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堕ちた男は主たる存在に己の淫らさを捧げる
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何もかもを諦め、監禁の状況を受け入れ始めてからどれだけの月日が過ぎたのだろう。一人きりで放置されているが故の退屈を感じながら、男はふとそんなことに思いを馳せた。
二の腕と胴体を繋ぎ、左右の手首を背中で交差させた形に維持させる、左右の足首から太ももにかけてを数箇所に分けてきつく一括りにする。仮に指の使用を禁じる黒革製の鍵付き手袋を施されていなかったとしても自力では振り払えない縄の拘束がもたらす圧迫に呻きながら、男は鼻の穴を除く頭部全体を隙間無く包み視界と言葉を封じている黒いラバー製のマスクの内側で自分が敵の肉奴隷として飼われ始めてからの日数に意識を寄せた。
どうせ逃げようと頑張っても、監禁場所に選ばれた部屋に仕掛けられているカメラを用いた監視を常に行われている以上拘束を緩ませることすら叶わぬまま罰と称した加虐を注がれるだけに終わってしまう。
反抗心を鋭く示してみても、多勢に無勢な上に命を握られている状態ではほんのちょっと呼吸を禁じられるだけで、淫薬を混ぜた食事すらも摂取させて貰えない仕置きを与えられるだけで、反抗心を紡ぐ気力さえ維持出来ない程の苦悶へと追いやられてしまう。
そんな八方塞がりの日々の中で隷属以外の選択肢を取れないようにされた男は、敵への憎しみを覚えることも忘れた頭に己の陥落までの過程を思い起こしながら、ただ一人でじっと待つ時間を過ごしていた。
そうして、何時間が経っただろう。縄を着せられた裸体をよじらせ、マスクの内側に突き出た口を貫く棒へと戯れに歯を立て舐め回し、マスクの頭頂部に位置する金具と壁の金具を繋ぐ南京錠に意味も無く音を立てさせながらじっと待っていた男の耳に、部屋の扉の開く音が聞こえた。
「ん……」
室内に踏み込む足音を耳にしながら、男は丸出しにさせられている男根を条件反射で膨張させていく。
まだ今日の辱めが来ると決まった訳では無い。そう自らに言い聞かせつつも、もたらされる快楽に溺れるだけの生活を折られた心で選んだ男は、餌に含まれた媚薬で火照っていた裸体の熱を更に高めつつ、壁に上半身を預ける格好で床に腰掛けた身体で完全に勃起した男根を自己主張する腰の前後運動をはしたなく行っている。
そのかつての面影を一切感じさせぬ程に堕ちた男を正面に立って見下ろしながら、支配者側に回った男は愉悦に染まった笑みを濃く深めつつ命令を下した。
「スパイさん、犯してあげるよ。お尻をこっちに向けなさい」
「んぐ、むぅっ」
この声は、確か自分の正体を最初に看破したという男の声だ。そう認識しながら、スパイと呼ばれた男はわずかな迷いも見せること無く、縄塗れの裸体を言われた通りに動かしていく。
壁に背を預けていた裸体をマスクと壁を結ぶ南京錠に苦戦しつつ反転させ、床に付けた膝から下とマスクと壁を接続する拘束を用いて姿勢を支える形で、スパイは正面から背後となった男に尻を、連日の調教で肉厚に育った尻肉の奥で蕩けきっている尻穴をさらけ出した。
「よし、良い子だ。それじゃあ早速入れてあげよう」
「んもっ、ぶふぅんっ」
異物を拒む手段を忘れさせられたはしたない穴に、硬く熱く張り詰めた男根が押し当てられる。
まだ亀頭が触れただけだというのに幸せ一色の唸りを漏らし、唯一の呼吸孔となっている鼻を間抜けにプスプスと鳴らしながら尻穴を開閉させているスパイが、抵抗を不可能にされ不自由な体勢でこれから凌辱される者が見せる物とは到底思えない反応をさらけ出していく。
そのこれ以上無く惨めで、滑稽で、淫猥な肉便器に自ら堕ちたスパイの姿を愉しみながら、男は腰を荒々しく振り始めつつ左右の手を逆らえぬ裸体の正面に伸ばし、淫乱スパイが大好きな左右の乳首を嬲られ尻穴をほじくり回されながら迎える一切責められていない男根での絶頂を、捧げられた淫らさのご褒美と言わんばかりに与えていくのだった。
