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異常な男は神の双子を玩具にする
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「幾ら社が寂れ、人々に忘れられようともここは我らが守る地じゃ」
「お主のような輩に好き勝手はさせぬし、宝玉もやらんぞ。力衰えようとも神である我らに楯突くなど阿呆のすることじゃ。早々に立ち去るが良い」
狐の耳を生やした人ならざる双子の少年が古びた社を背にし、悪意を持って訪れた男に鋭い目を向けながら戦いの構えを取る。
あと一歩でも前に出れば容赦はしない。そんな思いを隣にいるもう一人と共有し、自身の得物である神具の扇子と小刀を握り直した少年達は、油断を欠片も見せずに男の様子を注視していた。
そんな視線と、あどけない顔立ちから放たれる殺気を浴びながら、男はにっこりと微笑んで右の人差し指と中指を口に当て小さく呪文を呟いた。
それは、男が編み出したどの本にも載っていない術を発動させる呪文。男以外の時間をとめ、男を一時的にこの世界の支配者へと変える術を起動させる呪文だ。
男が小声で呪文を唱えた直後、世界は完全に停止した。風に揺らされていた木々の音が消え、空を飛んでいた小鳥がその場に固定され、男に敵意を向けていた狐の少年達は男を睨んだままの状態で動きをとめた。
もはや少年達は、男が何をしても反応出来ない。笑みを濃くしながら歩み寄ってきても、少年達は得物を振るえない。
全ての抵抗を不可能にされた哀れな少年達を作り出した男は、二人の頭部に生えている柔らかな狐の耳を指先でつつきながら、愉快の感情に満ちた言葉で二人に宣言した。
「この地になんて興味は無いし、宝玉も要らないよ。僕が欲しいのは君達だけだ。僕は苛め甲斐と、弄び甲斐と、飾り甲斐のある君達みたいな可愛い神様を捕まえて、家にコレクションしてるだけの人間だよ」
下手な妖怪よりも遥かに凶悪で、狂気に満ちている男の異常な宣言が耳に届いても時間をとめられそれを認識出来なくされた少年達は恐怖を感じることも許されず、男の手が自分達の手から神具をもぎ取り、身に着けていた赤と白の装束を脱がせ、無防備な裸体に残酷な手間を加え始めてもただただ男の思い通りに肉体を弄くられ男好みの変化を小柄な裸体に施されていくしか無かった。
「ここをこうして……よし、完成だ! うんうん、とっても可愛くなったね。狐君達」
満足げな表情を浮かべながら、男は無様な格好へと変えた少年達を改めてじっくりと眺め首を縦に振った。
そうして首を縦に振る男の前には、変わり果てた少年達の姿がある。少年達はもう、男が時間停止の術を解いても身動きできない。衣服を剥ぎ取られた裸体全体に男が用意していた札を貼り付けられた少年達は指一本すら望むようには動かせず、恥辱と苦悶を味わわされる惨めな格好から抜け出したくても抜け出せない。背中で肘から先を重ねさせられた腕はどんなに力を込めてもそこから離れられず手は握り拳を強いられ決して開けない。後ろに大きく持ち上げさせられ顔の左右に運ばれた足は正常な位置に戻そうと頑張っても戻せない。常に裸体全体が軋み、丸出しの恥部を頭上で情けなく晒す格好に変えられた狐の少年達はピンと伸ばされ背中に触れている金色の尻尾を左右に振ることさえ禁じられ、文字通り手も足も出せなくされてしまった。
狐の少年達に取れる行動は一つだけ。自分達を捕らえた男の目と耳を悦ばせるために生きることだけだ。
力が弱まっているとはいえ神であるために自ら命も断てない可哀想な少年達を自分の手に落とした男は、満足の行く状態に仕上がった二人を早速家に持ち帰ろうとする。
