飼い主は獣じみたおねだりを無慈悲に独占する

五月雨時雨

文字の大きさ
上 下
1 / 1

飼い主は獣じみたおねだりを無慈悲に独占する

しおりを挟む
指の使用を禁じる機構を備えた白くふわふわな毛に覆われているグローブは、外したくても外せない。犬の足を模した可愛らしい見た目の拘束を与えられた男の腕は、そのグローブに生えている物と同じ毛をあしらわれた幾本ものベルトによって手首と肘の近く、そして二の腕の部分を緩み無く締め上げられ、自力ではグローブを振り払えない状態を作り出されてしまったのだ。
指を使いたくても使えない。そんな手では当然、他の箇所に加えられた拘束から逃れることも叶わない。腕と同じように足の指の使用を不可能にさせ、足首から太ももまでをベルトに圧迫するベルトによって固定された犬の足に寄せたブーツを脱ぎたくても脱げない。口に噛まされた白い骨型の猿轡と、白色をした犬の耳の飾りが一体となっている頭部全体へと這わされた黒く細い革ベルトによって構成されている器具を毟り取りたくても毟り取れない。無様な犬に変えられた男は、尻穴から垂れ下がった白い犬の尻尾飾りと連なった腸壁を内側から拡張しているアナルプラグを引き抜くことも許されず、大人の腰程度の高さしか無い四角く狭い金属製の檻に閉じ込められた事実も覆せず、丸出しにさせられた男根を取り囲むように装着された金属製の籠から離れることも認められない。
ありとあらゆる自由を奪い取られ、犬として支配され飼育下に置かれている男はもう、気が狂いそうな程の屈辱と恥辱に苛まれながらも自分をこの立場に追いやった男の思い通りの行動を取るしか無い。
自害の道すらも選べなくされた惨めな犬の男は今日も、無理矢理に摂取させられる餌に混ぜられた淫薬の効果でみっともなく発情させられた肉体を自分の飼い主となった男へと檻越しに見せ付けながら、誇りを捨てたおねだりを示して苦悶からの解放をねだることしか出来ない。
人間としての尊厳を守る余裕すらも削ぎ落とされた男は、無我夢中で腰を振って頑丈な貞操帯の内側に封じ込まれた男根を非道な飼い主に向かって自己主張しながら切羽詰まった言葉にならぬ鳴き声で射精を懇願する、滑稽極まりない犬でしか無いのだ。

「うぅ、むぅぅんっ! あぉ、うぁぉっ! んまぉぉぉんっ!」

意に染まぬ淫らな興奮を絶えず強制されている疲弊しきった肉体で、憎い飼い主から教え込まれたお願いのポーズをなりふり構わずに作りながら、男は貞操帯の中で痛々しく張り詰めた男根への慈悲を希求する。本物の犬が芸として行うチンチンの格好を羞恥に震えつつ晒しながら、男は頭部の耳と尻穴の尻尾をみっともなく揺らめかせつつ悠然とした態度で醜悪な微笑みを浴びせてくる飼い主の男に数日に渡って溜めに溜め込まされた精液の放出を頼み込む。
だが、冷酷な飼い主は男に救いをもたらさない。自分だけの白犬に貶めた男の全てを意のままに管理する残忍な飼い主は、自らの心を切り付ける結果となることを承知で射精を請うた白犬の鳴き声に表情の変化以外の一切の反応を示さず、何もしてくれない自分に絶望した犬がじょじょに理性を失いおねだりをより獣じみた愉快な物へと引き上げさせていく様子を、自室を離れなければいけない時間が来るまで無慈悲に独占し続けていた。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

哀れな箱は淫らに貫かれたまま取り残される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

生意気な少年は男の遊び道具にされる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

屈した少年は仲間の隣で絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

少年探偵は恥部を徹底的に調べあげられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

スパイは無様な姿で情報を絞り出される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

少年は自らの痴態をイきながら見せ付けさせられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...