くだけの存在でしか無い。魔に負け命を奪われるよりも冷酷な末路へと導かれた少年勇者達は、様々な反応を外部に出せなくされた裸体の内側で繰り広げられる淫蕩な加虐にこれまで培った全てを蹂躙されながらより濃く深い敗北へと突き落とされることしか出来はしないのだ。
四人並んで牢獄内に立たされた裸体に注意して観察しなければ分からない程度の痙攣を行わせながら、少年勇者達は逃げ場を塞がれたまま増幅させられている淫欲に理性を蝕まれている。手を使って淫らな衝動を紛らわせることも出来ない。裸体をくねらせて渇望を誤魔化すことも許されない。それどころか、発汗や勃起といった無意識の現象も制御されている。そんな裸体の内部に我を忘れた快感をねだる絶叫を響かせながら、少年勇者達は無表情を維持させられた顔を滑稽に跳ねさせつつ終わりの無い生殺しの拷問に心と身体を掻き乱され続けている。
だが、幾ら己の欲に掻き乱されようとも、四人は壊れられはしない。本来であれば正気がすでに失われている程の生殺しを注ぎ込まれていても、肉体の掌握と共に精神への干渉も加えられた四人は発狂にも至れない。
全身を動かせず、無限にひしゃげさせられている理性を手放す崩壊にも辿り着けず、魔王が住む城の地下牢で快楽に溺れ絶頂に耽ることも出来ない。その希望も救いも見えない地獄に仲良く打ちひしがれながら、四人は自分達を苦も無く始末出来る力を有した魔王が作り出した死よりも非道な罰に悶え苦しみ、勇者としての使命を快楽を欲しがる願望に跡形も無く塗り潰されていくのだった。
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