しかし、そこで男は思い直した。せっかくここまで良い出来になったのだから、可能な限り愉しみたい。二人を家まで運ぶのは簡単だが、どうせならここでしか出来ない責めと二人の反応も堪能しておくべきだ。
そんな残酷な思考を浮かべた男は醜悪な笑みで顔を歪ませると、善は急げとばかりにまた右の人差し指と中指を口に当て呪文を唱えた。それは先程とは違う、時間の停止を解除する呪文。ただ解除するのでは無く、狐の少年二人の時間だけを再び動かし始める呪文だ。
男を強く睨んでいた二人の時間がまた流れ出す。そして二人はすぐに、自分達の身体の異常に嫌でも気付く。何も着ておらず、手足は苦しい体勢を強制されたままピクリとも動かせず、先程よりもずっと近い距離で自分達を観察している男に何の手出しも行えない完全な拘束。それを把握した二人は、動かせない裸体をわずかに跳ねさせながら必死に身悶え男に向かって焦りと怒りが混じった言葉を浴びせかけた。
「お、お主! 一体何をした!? 我らの身体を、元に戻せぇっ!」
「我らにこんな辱めを加えても、この地と宝玉は手に入らんぞ! 何をしても無駄じゃ、早く……この術を解けっ!」
目の前の男の本当の目的を知る由も無い二人は、自分達の頭上で揺れる恥部に男の視線が注がれていることはおろか男の股間が興奮していることにも気付かずに言葉を発し続ける。
これから始まる地獄を全く想像せずに反抗の態度を示す狐の少年達に目を細めた男は、気位の高い二人の神を自らが守る土地で悶え狂わせ社の前で断続的な絶頂を迎えさせるために先二つの物とは違う呪文を呟き、行動封じの術を込め二人の全身に貼り付けた札に新たな術を植え付け、二人に暴力的なまでの快楽を叩き込んでいく。
人間に不相応な時を操る強力な術を扱うという意味でも、神を捕らえて自身の玩具とする嗜好を持っているという意味でも異常な男に目を付けられてしまった双子の狐の少年はもうすぐとまった時間の中に自分達の淫猥な絶叫が響き渡る残酷な事実など分からぬまま口を動かし、非情な男を余計に愉しませてしまっていた。
「お主のような輩に好き勝手はさせぬし、宝玉もやらんぞ。力衰えようとも神である我らに楯突くなど阿呆のすることじゃ。早々に立ち去るが良い」
狐の耳を生やした人ならざる双子の少年が古びた社を背にし、悪意を持って訪れた男に鋭い目を向けながら戦いの構えを取る。
あと一歩でも前に出れば容赦はしない。そんな思いを隣にいるもう一人と共有し、自身の得物である神具の扇子と小刀を握り直した少年達は、油断を欠片も見せずに男の様子を注視していた。
そんな視線と、あどけない顔立ちから放たれる殺気を浴びながら、男はにっこりと微笑んで右の人差し指と中指を口に当て小さく呪文を呟いた。
それは、男が編み出したどの本にも載っていない術を発動させる呪文。男以外の時間をとめ、男を一時的にこの世界の支配者へと変える術を起動させる呪文だ。
男が小声で呪文を唱えた直後、世界は完全に停止した。風に揺らされていた木々の音が消え、空を飛んでいた小鳥がその場に固定され、男に敵意を向けていた狐の少年達は男を睨んだままの状態で動きをとめた。
もはや少年達は、男が何をしても反応出来ない。笑みを濃くしながら歩み寄ってきても、少年達は得物を振るえない。
全ての抵抗を不可能にされた哀れな少年達を作り出した男は、二人の頭部に生えている柔らかな狐の耳を指先でつつきながら、愉快の感情に満ちた言葉で二人に宣言した。
「この地になんて興味は無いし、宝玉も要らないよ。僕が欲しいのは君達だけだ。僕は苛め甲斐と、弄び甲斐と、飾り甲斐のある君達みたいな可愛い神様を捕まえて、家にコレクションしてるだけの人間だよ」
