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淫らな齟齬の中男達は間抜けに口付けを交わす
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正面以外の方向を囲う板に頭部を打ち付けながら、男達が苦悶からの脱出を求めて試行錯誤を積み重ね続けている。
これ以上、快楽を極めさせられたくない。これ以上、絶頂に至りたくても至れない生殺しの地獄を味わわされたくない。淫猥で真逆な拷問に嬲られながら、男達は何とかしてこの仕打ちから逃れようと縛められた裸体を必死に暴れさせ続けている。
しかし、二人を取り巻く状況は何一つとして動かない。異常で醜悪な拘束に閉じ込められた裸体は、どんなに頑張らせても甘く苦しい辱めから抜け出せない。
首から下を隙間無く包み込み、本来の体積と質量を無視して閉じ込める。そんな技術を搭載された黒い箱に身動きを欠片も残さず封印された無様な男達は、頭部を囲う箱と一体化した板のせいで直接見えない真横の仲間が放つ悲痛な絶叫に絶望を加速させられながら、文字通り手も足も出せない姿に変えられた裸体をそれぞれ別の加虐に追い詰められ続けるしか無いのだ。
「もぅ、もぉやらぁぁっ!! イぎだぐ、にゃいぃぃっ! ゆりゅひへ……だじゅげっ、でぇぇーっ!!」
「イきひゃい、イきひゃいぃ……! おにぇがいじまずぅ……だりぇが、イが、じぇ、で……!!」
隣にいる仲間と会話を交わし希望を繋ぐ思考はもう、男達に残されてはいない。少しでも快楽を散らそうと、わずかでもイけない苦悶を誤魔化そうと頭部を振り乱している男達はもはや、真っ赤に火照った顔を涙と唾液で際限無く汚しながら慈悲をねだることしか出来はしない。
そんな誰が見ても明らかな陥落に達した男達は、自分と仲間を捕らえ淫獄が一体となった箱に閉じ込めた憎き敵の男が部屋に帰還した途端怒りとは遠く離れた安堵と哀願の反応で表情を情けなく緩ませつつ、放置され始めた直後に抱いていた反抗を跡形も無く失った態度で許しを請い始めた。
「だじでぐらじゃいぃっ! イぐのやら、やりゃぁぁぁっ!! なんりぇもはなじまじゅがらぁぁっ! イぐのどめでぐだじゃいぃぃっ!!」
「イぎだいのぉぉぉっ! イぎだいれじゅぅぅっ!! じぇんぶ、じぇんぶしゃべりまじゅがらぁ……イがぜでぐらじゃい! しゃせー! しゃせーさせでぇぇぇぇーっ!!」
かつて敵対していた頃の面影を全く伺わせない屈服を自分達を見下ろす男に示しながら、男達が真逆の欲求を一生懸命にねだる。正常からかけ離れた拘束を加えられた裸体を悶えさせ箱を仲良くカタカタと台の上で揺らしながら、堕ちた男達が情報の提供を提示しつつ欲望を叫ぶ。
だが、二人を鑑賞する男はそのなりふり構わないおねだりを受け入れようとはしない。尋問目的では無く自分好みの男達を支配し淫猥に苦しめる娯楽を愉しむ為に二人を捕獲し箱に封じた残酷な男は、目論見に沿って壊れつつある男達を独占し満喫しながら、二つの箱を嬉々として台の上で動かし二人に追い打ちの地獄をもたらし始めた。
「はぶっ!? ん、むあぁ!?」
「ぶぁっ、はぁ、んふうぅ!?」
男の手で向かい合わせにされた箱詰めの男達の顔面が、そのまま接近させられ密着した状態へと変えられる。嫌でも唇が絶えず触れ合う状況を作り出された男達が、頭部を後ろに反らそうと無駄に頑張りつつ困惑色の鳴き声を上げる。
その鳴き声を愉しみながら、二人の持ち主に君臨した男は二つの箱と頭部を囲っていた板を専用の道具で接続していく。その接続が終わったら二人に完全な闇と今以上の淫獄が訪れることを承知で、男は手早く複数の留め具を施していく。
外側から聞こえてくる不穏な音に怯えながら、触れ合った唇をずらしつつ呼吸を行う。その準備の時間は約一分に渡って繰り広げられ、男が無慈悲な追撃のスイッチでもある最後の留め具を掛けた瞬間、男達は怯えることはおろか唇を協力してずらすこともままならない程の責め苦へと、お互いを嬲る淫獄の感覚のみが一体化された箱を通して共有される矛盾した地獄へと、為す術無く突き落とされてしまった。
「んみゅぅぅぅーっ!? もっ、ぶみゅぅぅっ!?」
「あぶっ、んまぁぁ!? ふぶっ、もぼぉぉぉっ!?」
イきっぱなしの絶頂地獄は、変わらず続いている。けれど、眼前の仲間に注がれているイけそうでイけない生殺しの悦楽の感覚も同時に送り込まれている。
イきたくてもイけない刺激による焦らしの苦悶は、終わり無く生み出されている。だというのに、仲間を苦しめている断続的な絶頂の感覚が叩き込まれている。
「んちゅ、はぶ、んむぅぅ!」
「あぶ、むぁ、んみゅぅぅ!」
イってるのに、イけない。イけないのに、イってる。相反する感覚に、自分と仲間が受けている正反対の感覚に思考を掻き乱されながらその齟齬を誤魔化したいという願いを形にしたかのように熱烈な口付けを間抜けに交わし始めた男達を箱の外側で堪能しつつ、悪趣味な敵の男は離れた位置にあった椅子を引き寄せて一つに繋いだ箱達の前に腰掛け、二人の男が淫蕩な崩壊に向かう過程を目を閉じ耳のみで味わい尽くしていくのだった。
