BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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主はいつも通りに淫乱奴隷を愉しむ

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すぐ下の雄々しく割れた腹筋が無ければ、雌の物だと誤認しても不思議ではない。そんなふっくらと丸みを帯びた乳房とその頂点で硬く尖った乳首を荒く乱れた呼吸に合わせて揺らめかせながら、男が指示を下される瞬間を今か今かと待ち侘びている。
がに股に開いた足は、ぷるぷると絶え間無く小刻みに震えている。屈辱でも疲労でもなく、早く腰を下に動かしたいと願う本能を必死で抑えているが故の震えを披露しながら、男は逞しく愛しい主の男根の先端を尻穴に潜り込ませた体勢を維持し続けている。

「はぁ、んっ、は、ふあぁ……っ!」

二の腕を胸部に繋ぎ左右の手首を背中で交差させた状態にさせる縄の拘束を解こうと試みることすらせずに、ただただじっと耐えている男。床に敷かれた細長いマットの上に仰向けで寝転がっている主の裸体に跨がり主の男根の亀頭が自身の尻穴を緩くこじ開けている状況を、体内で暴れ回る淫猥な欲望に蓋をしつつ指示に沿って保っている従順な男。

「あっ、うあぁ……んっ、ひはぁっ」

本当は今すぐにでも、大好きな男根を尻穴で奥深くまで飲み込みたいと思っているのだろう。被虐の至福に限界まで張り詰めた己の男根を情けなく育てられた小ぶりな乳房と共に振り乱しながら、雌の悦楽を貪りたいと渇望しているのだろう。
男のそんなはしたない欲を手に取るように見抜きながら、主である男は残忍な笑みを際限無く深めつつ無言での鑑賞をじっと継続している。自分無しでは生きられない程の淫乱に躾けられた奴隷の思考では、命令の遵守を破る選択肢すら浮かばない。主の裸体に跨がらせた裸体がどんなに痙攣しようとも、亀頭を浅く受け入れた尻穴が更なる悦びを欲して疼きに疼いても、主に心と身体を飼い慣らされた奴隷は湧き上がる衝動を良い子に抑え込み続けている。
その愉快な奴隷の悶絶を間抜けに開かれた裸体の真下というこれ以上無い特等席で満喫しながら、主の男は興奮の量に合わせて尻穴をもどかしく犯している男根の硬度を更に引き上げていく。
幾らいたぶっても飽きない最高の奴隷。どれだけ意地悪に苛めても淫らに苦しみながら隷属を返してくれる最高の奴隷。涙と唾液で顔を汚し、自分に対して汗の雨を休み無く降らせるくらいに追い詰められているのに最初に与えた乱れゆく自分の顔を見せろという命令をしっかりと守っている最愛の肉奴隷。その自分だけに忠誠を示す可愛らしい奴隷の男が意識を朦朧とさせ始めたのを感じながら、主の男は口角を残忍なまでに吊り上げつつ短く簡潔な解放の言葉を焦らしに焦らした奴隷の男にもたらしてやった。

「よし」

霞む正気の中でもはっきりと聞こえる主の声。その声が意味する内容を理解し表情に安堵と感謝の色を混ぜた奴隷が、腰の高さを一定にさせていた足の力を大きく抜き滾った主の男根を尻穴に飲み込んでいく。
その飲み込みが生み出す腸壁由来の男根への摩擦を愉しみながら、痛々しいくらいに膨れ上がった奴隷の男根が乳首と一緒に嬉しげな脈動を行い上に反りつつ下へと引っ張られていく光景を味わいながら、主の男は縄に縛められている事実すらも快楽を引き立てるスパイスに変換する真性の淫乱奴隷が尻穴を男根に貫かれた刺激だけで射精に至るいつも通りの見世物を、いつも通りの期待に胸を躍らせつつ独占していくのだった。
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