二の腕と胴体を繋ぎ、左右の手首を背中で交差させた形に維持させる、左右の足首から太ももにかけてを数箇所に分けてきつく一括りにする。仮に指の使用を禁じる黒革製の鍵付き手袋を施されていなかったとしても自力では振り払えない縄の拘束がもたらす圧迫に呻きながら、男は鼻の穴を除く頭部全体を隙間無く包み視界と言葉を封じている黒いラバー製のマスクの内側で自分が敵の肉奴隷として飼われ始めてからの日数に意識を寄せた。
どうせ逃げようと頑張っても、監禁場所に選ばれた部屋に仕掛けられているカメラを用いた監視を常に行われている以上拘束を緩ませることすら叶わぬまま罰と称した加虐を注がれるだけに終わってしまう。
反抗心を鋭く示してみても、多勢に無勢な上に命を握られている状態ではほんのちょっと呼吸を禁じられるだけで、淫薬を混ぜた食事すらも摂取させて貰えない仕置きを与えられるだけで、反抗心を紡ぐ気力さえ維持出来ない程の苦悶へと追いやられてしまう。
そんな八方塞がりの日々の中で隷属以外の選択肢を取れないようにされた男は、敵への憎しみを覚えることも忘れた頭に己の陥落までの過程を思い起こしながら、ただ一人でじっと待つ時間を過ごしていた。
そうして、何時間が経っただろう。縄を着せられた裸体をよじらせ、マスクの内側に突き出た口を貫く棒へと戯れに歯を立て舐め回し、マスクの頭頂部に位置する金具と壁の金具を繋ぐ南京錠に意味も無く音を立てさせながらじっと待っていた男の耳に、部屋の扉の開く音が聞こえた。
「ん……」
室内に踏み込む足音を耳にしながら、男は丸出しにさせられている男根を条件反射で膨張させていく。
まだ今日の辱めが来ると決まった訳では無い。そう自らに言い聞かせつつも、もたらされる快楽に溺れるだけの生活を折られた心で選んだ男は、餌に含まれた媚薬で火照っていた裸体の熱を更に高めつつ、壁に上半身を預ける格好で床に腰掛けた身体で完全に勃起した男根を自己主張する腰の前後運動をはしたなく行っている。
そのかつての面影を一切感じさせぬ程に堕ちた男を正面に立って見下ろしながら、支配者側に回った男は愉悦に染まった笑みを濃く深めつつ命令を下した。
「スパイさん、犯してあげるよ。お尻をこっちに向けなさい」
「んぐ、むぅっ」
この声は、確か自分の正体を最初に看破したという男の声だ。そう認識しながら、スパイと呼ばれた男はわずかな迷いも見せること無く、縄塗れの裸体を言われた通りに動かしていく。
壁に背を預けていた裸体をマスクと壁を結ぶ南京錠に苦戦しつつ反転させ、床に付けた膝から下とマスクと壁を接続する拘束を用いて姿勢を支える形で、スパイは正面から背後となった男に尻を、連日の調教で肉厚に育った尻肉の奥で蕩けきっている尻穴をさらけ出した。
「よし、良い子だ。それじゃあ早速入れてあげよう」
「んもっ、ぶふぅんっ」
異物を拒む手段を忘れさせられたはしたない穴に、硬く熱く張り詰めた男根が押し当てられる。
まだ亀頭が触れただけだというのに幸せ一色の唸りを漏らし、唯一の呼吸孔となっている鼻を間抜けにプスプスと鳴らしながら尻穴を開閉させているスパイが、抵抗を不可能にされ不自由な体勢でこれから凌辱される者が見せる物とは到底思えない反応をさらけ出していく。
そのこれ以上無く惨めで、滑稽で、淫猥な肉便器に自ら堕ちたスパイの姿を愉しみながら、男は腰を荒々しく振り始めつつ左右の手を逆らえぬ裸体の正面に伸ばし、淫乱スパイが大好きな左右の乳首を嬲られ尻穴をほじくり回されながら迎える一切責められていない男根での絶頂を、捧げられた淫らさのご褒美と言わんばかりに与えていくのだった。
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