BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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逃れられぬ男達は抱き付きながら淫猥に堕ちる

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天井と床を繋ぐ太い柱が、その地下室には何十と配置されている。建物の強度を重視してという理由だけでは説明が付かない程に、その白く太い柱は至る所へと配置されている。
異常なまでに立てられた数多くの柱。それは、捕らえた者を拘束し悪趣味な責め苦で辱め追い詰める為の機構だ。
柱を腕と足で抱き締めているかのような格好を取らされ、その状態から抜け出せないよう手首同士と足首同士を黒い革製の枷と短い鎖を組み合わせた器具で繋がれた男達はもう、逃げ出す以前に立ち上がることすら叶わない。
両手首と足首に嵌められた枷と一体化している指の使用を不可能にさせる目的で用意された黒革製の袋に手足を包まれていなかったとしても自力では外せない縛めに囚われた男達はもはや、輪状の金属と黒革によって構成された開口具によって閉じられなくされた口から苦悶の呻きを漏らしつつ、他の柱を抱き締めさせられた者達と共にありとあらゆる自由を取り上げられた裸体を嬲られるしか無い。
天井部分に仕込まれた機構から染み出す液体を自身の表面に伝わされている柱から離れたくても離れられない姿に追いやられた哀れな男達は、その液体が持つ無慈悲な効能を自らの肉体で思い知らされながらも新たに垂れ落ちる液体に逃れられぬ肉体を苛まれることしか出来ない立場に置かれた無様な男達は、自分達をこの地下室に放置して去った敵達への怒りや憎しみすらも掻き消されるくらいに苛烈な発情と悦楽に苦しみつつ、仲良く理性と正気の瓦解へと突き落とされるしか無いのだ。

「あっ、あおぉ! は、はごっ、おあぁぁぁっ!!」
「うぉっ、ほあぁぁっ! おがっ、もあぁぁぁっ!!」

淫猥な薬品を混ぜ込まれた液体に絶えず撫でられている腕と足をガクガクと痛々しく痙攣させながら、男達はどうにかして少しでも地獄を和らげようと様々な手を尽くしている。
特に過敏な弱点である男根が液体に直接触れないよう可能な限りに腰を引き、開きっぱなしにさせられた口内に液体が潜り込まないよう頭部を必死に反らしながら、男達は甘い拷問を誤魔化そうと努力を重ねている。
だが、それらの試みは何もかもが無駄でしか無い。幾ら腰を引いても足首同士を柱を挟んで遊び無く結合された状態では、伝い落ちる淫蕩な液体の攻撃から男根を逃がすことなど出来はしない。頭部を一生懸命に反らしても、手首同士を結ばれた己の腕によって上半身を柱へと引き戻されている状況ではわずかな脱力で頭部が元の位置に戻り、金属の輪を噛まされた口ごと顔面を液体が流れる柱へとまた密着させられてしまう。
どんなに頑張っても、淫猥な苦悶からは脱出出来ない。認めたくないけれど認めざるを得ない残酷な現実は男達の精神を跡形も無く砕くには十分すぎる絶望を生み出す情報で、堕ちないよう、壊れないようにと気丈に自身を支えていた男達は一人、また一人と快楽を受け入れ屈する道を選び、拒んでいた柱へと愛しげに抱き付きながら至福を追求し始めていく。

「あっ、あぉっ、んぉぉんっ!」
「んちゅ、はぶ、んぢゅ、んぶぅぅんっ!!」

間抜けな格好で淫薬混じりの液体が垂れ落ちる柱に向かって腰を振り、男根を摩擦しながら射精を繰り返す男。口を制限する拘束から伸ばした舌で非道な液体を嬉しそうに啜りつつ身をくねらせ、高まりきった全身で悦びを貪りながら絶頂に何度も至る男。
そんな堕落した仲間達の幸福に染まった悲鳴を耳にしながら、まだ耐えている男達は自身の末路に恐怖を募らせつつとっくに意味が無いと分かっているはずの足掻きを淫らで惨めな破滅を否定したい一心で、また諦め悪く試みていた。
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