下手な妖怪よりも遥かに凶悪で、狂気に満ちている男の異常な宣言が耳に届いても時間をとめられそれを認識出来なくされた少年達は恐怖を感じることも許されず、男の手が自分達の手から神具をもぎ取り、身に着けていた赤と白の装束を脱がせ、無防備な裸体に残酷な手間を加え始めてもただただ男の思い通りに肉体を弄くられ男好みの変化を小柄な裸体に施されていくしか無かった。
「ここをこうして……よし、完成だ! うんうん、とっても可愛くなったね。狐君達」
満足げな表情を浮かべながら、男は無様な格好へと変えた少年達を改めてじっくりと眺め首を縦に振った。
そうして首を縦に振る男の前には、変わり果てた少年達の姿がある。少年達はもう、男が時間停止の術を解いても身動きできない。衣服を剥ぎ取られた裸体全体に男が用意していた札を貼り付けられた少年達は指一本すら望むようには動かせず、恥辱と苦悶を味わわされる惨めな格好から抜け出したくても抜け出せない。背中で肘から先を重ねさせられた腕はどんなに力を込めてもそこから離れられず手は握り拳を強いられ決して開けない。後ろに大きく持ち上げさせられ顔の左右に運ばれた足は正常な位置に戻そうと頑張っても戻せない。常に裸体全体が軋み、丸出しの恥部を頭上で情けなく晒す格好に変えられた狐の少年達はピンと伸ばされ背中に触れている金色の尻尾を左右に振ることさえ禁じられ、文字通り手も足も出せなくされてしまった。
狐の少年達に取れる行動は一つだけ。自分達を捕らえた男の目と耳を悦ばせるために生きることだけだ。
力が弱まっているとはいえ神であるために自ら命も断てない可哀想な少年達を自分の手に落とした男は、満足の行く状態に仕上がった二人を早速家に持ち帰ろうとする。
しかし、そこで男は思い直した。せっかくここまで良い出来になったのだから、可能な限り愉しみたい。二人を家まで運ぶのは簡単だが、どうせならここでしか出来ない責めと二人の反応も堪能しておくべきだ。
そんな残酷な思考を浮かべた男は醜悪な笑みで顔を歪ませると、善は急げとばかりにまた右の人差し指と中指を口に当て呪文を唱えた。それは先程とは違う、時間の停止を解除する呪文。ただ解除するのでは無く、狐の少年二人の時間だけを再び動かし始める呪文だ。
男を強く睨んでいた二人の時間がまた流れ出す。そして二人はすぐに、自分達の身体の異常に嫌でも気付く。何も着ておらず、手足は苦しい体勢を強制されたままピクリとも動かせず、先程よりもずっと近い距離で自分達を観察している男に何の手出しも行えない完全な拘束。それを把握した二人は、動かせない裸体をわずかに跳ねさせながら必死に身悶え男に向かって焦りと怒りが混じった言葉を浴びせかけた。
「お、お主! 一体何をした!? 我らの身体を、元に戻せぇっ!」
「我らにこんな辱めを加えても、この地と宝玉は手に入らんぞ! 何をしても無駄じゃ、早く……この術を解けっ!」
目の前の男の本当の目的を知る由も無い二人は、自分達の頭上で揺れる恥部に男の視線が注がれていることはおろか男の股間が興奮していることにも気付かずに言葉を発し続ける。
これから始まる地獄を全く想像せずに反抗の態度を示す狐の少年達に目を細めた男は、気位の高い二人の神を自らが守る土地で悶え狂わせ社の前で断続的な絶頂を迎えさせるために先二つの物とは違う呪文を呟き、行動封じの術を込め二人の全身に貼り付けた札に新たな術を植え付け、二人に暴力的なまでの快楽を叩き込んでいく。
人間に不相応な時を操る強力な術を扱うという意味でも、神を捕らえて自身の玩具とする嗜好を持っているという意味でも異常な男に目を付けられてしまった双子の狐の少年はもうすぐとまった時間の中に自分達の淫猥な絶叫が響き渡る残酷な事実など分からぬまま口を動かし、非情な男を余計に愉しませてしまっていた。
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