これ以上、快楽を極めさせられたくない。これ以上、絶頂に至りたくても至れない生殺しの地獄を味わわされたくない。淫猥で真逆な拷問に嬲られながら、男達は何とかしてこの仕打ちから逃れようと縛められた裸体を必死に暴れさせ続けている。
しかし、二人を取り巻く状況は何一つとして動かない。異常で醜悪な拘束に閉じ込められた裸体は、どんなに頑張らせても甘く苦しい辱めから抜け出せない。
首から下を隙間無く包み込み、本来の体積と質量を無視して閉じ込める。そんな技術を搭載された黒い箱に身動きを欠片も残さず封印された無様な男達は、頭部を囲う箱と一体化した板のせいで直接見えない真横の仲間が放つ悲痛な絶叫に絶望を加速させられながら、文字通り手も足も出せない姿に変えられた裸体をそれぞれ別の加虐に追い詰められ続けるしか無いのだ。
「もぅ、もぉやらぁぁっ!! イぎだぐ、にゃいぃぃっ! ゆりゅひへ……だじゅげっ、でぇぇーっ!!」
「イきひゃい、イきひゃいぃ……! おにぇがいじまずぅ……だりぇが、イが、じぇ、で……!!」
隣にいる仲間と会話を交わし希望を繋ぐ思考はもう、男達に残されてはいない。少しでも快楽を散らそうと、わずかでもイけない苦悶を誤魔化そうと頭部を振り乱している男達はもはや、真っ赤に火照った顔を涙と唾液で際限無く汚しながら慈悲をねだることしか出来はしない。
そんな誰が見ても明らかな陥落に達した男達は、自分と仲間を捕らえ淫獄が一体となった箱に閉じ込めた憎き敵の男が部屋に帰還した途端怒りとは遠く離れた安堵と哀願の反応で表情を情けなく緩ませつつ、放置され始めた直後に抱いていた反抗を跡形も無く失った態度で許しを請い始めた。
「だじでぐらじゃいぃっ! イぐのやら、やりゃぁぁぁっ!! なんりぇもはなじまじゅがらぁぁっ! イぐのどめでぐだじゃいぃぃっ!!」
「イぎだいのぉぉぉっ! イぎだいれじゅぅぅっ!! じぇんぶ、じぇんぶしゃべりまじゅがらぁ……イがぜでぐらじゃい! しゃせー! しゃせーさせでぇぇぇぇーっ!!」
かつて敵対していた頃の面影を全く伺わせない屈服を自分達を見下ろす男に示しながら、男達が真逆の欲求を一生懸命にねだる。正常からかけ離れた拘束を加えられた裸体を悶えさせ箱を仲良くカタカタと台の上で揺らしながら、堕ちた男達が情報の提供を提示しつつ欲望を叫ぶ。
だが、二人を鑑賞する男はそのなりふり構わないおねだりを受け入れようとはしない。尋問目的では無く自分好みの男達を支配し淫猥に苦しめる娯楽を愉しむ為に二人を捕獲し箱に封じた残酷な男は、目論見に沿って壊れつつある男達を独占し満喫しながら、二つの箱を嬉々として台の上で動かし二人に追い打ちの地獄をもたらし始めた。
「はぶっ!? ん、むあぁ!?」
「ぶぁっ、はぁ、んふうぅ!?」
男の手で向かい合わせにされた箱詰めの男達の顔面が、そのまま接近させられ密着した状態へと変えられる。嫌でも唇が絶えず触れ合う状況を作り出された男達が、頭部を後ろに反らそうと無駄に頑張りつつ困惑色の鳴き声を上げる。
その鳴き声を愉しみながら、二人の持ち主に君臨した男は二つの箱と頭部を囲っていた板を専用の道具で接続していく。その接続が終わったら二人に完全な闇と今以上の淫獄が訪れることを承知で、男は手早く複数の留め具を施していく。
外側から聞こえてくる不穏な音に怯えながら、触れ合った唇をずらしつつ呼吸を行う。その準備の時間は約一分に渡って繰り広げられ、男が無慈悲な追撃のスイッチでもある最後の留め具を掛けた瞬間、男達は怯えることはおろか唇を協力してずらすこともままならない程の責め苦へと、お互いを嬲る淫獄の感覚のみが一体化された箱を通して共有される矛盾した地獄へと、為す術無く突き落とされてしまった。
「んみゅぅぅぅーっ!? もっ、ぶみゅぅぅっ!?」
「あぶっ、んまぁぁ!? ふぶっ、もぼぉぉぉっ!?」
イきっぱなしの絶頂地獄は、変わらず続いている。けれど、眼前の仲間に注がれているイけそうでイけない生殺しの悦楽の感覚も同時に送り込まれている。
イきたくてもイけない刺激による焦らしの苦悶は、終わり無く生み出されている。だというのに、仲間を苦しめている断続的な絶頂の感覚が叩き込まれている。
「んちゅ、はぶ、んむぅぅ!」
「あぶ、むぁ、んみゅぅぅ!」
イってるのに、イけない。イけないのに、イってる。相反する感覚に、自分と仲間が受けている正反対の感覚に思考を掻き乱されながらその齟齬を誤魔化したいという願いを形にしたかのように熱烈な口付けを間抜けに交わし始めた男達を箱の外側で堪能しつつ、悪趣味な敵の男は離れた位置にあった椅子を引き寄せて一つに繋いだ箱達の前に腰掛け、二人の男が淫蕩な崩壊に向かう過程を目を閉じ耳のみで味わい尽くしていくのだった。
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